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僕と彼の……(終)
しおりを挟む彼の体が温まってきたところで、一度彼と共に湯から上がった。
「懐かしいなぁ。」
僕は、母親がお仕置きで子どもの尻を叩くように彼を膝にのせると、彼の後孔に《つぷり》と1番長い指を挿し込んだ。
「次の日、教えてあげようと思って待っていたんだよ。
やり方としては、アレで合ってた。僕が刺激した場所は、排泄を促す場所だったんだ。
だから、アレは交合の前にナカを掃除する方法だったんだよ。」
僕は、あの日と同じ場所を刺激してやる。
ぶりゅりゅりゅりゅりゅ……
彼の粗相の後始末をしてやると、僕は彼を抱き上げ、寝室へ向かった。
まずは仰向けに横たえ、彼の─数年経ってもまだ小振りな─モノの根元に特注の婚姻リングを嵌めた。
それから僕のにも、同じデザインのリングをつける。
未だクタッとしたままの彼の体に跨ると、僕らのペアのリングを見て気分が高揚した。
僕の先走りが溢れ、最初の1滴がぽたりと彼の先端に落ちてしまうのを目で追うと、彼のと一緒に握って扱いてみたくなった。
ニュッ ニュルッ
「……ンッ……はぁっ……クッ……」
彼の唇から息が漏れ始める。
ヌチャッ グジュッ ニチュッ
「あ! はぁ~、っく! はぁんっ……」
彼から音が漏れ始める。
ヌチュッ ヌチャッ ニチャッ
「ぁああん、うっっっ! はぁっああ! 誰だ?」
とうとう話せるようになる。
その直後、
「ぁああっ…ぁあっ……ぁああああああアアアァァーーー!!!」
彼は悲鳴のように叫ぶとイッた。
先端から白濁がほとばしる。
瞬間目を見開き彼の瞳の蒼が煌めくが、直後にはまた仄暗い色に変わり、瞼は下りてしまった。
やはり、婚姻指輪のつもりで作ったリングには、それを堰き止めるだけの力はなかったようだ。
僕の方も軽くイッたので、今日のところは裸のまま彼を抱き締め、しっかりと布団を被って眠ることにした。
その男は、目を覚ました。
見知らぬ天井に、自分が昨日何を為出かしたか思い出した。
「クソ! あの女! ポーラに騙された。まさか既婚者だったなんて!」
けれどその時、見たことのある寝顔がすぐ隣に居ることに気付いた。
「こいつは…ジェム! 俺の黒歴史を知る男……
そうだ。俺と同じ目に遭わせてやろう。フフフ…」
その男は、ジェムに抱き締められていたが、ジェムの後孔に右手を伸ばした。
「クソ! 届かないか?」
届かないながらも、男の中指がジェムの尻の谷間近くを撫でる。
「………ンッ?」
男の目の前で、ジェムが目を覚ます。
美しい寝顔が美しい笑顔へと変わると同時に、男を捕らえていた腕が、目を擦ることに使われる。
その瞬間に男はジェムを俯せ、上から伸し掛かった。
しかし男は、ジェムに対して勃たなかった。
そこで、恥ずかしい思いだけでもさせてやろうと、背中にキスをした。
チュ
「あンッ……」
ジェムの肌はすべすべとして、それでいて滑らかで、触れていてとても心地好い。
男はジェムの反応に気を良くし、ジェムの背中に舌を這わせる。ところが……
「クククク…随分かわいらしく起こしてくれたね。ありがとう。」
気付いた時には、男は自分を見下ろすジェムに、頭を撫でられていた。
「?」
男としては訳がわからない。
いつの間に形勢が逆転したのか。
しかし、
「それじゃ、始めようか。」
ジェムは男を膝で跨いだまま布団をバサリと跳ね飛ばす。
その時に見えたジェムのモノは、先端が成人男性の握り拳ほど、赤子の腕1本分の長さがあり、太さは成人女性の手首程もあるだろう立派なモノだった。
ソレが、ジェムの臍を完全に隠すように真上を向いている。
色も赤黒く、血管が浮き出て、グロテスク…
男は見せつけられたソレに、ゴクリと生唾を飲み込む。
僕は、彼の視線を受けて興奮してギリギリまで張り詰めた己を見て生唾を飲み込む彼の姿に、気持ちが昂る。
呆けたようにポカリと開けた彼の口に、僕は噛み付くようにキスをした。
「…ンンッ……」
僕らは舌同士を絡める。
彼の舌の根元に吸い付いたり、上顎に舌を這わせたりすれば、
ビクッ ビクビクッ
その度に彼の体が跳ねる。
反応が良い。
それから先は、唇で彼の体を巡る。
首筋を通り、胸の突起は舌でも転がし、騎士学校卒の程好く筋肉の乗った腹を通過する。
「ンッ、あッ、はぁんッ……」
僕は、彼の声が出たところには強く吸い付き、痕を残す。
もっと声が聞きたい。
彼の感じる声が…
だから僕は、いよいよ彼に己を突き立てることにした。
少し体を離し、彼の膝を曲げて僕が抱えるようにしながら、一気に挿入した。
「ぁああああああーー!!」
勢いをつけ過ぎて、コツッと先端が硬い壁にあたる。
けれど彼のナカはとても熱くて、もうこれ以上進めないのにどんどん奥へ誘うようにうねる。
むくむくと湧き出す射精感に抗うことはできず、僕の先端からは僕の意思に反して中身が発せられてしまう。
けれど、1度で終えられる程、僕の、彼に対する気持ちは小さくはない。
すぐに先程と同程度の大きさになると、今度は自分の発したモノで滑りが良くなったので、腰を使ってグラインドを始める。
「はぁっ、アッ、ハァ…やっ…ぁあん……」
僕の腰の動きに合わせて、彼の先端がクイックイッと揺れる。
「ハッ…ァアんっ、んうっ……はっ…ァアあ!」
そのうち、彼の反応が良かったところを重点的に狙って打ちつければ、だんだん彼の顔が緩んでくる。
僕にこんなに感じてくれていることが嬉しくて、僕は彼の舌を搦めた。
そうして、僕の愛を彼に伝えている途中で、彼はまた叫ぶと眠ってしまった。
僕は、彼から抜いてしまうのが惜しくてそのままの状態で、添い寝をするように後ろから抱き締めた。
欲しいものを手に入れた僕は、もう他には何もいらない。
「一生、愛してあげるね。」
チュッチユウウウウッ
僕が彼の耳の後ろに吸い付くと、彼の静かな寝息に誘われるように、僕にも微睡みが訪れた。
おしまい
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