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後ろの処女喪失と犯人

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頬を擽る柔らかな何かを感じ、僕は目を覚ました。

目覚めたそこには、見たこともないほど細い芝生……いや、これは髪?
僕の、襟元を少し緩めたワイシャツに、その芝生色の短髪の頭を抱え込んでいた。

「……んぅ…」

芝生頭が身動ぎ、声を漏らした。

そのまま少し腕を緩めれば、エサが欲しくて口をパクパクさせる水槽の金魚みたいにフガフガ言いながらソレが顔を上げた。

芝生色の眉とまつ毛、色白の肌、彫りが深くて外人顔、それに美形。
自分と同じくらいの年齢っぽいけど、眠っている顔はあどけない。

しばし見惚れていると、ピクッと動いた瞼がゆっくりと上がり、金色の瞳が徐々に焦点を合わせるように僕を見た。

そしてそのまま眼球が飛び出しそうなほどに目を見開いて僕の胸を押すようにして距離を取り、ついでにベッドから転げ落ちると、
「申し訳ありませんでした!」
床に這いつくばるようにガバリと頭を下げた。

それを合図によみがえる記憶と、神から詳細説明を受けていた時に何があったのかの記憶が補填され、僕の顔は瞬間的に赤くなる。

掛布をはだけさせながら芝生頭の方へ向かえば、視界内で頭を上げた男は全裸、そして僕も下半身裸、ナカはすっきりとしていたけれど、完全にな状況に、僕は気を飛ばした。






ちゃぽ…

水音に目を覚ますと、僕は芝生色の頭の男の胸に頭を預けるような体勢で、温いお湯に浸かっていた。

頭を上げると、

「目が覚めた? 君はもしかして、古文書にある異世界からの神子だろうか。」

一般男性として低めの、でも穏やかな声音だった。

「たぶん、そうだと思う。」
答えれば、
「そうか……」

心底嬉しそうな、安堵という言葉がしっくりくるような表情のあと、ニヤニヤしている芝生頭。

とりあえず裸で抱き合うようなこの状態を何とかしたくて、僕から話し掛けてみることにした。

「あの…僕は恵斗ケイトというんだ。あの、貴方は…?」
「ケイ? 私はソーマといいます。」
「ソーマ……」

そのまま沈黙してしまったのだが…

「そうだ、ケイ。私はお前のナカの掃除をしようと浴室に連れて来たのです。
さぁ、洗ってあげましょうね。」

一般的な浴槽ではなく、温泉宿の大浴場やプールサイドのようになっている風呂の縁に俯せるように僕を寝かせると、僕の膝を開かせて、膝までも縁に乗せる。

それから、僕の後ろの山脈をグイッと左右に開くようにすると、

ペチャッ

後孔にひやりとした風が吹いて、温かく柔らかな…舌がそこを撫でた。

「ぐっ…むぅ……」

我ながら変な声が出てしまうが…

「ん? 硬くなりましたね。」

僕の、縁に沿うように浴槽に残されたイチモツを、ぎゅむっと握られた。

「あうっ」
「感じますか?」

今度は上下に擦られる。
「あっ…く!……ぁあっ……やめっ」

「やはり、こちらを握ればこちらが開くのは万国…いや、異世界を含めて全世界共通みたいですね。」

言いながら、後孔に指を一本挿れられた。
「……ふっ…ぅうっ……」

にゅぽっ
指が二本になる。

「私の子種はどうしたのです? 何故出てこないのでしょう? 何度もここへ吐き出したはずなのに…」

ソーマの喋りに合わせて後孔へ生温かな微風を受けながら、後孔が左右に開かれる。

にゅちゅっ
「ぁはあんっ……んんっ……」

まだソーマの顔が近いのか、規則正しい熱い吐息を感じる。

「神子の身体は特別なのかもしれないですね……と言うより…ぁあ…この香り………堪らない!」

ザバァッと音を立てて浴槽の底へ立ち上がったソーマは、再び熱くて硬いソレを僕の後孔に当て……

「ふん!」
「ぁぎゃあああぁぁぁーー!!!」

一気に穿いた。

僕? もちろん叫んでから気を飛ばした。


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