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異世界 シャーシード国
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しおりを挟む「ハァハァハァ……くそ。確かに召喚に成功したハズなのに、シーシャの魂を持つ者はどこへ行ったのだぁ。」
その時、僕は悟った。
全ての犯人、全ての元凶はコイツなのだと。
「あぁ、早くシーシャを抱きたいのに……」
男は、あの平べったい丸い石を回収すると、僕の反対側からベッドを下り、カーテンを捲って行ってしまった。
シャワーの音がする。
僕はホッと息を吐いた。
たぶん、あの石が青く光ると、学校の教室とこちらの世界とが繋がって、物理的にモノが移動できるのだろう。
だからあの男の白濁が、僕の教室の椅子に掛かっていたのだ。
その証拠に、一度靄の中へ飛んだあの男の白濁が、あの時僕に飛んできたから。
そういえば、男が靄の中へ投げ捨てたはずの僕の服が消えていた。
男の精液まみれの僕の服が、教室の真ん中で、登校してきた生徒によって発見される……
ホラー…………なんかじゃないぞ。
これじゃただの変態教師じゃないか!!
何とか阻止できないだろうか。
でも、よく生徒たちから没収したラノベなんかでは、一度異世界なるものに来てしまった日本人の帰還できる確率はかなり低い。
僕は、もうリンに会えないのだろうか……
あの時光ったのは、リンジ先生がこの異世界に来た為ではなかったのか。
あの男はリンジ先生の居場所を知ってるのではないか。
僕は、リンジ先生がこの異世界に来ていると信じて、とりあえず情報収集をしようと考え、立ち上がる。
バサッとシーツが落ちれば、僕は全裸で……
「まずは服からだな。」
天蓋のカーテンをそっと開き辺りを伺えば、そこは白い壁に金の装飾が目に眩しい広い部屋だった。
僕の左側……ベッドの足側には大きな窓が並んでいる。
近付くが、開け方はわからなかった。
周りは目に眩しい壁に覆われており、シャワールームへの扉も、出入りのための扉も、それらしきものは見当たらない。
一見壁でも扉かもしれないと、僕は服を求めて壁を調べることにした。
私は目を覚ました。
視界には、見覚えのある天蓋の刺繍。
私はこれを見たことがある。
私が上体を起こすとノックが聞こえた。
天蓋のカーテンはまとめてあり、見えた扉が開くと、お辞儀していた水差しとグラスを銀の丸盆に乗せた、メイド服の恰幅の良い定年間近の校長と同年齢くらいの女が顔を上げ、私と目が合った。
女は驚きの形相で丸盆を落とす。
「あ…あ…あ……」
声にならないような声を上げながら両手で口を押さえると、踵を返して、
「旦那さまぁ、奥さまぁ、リンジェルド様が、リンジェルド様がぁーー!!」
あっという間に見えなくなってしまった。
「はぁ。何年経ってもエミリは慌てん坊だなァ。」
私は扉に向かって呟くのだった。
それから、エミリは自分と同年代の男性と女性を連れてきた。
「リンジェルド……本当に目が覚めた。」
「良かったわ、リンジェルド。貴方が眠りについてから……私達もう会えないかと思っていたのよ。」
「あの……父様、母様、僕は今、何歳なのでしょうか。」
私が訊ねると、父が答えてくれた。
「リンジェルドは今、24歳だ。」
母が申し訳無さそうに手鏡を渡してくる。
「!!」
母は私の驚いた顔に、悲しそうな表情をするけれど、逆だ。
私は嬉しかった。
若返っていたからだ。
シノダとの出会いが、シノダ16歳、私が24歳の時で歳の差が8つあった。
好きになってしまった。
それが両想いだと2人で1つに繋がった。
けれど、私の方がだいぶ年上なことに負い目があったのだ。
それが、まさか同い年になれるなんて!!
鏡の中で私はニヤニヤと嬉しそうだった。
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