上 下
22 / 55

離・婚前旅行 7日目の夜、始まり R18

しおりを挟む

宿へ戻ると、リリサがデイドレスを脱がして綺麗に結っていた髪も解いてくれました。

「ほ…」

粗相があってはいけないと張り詰めていたモノが、やっとほぐれたような気がいたします。

ゆったりと湯浴みさせて貰えば、私はもう欠伸が止まらず瞼が重くなってきてしまいました。

「奥様、もう少しですから。ベッドで眠りましょうね。」
「わかっているわ、リリサ。でも今日は何故か眠くて…」
「お食事はどうなさいますか?」
「今晩はご遠慮しようかしら。ほんの少し前までお茶菓子をいただいていたから、何だかまだ膨満感があるのよね。」
「左様でございますか。承知致しました。」

そうして話している合間にも欠伸が出ますがなんとか湯浴みを終え、ポカポカと温まった体の熱を逃さない形の寝間着でベッドに入ると、あっという間に夢の中へ旅立ちました。







「エリサ…」

バルトルに呼ばれたような気がして目を覚ますと、私はバルトルに正面から抱きしめられるような形で眠っていました。
彼からは規則正しい寝息が聞こえてきます。

お茶が響いたのかもよおし、バルトルを起こさないように、私はそっと彼の腕から抜け出しました。

宿というのは全てが集約されていてとても楽です。
ご不浄も浴室もクローゼットもダイニングも全てが寝室に直結していますから。

それに引き換え王都の屋敷を思い出しますと、ご不浄は各階にございますが、浴場は1階にしかございません。
お客人が泊まるのが1階のため、1階の浴室が一番広く豪華な造りになっており、上階のものはシャワーのみです。

バルトル様は、その…事後に私をシャワーに誘いますが、本当は体が冷えてしまうので浴室へ行きたいのです。
まぁ浴室は広いので、結局2人で向かえばまた交わってしまうのですが……

用を足し、室内履きがパタパタしないようにベッドへ向かって先程と同じ位置へ戻ろうと、這うようにしてシーツの海を泳ぎます。

ですが、バルトルを起こさないように暗いまま進んだのがいけなかったのかもしれません。
枕元を目指していた私の頭頂部は何故かどこかに突き当りました。

慌ててそこがどこか探るように、頭の上へ手を伸ばしました。

その時に触れてしまったモノ。
それは、この後も朝まで平和に眠りたいのなら絶対に触れてはいけないモノでした。
手を、掴まれたと思った時には既に組み敷かれていたのです。

胸や腹は接していないのに腰より下は密着していて、布越しに元気に勃ち上がったモノに秘部を擦り上げられました。

「…んっ」

「おはよう、エリサ。君から誘ってくれるなんて嬉しい。俺の準備はできている。早速好きなようにシてくれて構わない。」

バルトルは話しながら仰向けになり、腹の上に、自分のイチモツを挟むように私を乗せました。

「ぁあっ」

何かで切り取ったものが再びくっつくように、私の秘部を掠めて溝が埋まります。
広範囲に硬いものが触れたのが刺激になって、軽くイッてしまって背を反らせてしまいました。

後ろに倒れれば、バルトルの膝が立っていて背凭れのように寄り掛かってしまいます。
その時、腿裏にバルトルの腹筋が硬くなるのを感じました。

「いい眺めだ。」
「……っえ?」

バルトルの膝の向こうへ落ちていた頭を上げて、呼吸を整えながら視線だけでバルトルを見れば、彼の右手が頬へと伸びて、親指の腹がすいーっと耳まで撫でていきます。
指先が耳の孔へ潜ろうとするのに気を取られている間に、バルトルの顔が近付きキスを落とされました。

ちゅっ ちうぅっちゅっ

激しくて息継ぎもできません。

「…んっ……んっふ!」

恥ずかしいのに腰が揺れてナカから体液がどんどん溢れるのがわかると、リップ音に水音が交じり始めました。

まるで頭の中が侵食されているようで、もう何も考えられなくなっていました。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

【R18】国王陛下に婚活を命じられたら、宰相閣下の様子がおかしくなった

ほづみ
恋愛
国王から「平和になったので婚活しておいで」と言われた月の女神シアに仕える女神官ロイシュネリア。彼女の持つ未来を視る力は、処女喪失とともに失われる。先視の力をほかの人間に利用されることを恐れた国王からの命令だった。好きな人がいるけどその人には好かれていないし、命令だからしかたがないね、と婚活を始めるロイシュネリアと、彼女のことをひそかに想っていた宰相リフェウスとのあれこれ。両片思いがこじらせています。 あいかわらずゆるふわです。雰囲気重視。 細かいことは気にしないでください! 他サイトにも掲載しています。 注意 ヒロインが腕を切る描写が出てきます。苦手な方はご自衛をお願いします。

