最終確認役として選ばれたらしい

灯月

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はじまり

04

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「…結構時間がたったと思ったけど、日が傾く様子がないな」

俺は現実逃避していた

確かにこの世界を自分好みに変えていくのは楽しみだし
好きにできるのは良いのだが

好感度要素があるのは少し戸惑っていた
人との付き合いがそれほど得意ではない
というか、苦手な方だったりする
コミュニケーションをとるよりも、一人で遊んでる方が楽だと感じるタイプだ

まぁ、学生時代は確かに恋愛とかしてみたいと思っていた時もあったが、相手ができず
人の好意を上手く察することができなければ、受け取ることもできなかった

「…確かに、俺が 一度は って願ったことの1つかも知んないけど」

恋とか恋愛とかっていうものをしてみたかったけど
相手がどれくらい俺に興味があるのかがわるなんて、嫌なのだ
確かに知ってた方がこちらも動きやすいかもしれないが、俺がもし逆の立場ならば怖いと思う

まず、俺はそういう
目に見えてわかるような恋愛ではなくて
少女漫画みたいなばったり出会って、少しずつ仲良くなって
たまには喧嘩をしたりして…
相手の気持ちがわからなくて困りつつも少しずつ歩み寄っていくような恋愛がしたい…、

「…はぁ、何考えてんだか」

勝手に一人で考えて勝手に顔を赤くする

そう、俺からしたら男性向けのものよりも少女向けや女性向けの付き合い方が好きなのだ
みているとこちらもドキドキしてしまうような恋愛がしたい

そんな乙女的な考えを持っている所為からか
俺の学生時代は恋愛なんてものはなかった

「…あの続きどうなったのかな、」

ふと、好きだった少女漫画を思い出す
ヒロインがようやくヒーローのことを意識しはじめて、自身の気持ちを打ち明けたところでその話は終わっていたのだが
そろそろ、最新話がネットにあがる予定だった

「どうして、あんな恋ができんのかなぁ まじで羨ましい」

もし、俺にもいい人ができて
その人といい感じになれたのなら、ちゃんと気持ちを伝えたい

「…っ!」

ここに俺一人だけだからと気が緩んでしまい
様々な妄想をしては草むらの上をごろごろと右や左に動いていたが
このままではまずいと俺は思いピタリと止まる

「とりあえず、確認しよう」

スマホを取り出して青空をバックにスマホをポチポチといじる

「……見えなくするとかあるかも、しんないし…」

ジョバンが言っていたメニューを押すがイベントは見つからない
あるのはプレゼントマークとメールマークと歯車マーク

「…設定ってなにができるんだ?」

ゲーム慣れしている俺は歯車マークをすぐに設定ボタンだと理解し、タッチすると
画面が変わった

音量について
画面の色調整について
BGMについて
タップ機能の調整について
バトルモードの難易度について
日常の進み時間の調整について
好感度設定について
ヘルプ

おかしなものが2、3個ある気がするが、俺はお目当てであった好感度設定についてをタップすると

こちらの機能をあり、なしを選べるようだ

俺は嬉しくなり、何も考えずになしを選んで設定を完了させた
説明文が下の方に出ていたのにしっかりと読むことなく。
後で困ることになるとは知らずに…








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