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僕は、姉の下僕 先祖返りの王弟✕元婚約者の弟
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しおりを挟むカタガタカタカタカタ…ガタタ…
一定のリズムで揺れながら、僕の体が座席から落ち……!!!
そうになったところを力強い腕に抱き留められ、そのままギュッと抱き寄せられた。
ゆっくりと瞼を上げて最初に視界に入ったのは、透き通る程の碧い瞳だった。
「美しい…」
降ってきたのは完全に他人事なセリフ。
しかし碧はそのまま下りてくると、僕の瞼に柔らかいものが触れる。
ちゅっ
いくらなんでも僕でもわかる。
触れたのは唇。
僕は瞼にキスをされたのだ。
離れて行った碧は、僕に全体の顔を見せないまま再び下りてくると、
チュッ…ちゅちゅっ……
何度も何度も、頬骨に鼻の頭に口元のホクロにもキスを落とし、それから僕の唇をゆっくりと喰んだ。
上唇に1回、下唇にも1回、間は舌先で通ってから、強引に割って入る。
それからゆっくりと様子を見るようにゆるゆると移動し、舌の付け根や上顎などを舌先で撫でられると、徐々に膝の間が心許なくなってくる。
僕は膝と膝を擦り合わせながら、柔らかく撫でられる口内で快楽を享受させられる。
呼吸が苦しくなった頃、やっと僕の唇は解放された。
けれど、ハァハァとした荒い呼吸以外は何もできない。
腰が抜けてしまって自力で背中を立てることは難しく、右前方へ倒れ込めば、肩と頭をぽすりと受け止めたのは豪奢なエポレットだった。
何とか顔を上げようともがけば、左手がロープを掴む。顔を近付けてよく見れば、それは黄金色の飾緖だ。
「プクク…」
その時、まるで堪えられなかったとでも言うように、低音男声の促音多めの笑い声が降ってきた。
足がすぅっと涼しくなったと思うと腿を開くようにして男性の膝を跨がされ、その上からふわりとした布が被せられると、グイッと腰を引き寄せられる。
ゴリッとした熱いモノに、やや熱くなりつつある僕のモノが押し付けられる形となる。
ハッとして顔を上げれば、髭の1本もないツルリとした尖り気味の顎に弧を描くテカった唇、高い鼻とその上から碧が、愉快そうに僕を見下ろしている。
その碧と白に近い金の髪は、正しく隣国の王族の色だ。
「シャルル殿下?」
「なんだい? リアム。」
シャルル殿下は爽やかな笑みを浮かべ、僕を見下ろす。
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