最終確認役として選ばれたらしい

灯月

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はじまり

ロビンside 01

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「君には別の世界に行ってもらうこととなった」
「…別の世界ですか」
「ちなみに拒否権は無い。」

目の前にいるそれは、一向に姿を見せない
何処かからか聞こえる声に警戒しつつ
私は白い空間を見渡す

「ここは転生の間ですか」
「あぁ、似たような場所だ」

死をむかえると転生の間に行き、そこで新たな生をもらうことができるといわれていた
実際にそんな場所があるとは思っていなかったが、聞いていた話に似ていたためそうなのだろうと納得が出来た

「やはり、知られている世界から来る者への説明は楽で良いな」

何かぶつぶつと言っているが、私には関係の無いことなので気にせずに
自身を見た
首が動き、下を確認することが出来る
足も無くした筈の右腕もあり、何処にも致命傷となるような傷はない

「…私は死んだ筈だが?」

親友だと言っていた相手に裏切られて、全てを無くして、見世物として死刑になった筈だ

「あぁ。君は死んだ。 多くのヒューマン達に観られながらな」

やはり、記憶は間違っていなかったようだ

「あやつらは、相変わらず自身が正しいと勘違いしているようだな。 一時は英雄として国を救った者だと称え、その後は魂を魔族に売ったと罵る」

もしかしたら、何か行動をすればそうはならなかったのかもしれないが
私にはどうでも良かった
私を見る目は何処にいても誰からも怯えるような目をされていたから
二つ名に皆が怯え、それを信じていた
誰一人、私という者を見てくれた人など居なかった
親友だと言っていたあいつも妬みや恨み、そして恐れが伝わってきていた

「君が行く事となった世界は、そんな奴らのいない世界だ」
「いない、ですか。」

確かにこことは違う世界であれば私の二つ名や何をしてきたのかは知らないであろう

「君はその世界の一つとして行くが、予備だ」
「予備、」
「そうだ。 その世界の主人に喚ばれないかぎりは一生この空間に居ることとなる」

死んだ者を勝手にここに来させといて、予備とは馬鹿にしているのかとも感じたが
何故か怒りはなく、すんなりと受け入れてしまった

「その世界の主人が中心となって回る。 どんな相手だろうとも、君はその主人を好きになる」

主人が望むことを喜んで行い
主人が願うとおりに全てが進む
それが当たり前だと思っているし、感じ、行動するようになる

まるで呪いの一種のように感じるが
それが幸せと感じるとのことだ

世界は平和であって、戦いや争いなどは主人が求めないかぎりは無い
世界は孤立しており、主人が望まないかぎりは人と出会うことは無い
世界は主人が考える世界へと変わっていく
君はそんな世界の一人として、駒の一つとして、選ばれた

「……その世界について、聞ける範囲のことを教えていただけますか?」
「あぁ、勿論。 伝えられる範囲をね」

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