別にこれはいつも通りで

松葉 楓

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本編

1年生 秋 第4話

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なんとかチャイムの鳴る前にグラウンドに辿り着くと、既にもう男子から出席確認が始まっていた。
まだ女子が呼ばれていないことに安堵し、呼吸を整えながら自分の場所に座った。
それにしても、強い日差しだ。
走る前に全速力で走って、その上強い日差しを浴びさせられて…馬鹿、馬鹿と心の中で言いながら自分を責めた。


「じゃあ、つぎー。女子出席確認するよー」

「あいかわー、あいかわみはるー」

「あっ、はい!」

そうそう、女子の名前の順1番。
愛川あいかわ みはる
これが私の名前。出席確認が女子からだったら確実に呼ばれていた。
男子が揃っていない時は、女子から出席確認が始まることも少なくない。
愛川実春よ。次は絶対5分前にグラウンドだ。
と授業前から疲れ切っている自分に言い聞かせた。

「あら…」

出席確認が終わって、準備体操が終わった後、グラウンド2周を走り終え、呼吸を整えながら体育館へと向かった。
ふと後ろを確認するとまだ走っている人が半数以上いた。
元々、運動は得意な方だけど、体育の授業は嫌いだ。
自分が意外と早く走り終えたことに少し驚いたが、外は相変わらず暑く、もう早く体育館へ移動したい一心からだった。




その後、バスケはそこそこ上手くでき無事に体育の授業も終わり。
6時間目も終わり放課後になった。

まあ、放課後と言っても部活には入っていない。
えっ、高校生なのに勿体無いって?
まあ、気が向いたらどっか入ろうかなとかは思っているけど、今は別に良いかな。
でもその分、図書委員として放課後は活動してる。
そして、今日は委員会の活動日。
で…

「あっ、おはよう」

「おはよう…?ってさっき会ったばっかりだけど」

「ああ、そうだったね。体育間に合った?」

「もちろん。私150m走女子の中で3番目なんだから」

「そうだっけ…?」

「そうだよ…」

何故おはよう…?まあいいか。
さっき階段で遅刻するなよー。と笑いまじりに言っていた彼も同じく図書委員である。今思えば言い方が先生みたいでちょっと面白かった。
今日は簡単な会議の日でここでも最初に出席確認があった。もちろん、図書室まで走ったりはもうしてないけれどね。
小学生の時は5年生からだけど、小、中、高と毎年図書委員会を続けている私。
とにかく私は昔から本が好きで、良く本を読んでいた。

「1年生から出席を確認しますね。ではまず1組…」

休み時間はもちろんほとんど読書をしていて、学校にいる間はとりあえず暇さえあれば本を読んでいる。

「2組は…1人欠席ですね」

「あっ、はい」

そうそう、大体の委員会はクラスから男女1人ずつ選ぶと決まっている。もう1人の男子は委員会もあって部活にも入っている。
部活も委員会もある場合は基本的には委員会を優先させなければいけないのだが、彼は吹奏楽部でちょうど吹奏楽コンクールが今週末に迫っていると言うことらしい。

「3組も…1人欠席ですね」

「はい」

同じく3組の1人も吹奏楽部だ。
今週末の支部大会で勝ち進むことができたら全国大会に出場出来る。
全国大会…是非とも勝ち進んで全国大会でも頑張ってほしい。

「4組…揃っていますね」

「揃ってます」

「…じゃあ次2年生ね。確認します」

図書委員会って中学生の時まで帰宅部の人が多いイメージだったけど、この高校では意外と部活に入ってる人が多い。
しかも運動部と文化部がちょうど半々ぐらい。
やっぱりどんな人からも本は愛されているものなのね。
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