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二章 発情トラブル
☆発情トラブル 14☆
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「あっ……」
ヴィンセントは大きな手で、二人のものを同時に握って上下に動かした。
一緒にって、こういうことだったんだ。
「アーシェンも、触って」
「ん……」
ぼくはドキドキしながら、ヴィンセントのものに手を沿えた。他の人のそれに触るのは初めてだ。
感覚が麻痺してしまったのか、嫌悪感はまったくなかった。そこは熱くて、固くて、少し湿っているけどサラサラとしている。
ぼくがぎこちなく手を動かしている間、同じ場所にあるヴィンセントの手はとまっていた。その代わりもう一方の手は、ぼくの長い黒髪や尻尾、首や背中をさすっている。
「んんっ……」
どうしても鼻にかかった甘い声が漏れてしまう。どこを触られても気持ちがいい。
「こういうのは、久しぶりか?」
「久しぶり、どころか……」
過去のぼくはもちろん、数百年あるアーシェンの記憶を遡っても、こういう行為はしていない。龍神族は強くて長生きだから、生殖本能が希薄なのかもしれない。
「意外だな。オレが初めて?」
なぜかちょっと嬉しそうなヴィンセントの言葉に、ぼくは頷いた。
「じゃあ、もっと優しくしなきゃな」
ヴィンセントの唇が額に落ち、頬に首筋にと下がっていく。そして、ぼくが一番刺激を欲している場所の手の動きが再開した。
「あっ、んぅっ、ヴィンセント……」
ぼくもヴィンセントの手の動きに合わせて、懸命に動かす。
「気持ちいいか?」
「うん、すごく、気持ちいい……」
襲ってくる快感に思考が停滞し、目も開けていられない。ぼくは逞しい胸板に顔を擦りつけながら、ヴィンセントから与えられる快楽を享受し続けた。
ヴィンセントと一緒に三度目の熱を吐き出して、頭がおかしくなりそうな欲情は落ち着きつつあったけれど、まだ身体のほてりはおさまらなかった。
「ヴィンセント……」
ぼくはヴィンセントにもたれながら、視線だけで続きを乞う。
きっともう、一人でだって処理できるのに。ヴィンセントから受けるものすべてが心地よすぎて……。
ぼくはヴィンセントの優しさに甘えてしまっている。
「満足するまで付き合うって言っただろ」
微笑んだヴィンセントは、ぼくの涙を舐めとって、ぼくを強く抱きしめた。
「あっ……」
そしてぼくは、またヴィンセントに身をゆだねて快楽の波に溺れていった。
目が覚めると、窓から差し込む光にモノトーンの自室が照らされていた。
起きたばかりだというのに、身体が重いしだるい。前日に慣れない運動をして、一晩では疲れが抜けきらなかった時ような……。
慣れない運動。
ぼくは、昨夜の出来事を思い出した。
ブワッと冷や汗が全身から噴き出す。
ぼくの精が尽きて気を失うまで、根気よくヴィンセントは付き合ってくれた。
いや、いやいや!
あれは夢だ。夢に違いない。
だって、ぼくが痴態をさらしながら、ヴィンセントとあんなことをするはずが……。
「起きたか、アーシェン」
ぎゃあっ!
すぐ後ろから声が聞こえて、ぼくは内心で悲鳴をあげた。
現実をよくよく見れば、ぼくの腰にはヴィンセントの腕が回っていた。
ヴィンセントは大きな手で、二人のものを同時に握って上下に動かした。
一緒にって、こういうことだったんだ。
「アーシェンも、触って」
「ん……」
ぼくはドキドキしながら、ヴィンセントのものに手を沿えた。他の人のそれに触るのは初めてだ。
感覚が麻痺してしまったのか、嫌悪感はまったくなかった。そこは熱くて、固くて、少し湿っているけどサラサラとしている。
ぼくがぎこちなく手を動かしている間、同じ場所にあるヴィンセントの手はとまっていた。その代わりもう一方の手は、ぼくの長い黒髪や尻尾、首や背中をさすっている。
「んんっ……」
どうしても鼻にかかった甘い声が漏れてしまう。どこを触られても気持ちがいい。
「こういうのは、久しぶりか?」
「久しぶり、どころか……」
過去のぼくはもちろん、数百年あるアーシェンの記憶を遡っても、こういう行為はしていない。龍神族は強くて長生きだから、生殖本能が希薄なのかもしれない。
「意外だな。オレが初めて?」
なぜかちょっと嬉しそうなヴィンセントの言葉に、ぼくは頷いた。
「じゃあ、もっと優しくしなきゃな」
ヴィンセントの唇が額に落ち、頬に首筋にと下がっていく。そして、ぼくが一番刺激を欲している場所の手の動きが再開した。
「あっ、んぅっ、ヴィンセント……」
ぼくもヴィンセントの手の動きに合わせて、懸命に動かす。
「気持ちいいか?」
「うん、すごく、気持ちいい……」
襲ってくる快感に思考が停滞し、目も開けていられない。ぼくは逞しい胸板に顔を擦りつけながら、ヴィンセントから与えられる快楽を享受し続けた。
ヴィンセントと一緒に三度目の熱を吐き出して、頭がおかしくなりそうな欲情は落ち着きつつあったけれど、まだ身体のほてりはおさまらなかった。
「ヴィンセント……」
ぼくはヴィンセントにもたれながら、視線だけで続きを乞う。
きっともう、一人でだって処理できるのに。ヴィンセントから受けるものすべてが心地よすぎて……。
ぼくはヴィンセントの優しさに甘えてしまっている。
「満足するまで付き合うって言っただろ」
微笑んだヴィンセントは、ぼくの涙を舐めとって、ぼくを強く抱きしめた。
「あっ……」
そしてぼくは、またヴィンセントに身をゆだねて快楽の波に溺れていった。
目が覚めると、窓から差し込む光にモノトーンの自室が照らされていた。
起きたばかりだというのに、身体が重いしだるい。前日に慣れない運動をして、一晩では疲れが抜けきらなかった時ような……。
慣れない運動。
ぼくは、昨夜の出来事を思い出した。
ブワッと冷や汗が全身から噴き出す。
ぼくの精が尽きて気を失うまで、根気よくヴィンセントは付き合ってくれた。
いや、いやいや!
あれは夢だ。夢に違いない。
だって、ぼくが痴態をさらしながら、ヴィンセントとあんなことをするはずが……。
「起きたか、アーシェン」
ぎゃあっ!
すぐ後ろから声が聞こえて、ぼくは内心で悲鳴をあげた。
現実をよくよく見れば、ぼくの腰にはヴィンセントの腕が回っていた。
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