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第20楽章 僕らの行く末 4
しおりを挟む「ね、コールディア、もう、出るよ、どきなよ…ね、ちょっと……あっ」
出る、と伝えたら、コールディアの方が動きを強めて来た。
びゅるっと彼女の口内に勢いよく出たそれに、初めてのことでびっくりしたのかまだ出ている最中なのに口を外してしまった。
止まらない白い欲望が、そのまま彼女の蕩けた顔にかかる。
「ごめんっ」
結局、口の中も顔も、どちらも汚してしまった。
それは流石に嫌だろうと咄嗟に謝ってしまう。
だけど彼女は口の中のものを飲みこんだ上に、顔にべったりついたものを不思議そうに手で触り、それからうっとりと笑った。
「せんせ、きもちよかった?」
「もう、なにしてんの…こんな…ああ、もう…気持ちよくなきゃこんな出ないよ」
彼女のくしゃくしゃのスカートからハンカチを引っ張り出すと、顔の汚れを拭ってやる。
現れた赤い唇に思わず吸い付くと、そのまま抱き上げて自分の膝の上に座らせた。
すぐに元気を取り戻した己が、濡れたままの彼女の中心に触れそうになる。
この体制は良くなかったなと思うが、先端にぬめる彼女の体液を感じてしまうと、急激に勢いが回復してしまった。
もっと欲しい…
「先生…? なに…?」
「ごめん、足りなくて…嫌なら言って…なんとか我慢する」
ソファに手をつかせると、後ろにお尻を突き出させる。
これはこれで恥ずかしい姿勢に、彼女がまた「なに?」と不安な声を漏らした。
「ほんとごめん…言ってることとやってることが合ってないってわかってる…」
そう言うと、既に限界な状態の自身を彼女の足の間に挟む。
まだ彼女のそこはしとどに濡れたままで、挟み込まれた瞬間彼女の中に入ったような錯覚を起こす。
そのまま、腰を引くと突き上げた。
「あっ…なに、せんせ…これなに?」
「中には挿れないから…」
もう一度突き上げる。
ぬめりと己を囲む彼女の内股の肉、そして柔肉が包み込み、強い快楽が込み上げてくる。
「ふっ…これいい…」
そのまま、緩やかに腰を前後に揺する。
固くて熱い肉が、彼女の柔らかな肉の間をこすり、彼女にも快楽が訪れた。
「ああっ、せんせこれ、きもちいっ」
「君も気持ちいいの? 続けていい?」
「して…」
揺すり方を大きく変えると、腰がぶつかりパンと響いた。
彼女と体の中心で1つになった気がして、その速度がどんどん速まる。
彼女からも蜜がまた溢れ、ぬめりが増した疑似結合部の快楽がより強まった。
「ああ、せん…これ、さっきの、あたるっ…いいっ」
「僕もすごくいい…」
「あ、せんせ、またくる、んっ、あ、い、いくっ…あ……っ」
コールディアが、ノートヴォルトの先端によって蕾を刺激され達した。
足にぎゅっと力が入ると、挟まれたノートヴォルトも締め付けられた。
込み上げていた射精感に留めをさされ、彼は急いで腰を引き抜くと彼女のまくり上げたスカートの上に全部吐き出した。
がくっとコールディアの膝から力が抜けるのを支え、そっとソファに降ろしてやる。
ノートヴォルトも射精後の脱力感で彼女の隣に座り込んだ。
僕は、何をしてしまったんだろう。
最後までしていないのなら、それでいいのだろうか。
ぐったりしているコールディアを抱き上げ、そのまま腕の中に閉じ込める。
うっとりとした彼女は幸せそうに見えた。
こんなことでいいわけない。
一時の快楽を追いかけたいだけじゃない。
でも、どうすることが1番正しいのか、もう彼にもわからなかった。
コールディアは情欲の痕もそのままに腕の中で寝てしまった。
なんだか笑っているように見えるその表情に、ノートヴォルトも考えるのを放棄した。
今はもう、この幸せの塊みたいな生き物を抱いたまま一緒に寝てしまいたかった。
外はいつの間にか残冬の冷たい雨が降っていた。
考える事さえ放棄してしまえば、そんな音も気にならないほど満ち足りて、いつの間にか共に寝てしまった。
30分後、酷い姿で目覚めた彼らは、もう笑うしかなくて声を上げて笑った。
(先生とずっとこうやって笑える道を考えたいな…)
(彼女のこの笑顔を守っていける方法は…)
お互いがお互いの幸せについて考えていることには、2人とも気づかない。
ただ、この瞬間を永遠のものにしたいという共通の想いがそこにはあった。
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