最終確認役として選ばれたらしい

灯月

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第一章

06

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鳥のさえずりと共に暖かい日差しが俺を目覚めさせる
昨日のことのせいで寝られなかったということはなく
驚くほどにぐっすり眠れた

「…」

俺はベットから起き上がり、クローゼットへと向かう

寝てきていた服が汚いというわけではないが、いままでの生活で着替えないと気がすまない為だ

中を確認すると、この世界に合わせたような服装があるが
どうみても女性ものであり

「……え」

一部きわどい透け透けな服があり、下に二段階ある引き出しの中には女性ものの下着
優しい色よりも色鮮やかなものが多く、色別に並べられてしまわれていた

俺は何も見なかったことにすることとした

「さーて、飯でも食うか!」






キッチンへ行くと別にイベント何てものはなく
誰もいなかった
俺は、なに考えてんだか…と思いながら冷蔵庫を開ける

「この世界にも冷蔵庫があるとか便利すぎでしょ。」

中には卵が数個とハムとベーコン、牛乳に調味料、食パンに野菜…
俺の部屋に備え付けてあった冷蔵庫よりもいろんな種類がある

「んー、朝の定番作るか」

ベーコンと卵、食パン、野菜を出す
適当に野菜をちぎって皿の上において、トマトを飾る

卵とベーコンを焼くためにコンロを確認する
この世界は俺のいた世界とは違うため
もしかしたら使えないかもと思っていたが、ボタンを押すだけで火が出たので
俺でも簡単に使うことができるコンロで助かった

シンクの下にあったフライパンを出して、ベーコンを焼き
その上から、卵をおとす
パンは備え付けてあったトースターで焼く

「んーんんー♪」

適当な鼻唄を口ずさむ
俺、ご機嫌だなぁと他人事のように感じていた

朝御飯を作り終え、珈琲を準備する
豆があるかと思ったが、粉になった簡単に作れるインスタント珈琲があったので
お湯を用意するだけで完成

流石、この世界にやってくる子の為の世界だ
俺でも問題なく料理が出来たし、冷蔵庫の中にある材料もとったはずなのに元通りになっていた

「……」
「んーんん♪ っ!!? ろ、ロビン!?」

いつの間にか廊下につながる扉の側にロビンは立っていた
昨日とは違い、髪が下がっているためか少し幼く見えるがイケメンにはかわりない

「…主様、それは…」
「え、あぁ! これ朝御飯! …もしかして、食べない派だった?」

もしそうだとしたら、ロビンの分も作ってしまったので余計なことをしてしまったかもしれない

「いえ…、朝はいつも食べてます。」
「なら、よかった ささ、そんなところに立ってないで食べない?」
「………」

ロビンはなにも言わずに、リビングを通り、キッチンの側にある席へと座る
よかった、どうやらお腹も空いていたようで

「珈琲飲みます?」
「…あ、はい」
「ミルクとか砂糖はいります?」
「砂糖を2つ」

俺は角砂糖を2ついれてスプーンを一緒に渡す

「ありがとうございます。」

朝からイケメンの笑顔は眩しいなぁ

「…主様は料理ができるのですね」
「まぁ、一人暮らし長かったからね」
「そうなんですね、」
「…??」

どこか、ここに居らずなロビンに首をかしげる
昨日の隙が無さそうな彼とは違っていて
本当に本人なのだろうかと不思議になってきた

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