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しおりを挟むちゃぽんっ…
僕は、気付けば温かい泉に来ていた。
既に全裸で、尻の下には素肌の感触。
「…ったく!」
アレンが僕の右足の指を1本1本丁寧に泉の中で洗っている。
「で? お前を拐ったのは、騎士学校をクビになった元教員で、隣国の辺境にいる傭兵団の総長だと?」
「はい。」
『ふぅん…ボクのヴァルを汚そうとしたの…そう…ふぅん…ボクに喧嘩を売った訳だね…へぇ……』
アレン様の声が頭の中に響く。
「お前、寝てたんじゃないのか? まぁ、ヴァルのあんな状態見せられたらな。」
「へ? でも、ちょっと脱がされただけで…」
『ちょっと…?』
「お前は媚薬の影響を受けてたんだぞ?」
「媚薬、ですか? でも、何度か学校で吸ったことがありますよ? 騎士たるもの人々を守るためならばと、他には毒も…少しですけどね。」
僕は、アレンが心配しないように言葉を濁しつつ話す…けど…アレンの顔がどんどん怖くなってきた?
「媚薬…吸う? 香か? あれは魔法と違って残りやすいから…」
アレンは言いながら、僕の右目をじっと見つめている。
『今、魔法でヴァルの状態を確認してるんだ。』
「よし、スキャンした。それじゃ、まだ残ってるみたいだからな。毒素は排出させないと!」
アレンは言いながら僕の足の間に右手を伸ばす。
「……んっ」
「もう声が出てる。やっぱり感じやすくなってるな。」
アレンは、これまでとは違って触れると言うより僕のを握って上下させている。
もう、体に力は入るようになったのに、僕は体に力を入れられない。
「始まったら体の力を抜くこと…そうだ。リラックスして、揺蕩って…」
『ボク、ヴァルとキスしたい!』
アレン様の言葉に、アレンの顔が近付いて唇が重なる。
「…んっ……ンンうッ…ぅうっ……」
舌同士が絡まり、呼吸も声を出すこともできなくなる。
──アレン…アレン……
『なあに?』
──少し、怖いんだ。
『そうか?』
『一緒に居るから怖くないよ。』
『今ここに居るのはお前と俺だけだ。だから、お前が感じてる間はずっと一緒だってことだ。』
『ヴァル。こっちも主張してるね。』
アレンの指先が、胸を弄る。
「っあん…」
『もっと声聞きたいな。』
アレン様の声を合図に唇が離れる。
すると、僕の唇からは声にならない声や音みたいな出したことのない声ばかりが出てしまう。
それに、勝手に腰が揺れるのだけど…
『腰が振れてる。オネダリしてるの? かわいいね、ヴァル。』
「うっ…んんっ……」
『口開けて、我慢しないで、叫んでもいいんだよ。』
アレンは僕の口に指を3本挟んで、口を開かせる。
「あぁ…あンッ……あ…ぁは…あんっ……」
『かわいい。ねぇ、入りたい。』
「待て! これは薬の効果だ。ここで抱いたら、薬を吸わせた奴に協力するのも同等だ。」
──ぁんっ…アレンんぅっ…キスしたい…
『念話で喘ぐの、凄く来るね。』
アレンはキスをしてくれた。
泉の湯の音か口からの音か、頭の中にはずっと水音がしてる。
僕のもパンパンになって、血が集まって熱い。
もう、何か噴き出してしまうまであと僅かだと思う。
──また変なのが出ちゃう! 僕、僕…
「いいよ。直ぐに泉が浄化する。出してしまえ!」
「ぁあああああーーーー!!!」
僕の叫び声と共に弾ける僕のの先から、これまでで一番たくさん何かが出た。
その一瞬だけ体に力が入ったのがわかる。
足先も、手の先も、頭の先もビリビリとした痺れが駆け抜けた。
──これって、僕…体がおかしくなってしまったの?
『ぷくく…違うよヴァル。キミは正常だよ。』
「イッた、という状態だ。そうしてココから射精をして毒素を出せば、どんどん媚薬の効果も抜ける。」
「…ひゃ…今触ったら……ぁああ!」
『また出たぁ。溜まってたんだね。もっともっとイッてね。』
それからまた何度かイッて、僕はそのまま眠ってしまった。
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