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どう見ても怪しいおじいさん
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次の日、やはり天気予報通り今日は朝から雨。放課後になっても雨が止む気配は全くなかった。
僕はクラスの教室に戻るために学校の廊下を歩いていた。
教室に戻る途中、体育館の渡り廊下からは運動部達の卓球のピンポン玉のラリーの音やバスケットボールのバウンドの音、床と運動靴の擦れ合う音が聞こえ、上の階からは吹奏楽部の合奏の音が聞こえてきて学校の廊下は色んな音が響いていた。
皆んな頑張っているなあとしみじみ思いながら、同時に昨日は賑やかだったグラウンドが静まり返っていて、グラウンドを使いたい運動部達にとっては梅雨の時期は本当に気の毒だなと少し同情した。
僕はいつものように委員会の仕事を終え、教室に置いてきた荷物をまとめて、すっかり静かになった教室を後にした。
そして、僕は学校の昇降口を出て透明な傘を差して、歩き出した。
学校から数分歩いたところにある歩道橋を渡り、大通りの上を歩く。
透明な傘越しに色んな景色が見れる。歩道橋の上からは少し遠くの山々も見渡せる。
遠くの景色を数秒眺めてから目線を戻し、歩道橋の下から見える道路を眺める。
どの時間帯でも交通量は多く、沢山の車が行き交っていた。
学校側とは反対の歩道へと目線を移し、バス停の方へ目を向けた。
そのバス停にはおじいさんだけがひとり並んでいた。僕もその後ろへ並ぶ。
なんとなくおじいさんを見ていると、そのおじいさんは、何度も辺りを見渡してはバス停の時刻表を見て、を繰り返していた。
どう見ても怪しい。
もう並びはじめてから5分ぐらいは経過したが、その間ずっとおじいさんはその不審な行動を繰り返していた。
誰が見ても怪しかった。
おじいさんは何かを探しずっと待ち続けているようで、その数分後にすぐバスが来たけれど、まるでバスなど目に入っていないようだった。
僕はバスに乗るのだろうかと思い、おじいさんがバスに乗るのを一瞬待ったが、僕のことも気付いていないようだった。
僕がバスに乗り込んだ後もおじいさんはそこから動くことはなかった。
そしてまた、僕はその日から何度も同じおじいさんを見るようになるのであった。
僕はクラスの教室に戻るために学校の廊下を歩いていた。
教室に戻る途中、体育館の渡り廊下からは運動部達の卓球のピンポン玉のラリーの音やバスケットボールのバウンドの音、床と運動靴の擦れ合う音が聞こえ、上の階からは吹奏楽部の合奏の音が聞こえてきて学校の廊下は色んな音が響いていた。
皆んな頑張っているなあとしみじみ思いながら、同時に昨日は賑やかだったグラウンドが静まり返っていて、グラウンドを使いたい運動部達にとっては梅雨の時期は本当に気の毒だなと少し同情した。
僕はいつものように委員会の仕事を終え、教室に置いてきた荷物をまとめて、すっかり静かになった教室を後にした。
そして、僕は学校の昇降口を出て透明な傘を差して、歩き出した。
学校から数分歩いたところにある歩道橋を渡り、大通りの上を歩く。
透明な傘越しに色んな景色が見れる。歩道橋の上からは少し遠くの山々も見渡せる。
遠くの景色を数秒眺めてから目線を戻し、歩道橋の下から見える道路を眺める。
どの時間帯でも交通量は多く、沢山の車が行き交っていた。
学校側とは反対の歩道へと目線を移し、バス停の方へ目を向けた。
そのバス停にはおじいさんだけがひとり並んでいた。僕もその後ろへ並ぶ。
なんとなくおじいさんを見ていると、そのおじいさんは、何度も辺りを見渡してはバス停の時刻表を見て、を繰り返していた。
どう見ても怪しい。
もう並びはじめてから5分ぐらいは経過したが、その間ずっとおじいさんはその不審な行動を繰り返していた。
誰が見ても怪しかった。
おじいさんは何かを探しずっと待ち続けているようで、その数分後にすぐバスが来たけれど、まるでバスなど目に入っていないようだった。
僕はバスに乗るのだろうかと思い、おじいさんがバスに乗るのを一瞬待ったが、僕のことも気付いていないようだった。
僕がバスに乗り込んだ後もおじいさんはそこから動くことはなかった。
そしてまた、僕はその日から何度も同じおじいさんを見るようになるのであった。
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