【完結】僕の彼氏の婚約者は、前世の恋人である僕が忘れられないらしい

異世界 シャーシード国

17

『魂が体から離れて、《魂の誓い》も済ませた。だから、魂同士が融合したがってるんだ。
もし肉体を持っていたなら、《魂の誓い》をしていても肉体があるから融合は阻まれる。
つまり、体同士の繋がり…エッチを祭壇の裏でスるのは、そういうことなんだ。』

『『なるほど。』』

『で、今の君らの体は……
ホラ見える？』

シーシャが床から床下を覗き込むようにするので、僕らも同じようにしてみる。

すると、祭壇の床で気を失ったような僕と、王太后様の立ちん坊の体が見えた。

それに、今はまだ遠いけれど、祭壇までの階段を、機嫌のいい鼻唄交じりの下ネタを言いながら上がってくる王太子ダリンスの姿が見えた。


僕とリンは同時に顔を上げ、ダンネスを見る。

『体を、こちらに連れて来ることは…』
『できん。ここは天上だぞ。肉体を持たぬ者しか入れぬ。』

『しかし、それではシノダの体は、またアイツに！！』

リンの言葉に悪寒がして、僕は自分の二の腕辺りを自分で抱いた。
こんな体だけど、震えが止まらない気がした。

『だから、わしらはお前たちの体へ魂を戻してやれぬかと思うてな。』
『そう。先ずは、リンジェルドの体の魔法を解いてやろうと思って……』

パチンッ

フィンガースナップが１回聞こえ、下界を覗けばリンの体を黄色い光が包み、

パリンッ

ソレが砕けると、中からリンの体が現れた。

『リンの体が！！　しかもアレ、日本にいた頃の身体だ。』

『しかし、年齢差はなさそうだな。』

『アレ？　気付いてない？　リンジェルドは魔力量が多いから、あぁしてる間に三郎の生気も精気も吸い取っちゃってたんだよ。』

『『………………？』』

『あぁ、だから、王太后？だっけ？　三郎は今頃国王と一緒に腹上死？　三郎自体が国王の精気吸ってたし。
……あ、国王だけはメッチャ衰弱してるけど命は取り留めたみたいだね。』

『祭壇の間まの鍵は掛けておいてやったぞい。それじゃ、今魂をあちらに戻してやろう。』
『はい。お手伝いします！』

僕は桃色の光に、リンは黄色の光に包まれた。

眩しくて目を開けて居られない。

パァァァァーーー……

益々光が増し、リンが僕を庇った時…

パァァァンッ！！

何かが弾けたような気がして、周りの空気が変わったような気がした。




リンが身動ぎ、僕も動けるようになると、リンに腕を引かれた。

僕らは何故か全裸で……

リンは祭壇の裏に僕を連れて行く。
自ら仰向けに横たわり、僕の手を引く。

「お願い。抱いて。」

リンの潤んだ瞳に、少し恥ずかしげに染まる頬…

僕は見惚れて、リンへの視線が釘付けだ。


リンが誘うように瞼を下ろし、唇はゆるく開き…………

僕は小さく
「愛してる。」
と呟いてから、リンと唇を重ねた。