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しおりを挟むやっと《番》の瞳に桃色の光が灯り、焦点が定まったようだ。
「あ・に・うえ…」
声が掠れてしまっている。
せっかく抱いてもお前の声が聞こえないのは悲しいな…
だって今日は、お前と私との、最初の夜なのだぞ?
私は《番》の喉を喰み、そこから魔力を注いだ。
たぶん、魔力が馴染めば声は出るようになるだろう。
私は、いつもの失恋を慰めるように、口淫をしてやることにした。
《番》の足の間に身を縮めると、
カプリッ
音をさせながら、陽物を口に含んだ。
雌化が進み、何だか以前より小さくなった気がする。
前回の失恋よりも口の中で転がしやすくなったソレを舌で弄ぶと、私の頭のずっと上から、
「ひう………はぁん……」
スカスカながら感じている声が聞こえてきた。
それと同調するように《番》の膝が立ち上がり、腰の揺れに合わせて口内の陽物が揺れる。
私は、深いキスで繋がる舌同士のように、舌を絡める。
雌化が途中なこの体は、まだ後孔に湿り気が足りないので、この先へ進むためにはしっかりと感じてもらわなければ。
そのうち《番》は達したようで、背を反らせ、先端から最後の白濁を吐き出した。
完全に雌化してしまえば、もうこの白濁は味わえない。
私は、最後の1滴まで味わおうと舌と唇で茎を扱き、先端を強く吸った。
ズズズーッ
スープを飲んでいたのだとしたら、マナーの教育係に手の甲を打たれそうな音を立てながら最後の白濁を飲み干すと、《番》はハァハァと荒い息を吐きながら私の髪を掻きむしり、そのまま呼ばれるように唇を重ねた。
首の後ろに両手を、両足は私の腰に絡め、一所懸命に腰を擦り付けてくる《番》がかわいくて、私はとうとう我慢ならなくなり、まだ湿り気が足りないように感じたが後孔に自身を突き立てた。
「ぁあああああああああーーーー!!!」
一際大きな声が出て、《番》の体から一気に力が抜けた。
「ハァハァハァ………」
荒い呼吸が聞こえ、気を失った訳ではないと確認できたので、潤いが足りずまだ少し引っかかる感じはあるけれど、抽挿を始める。
「あ…ぁあっ…にぃ……さまぁ………」
「違うよ。私はお前の《番》だ。」
説明のため、浅い位置で腰を止めた。
「つが、い……?」
「そう。お前が生まれた時からの《運命の番》だよ。」
「え………」
「私とお前とは、本当の兄弟ではないのだよ。お前の母親は嘘つきだ。」
「兄上…では………」
「違うよ。お前は、娼婦と平民との間に生まれたただの子ども。王子ではないよ。
でも安心して。お前は、私の《番》になった。特別に、愛してあげるからね。」
そこまで言うと、つい体に力が入ってしまって《番》の中で私が跳ねた。
「ぁあんっ」
「フフッ…良い声だね。」
私は再び抽挿を始める。
「あっ…あんっ……あっ…あっ……あぁっ……」
「まだ余裕がありそうだね。」
私は、強く、深く、抉るように、突き立てるように、穿ち始める。
「ぁあっ…ぁあっ……ぃやっ……んんっ…やんっ……」
「もっと、もっとだ。哭け、哭け……」
「はぁんっ……激し…ァアっ…ァアっ……んんっ……」
「もっと、もっとだ。孕め、孕め、孕めぇ!!」
本当に、僕ら王族は本能を前にすると無力だ。
手加減しようと思っていたのに、やっぱり抱き潰してしまった。
けれど、あれだけ子種を注いだんだ。
きっと私の子どもを孕んでくれるだろうよ。
クククッ
翌朝、私は公爵令嬢が用意してくれていた《番》の花嫁衣装を着せ、大事に抱えて城の奥に隠された塔へ運んだ。
これからずっと、抱き続けてあげるよ。
でも、私の《番》は私だけのもの。
他人には見せたくないと思っていたから、いい理由ができて良かったよ。
私は1つ嗤うと、ゆっくりと扉を閉め施錠した。
待っていてね、私の《番》。
面倒なこと全て終わらせて、またかわいがってあげるからね………………
おしまい
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