最終確認役として選ばれたらしい

灯月

文字の大きさ
上 下
14 / 17
第一章

03

しおりを挟む
「それで、主様。 何故私に謝罪を…?」
「え、あぁ。 ロビンさんを喚んだ者が俺だったって事にね」
「はい?」

ロビンは意味がわからないという表情をしている
もしかしたら、ここがどういう世界なのかを彼は知らないのかもしれない

「えーと、」

本当は俺ではなく
別の子のための世界だと言うことに
流石にそれを伝えることは出来ないので、俺がかわいいヒロインではないことを謝ることにした

「俺はそんなに若くないし、ロビンさんも出来れば喚んでくれた者が若くてかわいい子が良いだろうなーって。」

俺じゃなくて、ヒロインだったらロビンも喜ぶだろうし、
こんなイケメンが相手じゃヒロインの子も喜んで、すぐにときめくだろうなぁ

「主様」
「やっぱし、年下がよかったよね? せめて年が近かった方が話とかも困らないと思うし、」

多分、今後もこんな感じのお助けキャラがいて
たくさんのイケメンが登場して、誰を選ぶのかとかあるのだろう

「主様、」

まず、なにも出来ないマスターよりも
少しは知識のある人の方がよかっただろうし

「いや、むしろなんでも知っている博識な人の方がよかったのかな。 俺はあんまし役に立たないし」

この世界にこれたことは嬉しいけど、もっと別の子の方がよかったんじゃーーー…

「主様!!」
「!!? え、な、なに?」

肩を捕まれて揺すられ、大きな声で呼ばれて
ようやく俺は呼ばれていたことに気づいた

「…はぁ、主様は勝手に自分の世界に入り、勝手に物事を決める癖があるんですね」
「???」

ロビンは呆れているようだ
俺の肩から手を離し、コップに入っている果物水を飲む

「私は別に誰が喚んでくださったって構わないんですよ。むしろ、喚んでいただけたことに感謝しています」
「は、はぁ」
「ここに喚ばれる者はその相手によって決まっていると簡単にはですが説明を受けています もちろん、喚ばれないことだってあります」

前言撤回
どうやら、ロビンはこの世界について一応は知っているようだ

「始めにお伝えした通り、この世界では私は役になたたないに等しい存在です」
「…騎士だから?」
「ええ。 戦いには慣れていますが、農夫のような知識や能力はないですし、なにかを作り出せるような発明家でも技術者でもありません。」

俺が先ほど考えていたことと同じようなことをロビンも思っていたようだ

「ですので、何故私が喚ばれたのかということがわからないのですよ。」
「……」
「喚べるのでしたら、出来ればこの生活で役に立てる者の方がいいでしょうし」
「えっと、ロビンさん…?」

ロビンはロビンなりに何故喚ばれたのかを考えていたらしい
なんだか、俺と似てた考えを持っているようで少し嬉しかった

「主様、その敬語も必要ありませんよ。」
「え?」
「私は主様に喚ばれたものですから、貴方が私に対して敬語だなんておかしなことです」

ですので、止めてください
と強めに言われたので、先ほどのこともあるため俺は従うことにした


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

美形×平凡の子供の話

めちゅう
BL
 美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか? ────────────────── お読みくださりありがとうございます。 お楽しみいただけましたら幸いです。

天使様はいつも不機嫌です

白鳩 唯斗
BL
 兎に角口が悪い主人公。

うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!

かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。 その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。 両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。 自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。 自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。 相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと… のんびり新連載。 気まぐれ更新です。 BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意! 人外CPにはなりません ストックなくなるまでは07:10に公開 3/10 コピペミスで1話飛ばしていたことが判明しました!申し訳ございません!!

皇帝の立役者

白鳩 唯斗
BL
 実の弟に毒を盛られた。 「全てあなた達が悪いんですよ」  ローウェル皇室第一子、ミハエル・ローウェルが死に際に聞いた言葉だった。  その意味を考える間もなく、意識を手放したミハエルだったが・・・。  目を開けると、数年前に回帰していた。

囚われた元王は逃げ出せない

スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた そうあの日までは 忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに なんで俺にこんな事を 「国王でないならもう俺のものだ」 「僕をあなたの側にずっといさせて」 「君のいない人生は生きられない」 「私の国の王妃にならないか」 いやいや、みんな何いってんの?

傷だらけの僕は空をみる

猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。 生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。 諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。 身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。 ハッピーエンドです。 若干の胸くそが出てきます。 ちょっと痛い表現出てくるかもです。

使命を全うするために俺は死にます。

あぎ
BL
とあることで目覚めた主人公、「マリア」は悪役というスペックの人間だったことを思い出せ。そして悲しい過去を持っていた。 とあることで家族が殺され、とあることで婚約破棄をされ、その婚約破棄を言い出した男に殺された。 だが、この男が大好きだったこともしかり、その横にいた女も好きだった なら、昔からの使命である、彼らを幸せにするという使命を全うする。 それが、みなに忘れられても_

例え何度戻ろうとも僕は悪役だ…

東間
BL
ゲームの世界に転生した留木原 夜は悪役の役目を全うした…愛した者の手によって殺害される事で…… だが、次目が覚めて鏡を見るとそこには悪役の幼い姿が…?! ゲームの世界で再び悪役を演じる夜は最後に何を手に? 攻略者したいNO1の悪魔系王子と無自覚天使系悪役公爵のすれ違い小説!

処理中です...