なぜか、同期のモテ男に好かれてしまったのですが…

325号室の住人

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目覚めたのは、暖かな陽光の差し込む全く知らない天井。

「……どこ?」

身動ぎしようとしたものの、布団の上から体を押さえつけられているようで、どうにも体が重い。
寝返りをうつようにして抜け出し起き上がれば、丁度私が横になっていた辺りの布団へ突っ伏するように、ベッド横の椅子に座ったままの島津が眠っていた。

服装は昨晩と同じだったので、どうやら私が島津のベッドを取ってしまったようだ。

薄着の島津に毛布でも掛けようと、でも見回しても他に見当たらないので、無精してベッドの上にあった肌掛けを掛けてやろうとしたら…
引き抜いた時点で島津が体を起こすから、勢い余ってベッドの向こう側にひっくり返ってしまいました。

幸いと言うのか起きた時点で着衣に乱れがなく、だからひっくり返った拍子にワンピースの裾がバサッと私の視界を遮って足がスースー…
もう私、お嫁に行けません!

まぁ、腐女子になって自力でお金を稼げるようになってからは《嫁》やら《結婚》やら、頭の片隅にさえ居場所はなくなったのですが。

すぐさま島津がワンピースの裾を直してくれ…

──え!

島津の綺麗な顔に至近距離から見下ろされ、私の心臓は一気に爆発寸前にまでなってしまいました。






俺の下で、スカイが気不味そうに視線を彷徨わせながら真っ赤になっている。
俺があまりのかわいらしさに固まってしまったのは言うまでもない。






島津は何も言わずに私を見下ろしていた。
私は戸惑ってたじろぐばかり。

これから何が…いいえ、何か始まってしまうの?








ピンポーン

「「ハッ…」」

2人とも我に返る。

「ごめん。」

島津はあっという間に身を翻すと、あっという間にドアの向こうへ消える。
私は髪を解き身なりを整えると、とりあえず洗面所を探した。



ドアの向こうは螺旋階段だった。

段すらアクリル板のような透明、周りも檻のような鉄柵のシースルーな螺旋階段の下では引越し業者が数人でダンボールを運んでいるのが見える。
どうやら自分の荷物が届いたようだ。
本当に部長はフットワークが軽い。

私はまだ洗顔さえしていないため、階段の1番上の段に掛けて置物のように待機することにした。



まぁ、私1人の荷物なんて高が知れている。
趣味の本(敢えて書きません)ともろもろの布類と家具くらいのものだ。

最近の若い子は全部電子書籍という子もいるけれど、薄い本を隠すには正規に出版されている絵師様の画集や雑誌の間と決めている。
それに、コミックスは文字が小さくなるので昔から目がチラチラして…
だから本誌を堂々と広げて読むことにしている。
たまに見つける変換ミスさえ愛しく、髪に貼っているトーン番号を調べるのにも大きい方がラクだし…
ただ、スペースの関係で保存用や布教用といった複数購入はしていない。
ただただ、ズララララ~っと並べているだけだ。



そんなことを考えていると、少し下階の慌ただしさがなくなり、階段を誰かが上がってきて…

この家には私と島津だけだというのに、なぜか私は元々居たベッドのある部屋へ静かに戻るとドアを閉め、背中で押えるようにドアを背凭れにして座り込んだ。


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