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モトカレ 3 上 リョウ視点
しおりを挟む──やってしまった…
俺は、介抱してもらったふくらはぎを揉みながら猛省していた。
ずっと好きだった同期の男子と、彼の部屋でキスが始まったのが、体感で1時間程度前だろうか。
いよいよ、いよいよコトが始まるという段階になって、足が攣ったのだ。
同性が恋愛対象だと気付いたのは、小学校高学年だっただろうか。
修学旅行の夜、クラスのあの女子がかわいいという話で他の男子が盛り上がっているのを狸寝入りの背中の向こうに聞きながら、俺の頭の中では幼馴染みであるクラスの男子の顔が浮かんでいたのだ。
「あの髪がサラサラなのがさ…」
「笑顔がさ…」
「いつもはキツイこと言うのに、さっきの肝試しでさ…」
うんうんと相槌を打っているようで、隣の布団の男子の背中が俺の背中に触れた。
少しだけ俺の背中に寄りかかるようになったせいで、布団越しに背中に伝わる体温が、何だかくすぐったいような恥ずかしいような嬉しいような…
でも、その会話で自分以外はどうやら異性が恋愛対象であるということ、自分が好意を持っている彼もまた、異性が恋愛対象であるということがわかって、以来、恋人やカレシという存在は諦め、ひっそりとこっそりと想う方が良さそうだと悟ったのだった。
それが何と先程は、最近の意中の人であるセイが俺にキスをしてくれた。
しかもセイは恋愛対象が同性で、元カレまで居て、同性同士のアレやコレも熟知しているような、たぶん経験済みなのだった。
なのに俺は、テンパって足が攣って…
もう本当に、穴があったら入りたいほどだ。
「リョウ君落ち着いた? とりあえず、コーヒーでもどうぞ。」
──セイが優し過ぎる…
そんなことを考えながら、俺は受け取ったマグカップに口をつけた。
コーヒーはブラックだった。俺は甘いものは苦手だから。
「リョウ君は勘違いしてる。ボクは優しくないよ。」
「あれ…? 俺、声に?」
「うん。しっかり聞こえたよ。それに、リョウ君の足が落ち着いてたら、ボクまたさっきの続きをしようって考えてるんだもん。ね? 優しくないでしょう?」
セイはそのまま俺に顔を近付けると、ペロリと俺の唇を舐める。
「やっぱりブラックは苦いね。リョウ君は大人だな。」
「いや、俺、中学からコレだし。」
「へぇ、そうなんだ。」
ちゅ…
セイは俺の中学時代の話より…
ちゅ…
話はそっちのけで、俺とゆっくりと唇を合わせては小さなリップ音を立てながら離れるというのを繰り返して…
ちゅっちゅうっ…
少しだけキスが深くなり、口内のコーヒーの残りを掻き出すようにセイの舌が俺の口内を巡る。
唾液の混ざる水音がする。
合間にリップ音が聞こえる。
セイが俺を抱き締め、俺もセイを抱き締めると、ゆっくりと手を動かしてセイの体のラインを確かめる。
ボクサーブリーフの前穴から、セイの小振りなモノを穿り出してゆっくりと扱く。
すると、セイの唇が俺から離れ…
「んんっ!」
背中を反らせた。
BL漫画と同じだ。
俺の手の動きで、セイは感じたのだ。
達成感が湧き上がり、俺はセイのいろいろな表情を見たくなって、今度は感じたせいで立ち上がった胸の突起を指で転がした。
「あ、ぁんっ…」
セイの体は今度はくたりとして、俺に身を任せる。
俺はソレを《了承》と見なし、セイをベッドに横たえて跨った。
見下ろしたセイの表情がとても艶っぽく、あっという間に俺のモノは張り詰めてしまった。
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