【完結】僕の彼氏の婚約者は、前世の恋人である僕が忘れられないらしい

325号室の住人

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再びの異世界、シャーシード国

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「ちょっ!リン、おろして!!」


リンは真っ赤になった後、急に僕のことを抱き上げた。

そして、足早に執務室のドアを抜ける。

廊下に出ると、ちょうど隣の部屋のドアも開き、お父様とお母様も出てきた。
目が合って、次に赤面するのはリンに抱き上げられた僕だった。

「父上、母上、お願いがございます。」

リンは、僕を抱き上げたまま礼を執った。
落ちそうになって、慌ててリンの首に両手で作ったループを引っ掛けるような形になる。

「なあに?リンジェルド。」
「はい。実は……これからシノダと少し話したいので、子ども達をお願いできないかと。」

「いいぞ。たまには祖父母ジィジバァバとも遊んで貰いたいからな。」

「あの、子ども達の食事は作り置きがあります。今の時間ならお風呂が終わって、もうすぐ食事の時間なのです。」

「わかった。シノダ、安心しなさい。もしが難航しても、ベッドごと移動して私達と一緒に寝るから。」

「はい!ありがとうございます。」

僕は、リンに抱き上げられながら頭を下げる。

「宜しくお願いします。」

リンも礼を執ると、リンは走り出した。






とある部屋の扉を開けて、シノダを長椅子に下ろして座らせた。

ここは、浴室だ。
私の部屋の、寝室に続く専用の風呂だ。
そこへ、廊下側からの扉から入室したのだ。

先程シノダに見られたソロプレイの時には、風呂に入る前のモノに舌を添わせてもらったが、基本的に私は、きちんと入浴した後の体でスるのがマナーだと感じているのだった。

まずは自分が素っ裸になると、シノダの服に手を掛けた。

胸の前の、3つのリボンを上から順に解く。

ゆっくりと時間を掛けて解けば、リボンの重みに引かれてはらりとシャツの胸元が開く。

最初のリボンでは鎖骨が見えた。

次のリボンでは、以前より主張する胸が露わになり、
「ひゃんっ」
シノダからは声が上がった。

そんな調子なので、最後の1つを解くまでに、私のもシノダのも股間が大変なことになっていた。

シャツから肩を抜き、ストンと後ろへシャツを落とせば、まだこれからが風呂だというのに、既に薄桃色に染まるシノダの肌が視界に入った。

きめ細やかな、何の傷もない、綺麗な肌に触れようとした時……

「リン……先に話をしたい。」

シノダから声が掛かった。

私も隣に座ると、シノダは少しだけ膝の位置をずらして私を見た。

「僕ね、昨日までリンと別れて、子ども達を連れて、ここを出ようと思っていたんだ。」

私は、シノダの言葉に言葉を失った。


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