父の浮気相手は私の親友でした。

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるティセリアは、父の横暴に対して怒りを覚えていた。 彼は、妻であるティセリアの母を邪険に扱っていたのだ。 しかしそれでも、自分に対しては真っ当に父親として接してくれる彼に対して、ティセリアは複雑な思いを抱いていた。 そんな彼女が悩みを唯一打ち明けられるのは、親友であるイルーネだけだった。 その友情は、大切にしなければならない。ティセリアは日頃からそのように思っていたのである。 だが、そんな彼女の思いは一瞬で打ち砕かれることになった。 その親友は、あろうことかティセリアの父親と関係を持っていたのだ。 それによって、ティセリアの中で二人に対する情は崩れ去った。彼女にとっては、最早どちらも自身を裏切った人達でしかなくなっていたのだ。

【完結】昨日までの愛は虚像でした

鬼ヶ咲あちたん
恋愛
公爵令息レアンドロに体を暴かれてしまった侯爵令嬢ファティマは、純潔でなくなったことを理由に、レアンドロの双子の兄イグナシオとの婚約を解消されてしまう。その結果、元凶のレアンドロと結婚する羽目になったが、そこで知らされた元婚約者イグナシオの真の姿に慄然とする。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-

猫まんじゅう
恋愛
 そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。  無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。  筈だったのです······が? ◆◇◆  「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」  拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?  「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」  溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない? ◆◇◆ 安心保障のR15設定。 描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。 ゆるゆる設定のコメディ要素あり。 つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。 ※妊娠に関する内容を含みます。 【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】 こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)

冷酷無比な国王陛下に愛されすぎっ! 絶倫すぎっ! ピンチかもしれませんっ!

仙崎ひとみ
恋愛
子爵家のひとり娘ソレイユは、三年前悪漢に襲われて以降、男性から劣情の目で見られないようにと、女らしいことを一切排除する生活を送ってきた。 18歳になったある日。デビュタントパーティに出るよう命じられる。 噂では、冷酷無悲な独裁王と称されるエルネスト国王が、結婚相手を探しているとか。 「はあ? 結婚相手? 冗談じゃない、お断り」 しかし両親に頼み込まれ、ソレイユはしぶしぶ出席する。 途中抜け出して城庭で休んでいると、酔った男に絡まれてしまった。 危機一髪のところを助けてくれたのが、何かと噂の国王エルネスト。 エルネストはソレイユを気に入り、なんとかベッドに引きずりこもうと企む。 そんなとき、三年前ソレイユを助けてくれた救世主に似た男性が現れる。 エルネストの弟、ジェレミーだ。 ジェレミーは思いやりがあり、とても優しくて、紳士の鏡みたいに高潔な男性。 心はジェレミーに引っ張られていくが、身体はエルネストが虎視眈々と狙っていて――――

かつて私を愛した夫はもういない 偽装結婚のお飾り妻なので溺愛からは逃げ出したい

おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
※また後日、後日談を掲載予定。  一代で財を築き上げた青年実業家の青年レオパルト。彼は社交性に富み、女性たちの憧れの的だった。  上流階級の出身であるダイアナは、かつて、そんな彼から情熱的に求められ、身分差を乗り越えて結婚することになった。  幸せになると信じたはずの結婚だったが、新婚数日で、レオパルトの不実が発覚する。  どうして良いのか分からなくなったダイアナは、レオパルトを避けるようになり、家庭内別居のような状態が数年続いていた。  夫から求められず、苦痛な毎日を過ごしていたダイアナ。宗教にすがりたくなった彼女は、ある時、神父を呼び寄せたのだが、それを勘違いしたレオパルトが激高する。辛くなったダイアナは家を出ることにして――。  明るく社交的な夫を持った、大人しい妻。  どうして彼は二年間、妻を求めなかったのか――?  勘違いですれ違っていた夫婦の誤解が解けて仲直りをした後、苦難を乗り越え、再度愛し合うようになるまでの物語。 ※本編全23話の完結済の作品。アルファポリス様では、読みやすいように1話を3〜4分割にして投稿中。 ※ムーンライト様にて、11/10~12/1に本編連載していた完結作品になります。現在、ムーンライト様では本編の雰囲気とは違い明るい後日談を投稿中です。 ※R18に※。作者の他作品よりも本編はおとなしめ。 ※ムーンライト33作品目にして、初めて、日間総合1位、週間総合1位をとることができた作品になります。

処理中です...