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詰め襟の騎士団員と
おわりに
しおりを挟む「あんっ…もう、腰が…」
「まだまだイけるよな? 元騎士なんだし。」
「いやんっ…そんなの、関係な…」
「確かに、少し筋肉量が減ったか…」
ジョンは俺の腹を抓む。
確かにそこには贅肉の塊。
「でも、気持ちいい…」
「お腹ばっかり触るのイヤぁ!」
そんな訳で、俺は毎日ジョンに抱かれている。
雪で閉ざされた街では、食事と入浴を除けば他にすることがない…というのはジョンの言い分だ。
まぁ、食事中だって入浴中だって何かにつけて触られているのだが……
呼吸が整い、裸のままジョンと並んでベッドに寝転がる。
「ジョン、そろそろ失恋の傷は癒えたんじゃないのか? ちゃんと女性と結婚した方が良いんじゃないか?
ほら、身分に合った、貴族のお嬢様とか、さ。」
俺は、ずっと気になっていたことを聞いた。
だってホラ、俺の中ではジョンは、部下の女性とデキてた設定だったから。
ただ、そうして頭の中で言い訳している間に、ジョンの表情が曇るのを感じる。
そのまま、裸のジョンに伸し掛かられる。
「フィンは、オレが貴族の女と所帯を持ったほうがいい、と?」
耳元へ囁かれる、少し圧のある言葉…
「違うのか? だって部下の人って女性だったじゃ…」
「アイツは男だ。」
「でもその人、あの王弟との間に赤ん坊を…妊娠中だとお腹も見せてくれて…」
「男だ。」
「でも男だからって、ジョンの最愛じゃないとは限らないじゃないか!」
言えば、ジョンは何だか良いことがあったような表情になる。
「それって、嫉妬だな。オレの気持ちは全く伝わってないということはよくわかったよ。まぁ、オレはずっと伝えてきたつもりなんだけどな。
フィンを愛してるって。」
「ほえ?」
「そんなアホ面も含めて、な。」
チュッ
ジョンから軽いキスがおでこに落とされた。
俺には益々意味がわからなくなった。
でもジョンの機嫌は良いし、まぁいいか、ってな。
おしまい
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