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マリオス家 当主寝室・寮3階2─3号室 R18

  当主寝室 エリオ

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ボクが魔法で兄を引き寄せたのは、気配察知をして丁度兄のオークションが始まる前だった。

ボクの目の前のベッドが眩しい程に光る。

直後、チューリンジ先生が持つ魔法陣が兄を取り返そうと室内への侵入を試みるが、ボクの魔法で跳ね返してやった。

美しい裸体に、手首足首には枷による赤い輪型の痣、今日は切っ先に何かを差し込まれたままの帰還だった。

金貨はチューリンジ先生から直接くすねてやったので、ばら撒かれずにまだ革袋に入った状態だ。
ボクはそれを先に寮の部屋へ転送すると、兄の身体をチェックする。

悪意のある魔力の残りを祓い、身体全体を浄めてやれば、兄の眉間からシワは消え、穏やかな表情で眠るだけになった。

今日は月末で、ボクらはまた各々の場所へ散っている。

兄カリオはリネン室へ、もう1人の兄タリオは寮長室へ通っている。
ボクは実家で兄の手伝いをしていることになっている。

ボクは兄の身体をスキャンして、異常があれば正常に戻している。

だから、ある意味兄の手伝いで合ってるハズだ。

カリオとタリオは最近、魔力の色が変わってきた。
今日あたり、2人を問い詰めよう。
以前のボクみたいに、2人もいやいやエロいことでもされていたら大変だ。

しかも魔力の色が変わっているだなんて、胎内に子種を浴びた可能性が高い。

2人は大丈夫なのだろうか。
いや、それよりも……
今は目の前の兄、長兄のマリオのことを1番に考えよう。






魔法で全ての処置を終えると、女子と見紛うバッサバサの睫毛が揺れ、兄の綺麗な瞳が徐々に見えてきた。

けれど今日は、なぜかまだ何かが残っていたようだ。

ボクはあっという間に兄に引き上げられ、ベッドに背を付け、兄に組み敷かれた。

兄は眉間にシワを寄せながらも濁った瞳をしてボクを見下ろし、それから噛み付くように激しく深いキスをされた。

互いの唾液で溺れそうになりながら受けるキスは久し振りだ。
兄の舌の感触も、表面のざらつきさえもボクの快感を引き出してしまう。

そのうち、シャツとズボンの間から兄の白魚のような手が侵入し、ボクの胸の突起を捻り上げる。

「……あっ……」

何度もチューリンジ先生の部屋で兄とは交わらされてきた。
その時の快楽を体が思い出すのは早い。
兄の方も、操られていたとは言え《体は覚えている》というやつだ。

ボクとしても、記憶の側が比率を上げてからこっち、兄が愛おしくてたまらない。

感じながらも、兄に奉仕したい。
ボクは体の位置を上下反転させると、兄の切っ先に舌を這わせた。

「ァん!」

兄は一声あげると背を反らせ、ボクの上から退く。
今度はボクのターン。
兄が今ボクにしたことを全て返してやれば、あっという間に甘い声を出し始め、兄はボクの子種を受けて果てた。

とは言え、ボクの切っ先は短小だ。
入口付近にしか入らないのに感じてしまえる兄は、やはりまだ《今日のお薬》が残っていたらしい。






簡単に自分と兄とを魔法で浄めれば、次に目を覚ました兄は瞳に光を戻していた。

「…………んっ……エリ…オ?」
「兄さん!」
「私は……そうか。私を戻してくれて、ありがとう。」

兄の記憶はところどころ曖昧なようだ。

ボクがチューリンジ先生のところに行かなくなってからこっち、兄への薬は更にヤバいものになったようで、こうして魔法で祓ってもすぐに抜けてくれなくなってしまった。

「エリオ……そろそろ寮の夕食の時間だろう? 帰りなさい。」
「でも……」
「私は大丈夫だから。」
「………………わかりました。」

ボクはそのまま転移で帰宅した。


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