国外追放になった僕が、隣国で幸せになる話(仮タイトル)

325号室の住人

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「それじゃ、《回復の泉》に行こう。」

食後、アレンによる指クルクルの何度かで、僕はアレンと素っ裸であの温かい泉の湯の中に立っていた。
そこからアレンに手を引かれて、湯の中に座るアレンの上に着地した。

「アレン…恥ずかしい。」
「いや、今日は山の中をたくさん歩いたんだろ? マッサージだ。」

言われながら、アレンにふくらはぎを揉まれている。
その揉む手が足先へ進むと、アレンは足の裏を親指で揉み始める。

「足の裏にはツボが集中してるらしくてさ。まぁ、こっちの世界でも人体の構造は同じだから、コレも効くんじゃないかと。」

アレンはぐりぐり押しながら、そのツボなるものの説明をしてくれるのだが…

僕としてはいろいろ丸見えになってしまって恥ずかしい。
でもそのことをアレンに指摘するのも恥ずかしい。
でも手で隠そうものなら、丸見えになっていることがバレてしまうから恥ずかしい。
これは、どうしたら良いのだろうか。


「それじゃ、反対の足も。」

アレンがマッサージする足を交換した時だった。
僕は、バランスを崩して後ろに倒れてしまった。

「ヴァル!」

慌てた様子で、僕を助けてくれようとするアレンの手が股間に当たって、そこで何かが弾けた。

けれど、アレンは気付かないのか特に反応もせずに僕を支えて、泉の端の岩場まで運んでくれた。


岩場に乗り上げるような形で、大きな岩の上に仰向けで転がる。
目の中に泉の水が入ってしまってショボショボする。

目を擦っていれば、
「見せてみろ。」
アレンが僕の目の前に現れ、瞼の上下を指で開いたり覗き込んだりと何かしていた。

そのうちに痛くもショボショボもなくなったのでアレンに伝えると、

「俺も気を付けるから、ヴァルも気を付けろよ。」
と言われた。

「それじゃ、部屋に戻る前に何か着替え持ってくるな。ちょっと待っとけ!」

アレンは指を空に向けてクルクルッと。
現れた転移陣で、一度小屋へ戻ったようで、たった一人残される。

でも、残されて良かった。
実は、岩の上に転がった時、アレンの向こうに存在を確認してしまったのだ。

何の?
ソレだよ。ソレ。僕の股間に生えてるソレだ。
昨日、アレンの手で…もにょもにょ…で漏らしてしまったソレが、立ち上がって、自身を主張していた。

ソレがあんなことになるなんて初めてのことで、たぶん病気なんじゃないかと思ったんだ。

でも、ソレの病気がバレてしまえばきっと、アレンはさっきの目と同じで、「見せてみろ」って言うんだ。
もしそうなったら、僕は…

すると、急に股間がギュッとなって、

ぽたぽた…

途端に何かを漏らしてしまった。

──どうしよう…どうしたら…

僕は泉にしゃがみ込み、ソレを洗った。
洗うのが刺激になって、今度はたくさん漏らしてしまう。

──止めようと思ってもどんどん出てくる。こんなの、どうしたらいいんだよ!

今度は涙まで出てくる。




そんな時だった。

「シュヴァあああーーー!! マスター、大変。大変。」

《先輩》が駆け込んできて、僕を小脇に抱える。

「マスター、大変。すぐ帰る。帰る。」

聞き取れたのはそれだけで、あとはブツブツ呟く《先輩》に、すごい速さで運ばれるのだった。


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