上 下
58 / 63
しがない使用人の僕がご主人様と結ばれてしまった件  貴族家の狼獣人の末裔✕使用人のウサギ獣人の末裔

  おわりに

しおりを挟む

「…朝?」

リキュは呟くと、自分の頭を撫でていたご主人様の手が、自分の髪の毛先よりも上の方まで動いているような変な感じがした。

瞬きをしながらご主人様の方を見れば、銀の狼耳がピクリと動き、優しげな表情で僕を見下ろす。

「覚醒おめでとう、リキュ。」
チュッ

ご主人様は、そんな言葉と共に僕の頬に唇を落とした。

「かく…え?」
「あぁ。リキュはウサギ獣人の本能を目覚めさせたみたいだな。」

ご主人様は僕の頭の上の延長線上、だいぶ向こうから何かを掌に乗せてこちらへ戻って来た。

僕の視界までやって来たソレは、茶と白の混ざった僕の髪色の、何だか重いフサフサ…

「これ?」
「そう。リキュのうさ耳だ。初めてリキュのニオイを感じた日から、そんな予感はあった。」
「僕の、耳?」
「そうだ。」
チュッ

ご主人様は僕の耳にキスをしながら言った。

「だからリキュ、私と結婚して欲しい。」





あとから聞いた話では、覚醒した者同士ならば、たとえ身分に差があろうと婚姻できるのだそうな。

僕はと言えば……………
もちろん、婚姻してしまった。

だって、返事をするまでキスが止まらないなんて、誰が想像できる?




そうして田舎者の僕は、国の真ん中近くに住む伯爵家の当主、ヴァイシス様と婚姻を結び、毎朝毎晩愛し愛されて、とても幸せに暮らしましたとさ。




     おしまい
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

フルチン魔王と雄っぱい勇者

ミクリ21
BL
フルチンの魔王と、雄っぱいが素晴らしい勇者の話。

独占欲強い系の同居人

狼蝶
BL
ある美醜逆転の世界。 その世界での底辺男子=リョウは学校の帰り、道に倒れていた美形な男=翔人を家に運び介抱する。 同居生活を始めることになった二人には、お互い恋心を抱きながらも相手を独占したい気持ちがあった。彼らはそんな気持ちに駆られながら、それぞれの生活を送っていく。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

処理中です...