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5 ニセモノの写真を見抜け!
ニセモノの写真を見抜け! 5
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「わたしたちも加工の可能性を考えたんだよ。でも二枚とも、時計の加工が難しそうだったから」
「部分的に切り取ろうとしたら、たしかに難しそうだけど」
「部分的じゃないの?」
「うん」
部分じゃないってことは、全体ってこと?
全体的な加工ってなにがあるだろう?
例えば色を変えるとか、拡大や縮小をするとか、角度を変えるとか、回転させるとか?
「本当はもっと大きな写真で、切り取った部分が重要だったとか?」
「違う」
わたしは二枚の写真をもう一度見た。
全体の加工ってあと、なにができるんだっけ? ……反転とか?
ジーーーーーーーーッと見ていたら……。
ビリビリッとしたものが頭に走った。
ひらめいた!
「加工されているのは、リーゼントセンパイの写真だ!」
「リーゼントセンパイ?」
はっ、本人の目の前で言ってしまった。
リーゼントセンパイは三白眼のするどい目でわたしを見た。
ひえっ、怒られる。
わたしは身構えた。
次の瞬間……。
「あっはっはっは!」
お腹を抱えて笑い出した。
「なんだそれ、髪型にセンパイをつけるのかよ!」
「す、すみません。あの、お名前を……」
「いいよ、リーゼントセンパイで。気に入ったから」
気に入られてしまった。
「で、俺の写真の、どこが加工されてるんだよ」
「全体です。この写真は、左右が逆になっているんです」
リーゼントセンパイは、黙ってわたしをうながした。
「時計の針は、三時に見えます。でも本当は、九時なんです」
「そのショーコは?」
「センパイの服です」
わたしはセンパイの服のボタンを指さした。
リーゼントセンパイの派手なシャツは、右上が前になっている。
「わたしのYシャツも、右が上にあります」
「同じでいいじゃねえか」
「女の子は右前だけど、男の子は左前です。ほら」
部室にいるのは、わたし以外みんな男子。そして、男子のYシャツは左前なんだ。
「この服、レディースなんだよ。女物。それなら、右前でもおかしくねえだろ?」
「えっ……?」
そう言われてしまうと、困ってしまう。
「それなら、センパイの家に今すぐ行きますか? その服が右前なのか、確かめに」
隼人が言うと、チッと舌打ちした。
「撮影日はどうするんだよ。この写真の撮影日は、先週日曜日の三時になってるんだぞ」
「パソコンで加工をしたなら、加工した日時が記録されます。センパイは日曜日の九時に、時計台の前で撮影をした。そして写真を反転して、三時に保存した」
隼人の説明に、リーゼントセンパイはため息をついた。
「……バレねえ自信はあったんだけどな」
「なぜ、こんなことをしたんだ」
生徒会長が尋ねた。
「もちろん、あんたへの嫌がらせだよ。生徒会長って、前からいけ好かなかったんだよな、同族嫌悪って感じで」
「同族?」
って、似た者同士みたいな意味だよね?
生徒会長と不良さんたちじゃ、ぜんぜん違うよ。
「俺たち、いつも学年のトップ争いをしてる、いわゆる優等生なんだよ」
金髪センパイがリーゼントセンパイを見ながら言った。
リーゼントセンパイと金髪センパイが優等生⁉
ちっとも、そんなふうには見えない。
「スポーツもすぐできちまうし、要は人生イージーモード過ぎて、毎日がつまらなくてさ」
「だったら、まったく正反対の不良になってみようって、二人で話したんだ」
「どうせ授業は、塾でやったことの繰り返しだしな」
どうしてそこで、不良になろうって考えるのかな。少しも共感できないよ!
「で、真面目くさった生徒会長が未来の自分みたいで、ケッて感じで見てたわけ」
「そうしたら、手作り人形なんて大事にしてるっていうから、盗ってやろうと思ってさ」
「部分的に切り取ろうとしたら、たしかに難しそうだけど」
「部分的じゃないの?」
「うん」
部分じゃないってことは、全体ってこと?
全体的な加工ってなにがあるだろう?
例えば色を変えるとか、拡大や縮小をするとか、角度を変えるとか、回転させるとか?
「本当はもっと大きな写真で、切り取った部分が重要だったとか?」
「違う」
わたしは二枚の写真をもう一度見た。
全体の加工ってあと、なにができるんだっけ? ……反転とか?
ジーーーーーーーーッと見ていたら……。
ビリビリッとしたものが頭に走った。
ひらめいた!
「加工されているのは、リーゼントセンパイの写真だ!」
「リーゼントセンパイ?」
はっ、本人の目の前で言ってしまった。
リーゼントセンパイは三白眼のするどい目でわたしを見た。
ひえっ、怒られる。
わたしは身構えた。
次の瞬間……。
「あっはっはっは!」
お腹を抱えて笑い出した。
「なんだそれ、髪型にセンパイをつけるのかよ!」
「す、すみません。あの、お名前を……」
「いいよ、リーゼントセンパイで。気に入ったから」
気に入られてしまった。
「で、俺の写真の、どこが加工されてるんだよ」
「全体です。この写真は、左右が逆になっているんです」
リーゼントセンパイは、黙ってわたしをうながした。
「時計の針は、三時に見えます。でも本当は、九時なんです」
「そのショーコは?」
「センパイの服です」
わたしはセンパイの服のボタンを指さした。
リーゼントセンパイの派手なシャツは、右上が前になっている。
「わたしのYシャツも、右が上にあります」
「同じでいいじゃねえか」
「女の子は右前だけど、男の子は左前です。ほら」
部室にいるのは、わたし以外みんな男子。そして、男子のYシャツは左前なんだ。
「この服、レディースなんだよ。女物。それなら、右前でもおかしくねえだろ?」
「えっ……?」
そう言われてしまうと、困ってしまう。
「それなら、センパイの家に今すぐ行きますか? その服が右前なのか、確かめに」
隼人が言うと、チッと舌打ちした。
「撮影日はどうするんだよ。この写真の撮影日は、先週日曜日の三時になってるんだぞ」
「パソコンで加工をしたなら、加工した日時が記録されます。センパイは日曜日の九時に、時計台の前で撮影をした。そして写真を反転して、三時に保存した」
隼人の説明に、リーゼントセンパイはため息をついた。
「……バレねえ自信はあったんだけどな」
「なぜ、こんなことをしたんだ」
生徒会長が尋ねた。
「もちろん、あんたへの嫌がらせだよ。生徒会長って、前からいけ好かなかったんだよな、同族嫌悪って感じで」
「同族?」
って、似た者同士みたいな意味だよね?
生徒会長と不良さんたちじゃ、ぜんぜん違うよ。
「俺たち、いつも学年のトップ争いをしてる、いわゆる優等生なんだよ」
金髪センパイがリーゼントセンパイを見ながら言った。
リーゼントセンパイと金髪センパイが優等生⁉
ちっとも、そんなふうには見えない。
「スポーツもすぐできちまうし、要は人生イージーモード過ぎて、毎日がつまらなくてさ」
「だったら、まったく正反対の不良になってみようって、二人で話したんだ」
「どうせ授業は、塾でやったことの繰り返しだしな」
どうしてそこで、不良になろうって考えるのかな。少しも共感できないよ!
「で、真面目くさった生徒会長が未来の自分みたいで、ケッて感じで見てたわけ」
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