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再びの異世界、シャーシード国
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しおりを挟む「ちょっ!リン、おろして!!」
リンは真っ赤になった後、急に僕のことを抱き上げた。
そして、足早に執務室のドアを抜ける。
廊下に出ると、ちょうど隣の部屋のドアも開き、お父様とお母様も出てきた。
目が合って、次に赤面するのはリンに抱き上げられた僕だった。
「父上、母上、お願いがございます。」
リンは、僕を抱き上げたまま礼を執った。
落ちそうになって、慌ててリンの首に両手で作ったループを引っ掛けるような形になる。
「なあに?リンジェルド。」
「はい。実は……これからシノダと少し話したいので、子ども達をお願いできないかと。」
「いいぞ。たまには祖父母とも遊んで貰いたいからな。」
「あの、子ども達の食事は作り置きがあります。今の時間ならお風呂が終わって、もうすぐ食事の時間なのです。」
「わかった。シノダ、安心しなさい。もし話し合いが難航しても、ベッドごと移動して私達と一緒に寝るから。」
「はい!ありがとうございます。」
僕は、リンに抱き上げられながら頭を下げる。
「宜しくお願いします。」
リンも礼を執ると、リンは走り出した。
とある部屋の扉を開けて、シノダを長椅子に下ろして座らせた。
ここは、浴室だ。
私の部屋の、寝室に続く専用の風呂だ。
そこへ、廊下側からの扉から入室したのだ。
先程シノダに見られたソロプレイの時には、風呂に入る前のモノに舌を添わせてもらったが、基本的に私は、きちんと入浴した後の体でスるのがマナーだと感じているのだった。
まずは自分が素っ裸になると、シノダの服に手を掛けた。
胸の前の、3つのリボンを上から順に解く。
ゆっくりと時間を掛けて解けば、リボンの重みに引かれてはらりとシャツの胸元が開く。
最初のリボンでは鎖骨が見えた。
次のリボンでは、以前より主張する胸が露わになり、
「ひゃんっ」
シノダからは声が上がった。
そんな調子なので、最後の1つを解くまでに、私のもシノダのも股間が大変なことになっていた。
シャツから肩を抜き、ストンと後ろへシャツを落とせば、まだこれからが風呂だというのに、既に薄桃色に染まるシノダの肌が視界に入った。
きめ細やかな、何の傷もない、綺麗な肌に触れようとした時……
「リン……先に話をしたい。」
シノダから声が掛かった。
私も隣に座ると、シノダは少しだけ膝の位置をずらして私を見た。
「僕ね、昨日までリンと別れて、子ども達を連れて、ここを出ようと思っていたんだ。」
私は、シノダの言葉に言葉を失った。
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