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作戦終了
しおりを挟む「お嬢様は、無事に保護されただろうか。」
「えぇ。そろそろあちらで初夜を迎えたでしょう。」
僕は彼─フィッテ─と、あの部屋を出て、彼の使用人部屋へやってきた。
今は、ベッドの端に並んで座って、窓の外に浮かぶ月を見ている。
フィッテが僕の左肩を抱く。
「んっ」
そこはまだ夜着から落ちたままで、素肌だ。
僕は引き寄せられるまま、フィッテの左肩に頭を乗せた。
彼の指が、肩から鎖骨、首筋を通って顎に触れる。
僕はその流れのまま彼を見上げ、まぶたを下ろす。
直後、僕の唇にフィッテの匂いのする柔らかなものが触れ、そして離れて行った。
まぶたを上げれば、
「シュカル、良かった。」
強く抱き締められた。
僕よりもだいぶ大きな体を、小さく丸めるようにして僕の左肩に頭を乗せたフィッテの、髪を手で梳いてやる。
「ん…シュカル………」
彼は頭を傾けて、僕の耳の後ろを嗅いだ後、首の付け根に吸い付き、跡を残した。
「んっ」
顔を上げたフィッテは言った。
「プランBは無事に終了した。だから解禁ですよね。
シュカル、君を私のものにしたい。」
「僕も、貴方のものになりたい。」
その瞬間、フィッテの蒼眼が金に光る。
僕達は唇を合わせた。
王都に到着してすぐ、人の多さに酔った僕を最初に見つけてくれたのは、お嬢様の側近としてお嬢様を学園に送った帰りの馬車の馭者をしていた彼だった。
僕が同僚になってからも度々面倒を見てくれていた彼に、僕はだんだんに好意を寄せて行った。
そして、勇気を出して告白したのが半年前。
以来、キスは何度もしたり、一度だけ一緒にお風呂に入ったことはあるけれど、一線を越えようとしているのは今日が初めてだった。
僕達は何度か唇同士を合わせた。
それから唇を舌でつつけば、すぐに彼の厚みのある舌の訪問を受ける。
「むっん……」
上顎の性感帯をなぞられ、変な声が出る。
一度声を出せばそこばかりを攻められ、不覚にも達してしまった。
僕が今着ている夜着と下着はフリルとリボンがふんだんに使われた透け感のあるものだ。
僕が達したことに気付いたフィッテは、ベタベタと体に貼り付いた夜着や、その下から少しだけ覗く下着を、上から眺めている。
「シュカル、かわいい。君の白い肌に似合うと思ってコレを選んだのは私なのです。」
言うと彼は、シュルシュルとリボンを解いてから、僕の胸にその大きな手を乗せた。
それがやわやわと動き、僕の胸の出っ張りを転がす。
微弱な快楽を拾い始める頃には、声が止まらなくなる。
恥ずかしくて自分の右手首を噛んで声を堪えていれば、フィッテにばれてキスと共に右手は捕われてしまった。
「初めてですから、シュカルの声を聞かせてください。」
フィッテの反対の手は下へ……すっかり上を向いた僕の切っ先へ進む。
一度達したそこはまだベタベタとしており、皮が彼の手に貼り付いてそのまま動かされる感覚が、ヌルヌルしている時と違って恥ずかしい。
それから彼はゆっくりと僕をベッドへ横たえ、僕の膝の間へ陣取ったと思ったら頭を下げた。
そして僕の切っ先は、彼の咥内へと消えた。
「ァアッ……あ……あンッ………ぁあッ……ひ…ヤんっ……」
僕より体の大きな彼は、咥内も広くて、僕のモノが熱く大きくなっても解放されることはなかった。
「アッアッアッ……ァアアアアァァァーーーーンッ!!!」
彼の喉奥に向けて、熱を放ってしまった。
「ハァッハァッハァッ……」
そして、まだ息が整わない内に僕の膝は耳につきそうな場所まで進んでくれば、彼の吐く息が後孔に降り掛かる。
満を持して彼の熱くて太いのが少しずつ侵入してきた。
今度は僕の中の性感帯をフィッテの切っ先に擦られる。
「ぁああッ……ぁあっ……んっんっんん~~~………」
僕の奥を突きながら、フィッテに唇を貪られる。
両手は胸の上にあり、指先で抓られる。
フルコースとも言える快楽の競演に、一気に頂まで駆け上らされた僕は背中を仰け反らせ、つま先までピンと力が入って達し………
そこまでの記憶しかなかった。
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