最終確認役として選ばれたらしい

灯月

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はじまり

02

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いつの間にか捕まれていた筈の手の感触がなくなり
目をつぶっていても感じていた眩しさもマシになった
俺は辺りを確認するために目をあける

「はぁ?、すっげぇ…」

急に風が吹き、緑や土の香りが押し寄せてきたかのように感じた
俺の足元には自然が広がっており、数十メートル先程まで平地で、そこから先は未開拓といえるであろう森林がある

いかにも用意されたであろう平地だ

「…異世界転生ねぇ」

改めて口にしてみると
不安と共に鼓動が高鳴っていることがわかった
この状況に喜んでいるのだ

このまま寝転がって昼寝をしてもいいかもと思えるくらいに太陽があたたかく、過ごしやすい陽気
俺が猫だったら喜んで昼寝を始めていただろうが、今は教えてもらったとおりに行動をするべきだと判断した

渡されたスマホをポケットから取り出し
電源ボタンを押すと、真っ暗だった画面が白くなり顔のような画面にはなった

《初めまして、これからこの生活の為のチュートリアルを担当するジョバンと言います》
「うぇっ! 喋るのかよ…」

事前にそんな情報を聞いていればビックリしなかっただろうが、なにも言われていなかったため驚いた

というか、ジョバンって…
序盤から来ているのだろうけど、名前を考えるのがめんどくさかったのだろうか

《マスターはこの世界の住人、いえ、この場所の責任者となりこの場所をよりよくしていただきたいのです。》

画面が変わる
一面顔のようなものから、見たことのない地図へと

《マスター、この世界についてご存じでしょうか?》

台詞欄が出てきたと思えば、選択肢が出てきた

知らない
知っている
スキップする

普通にゲームをしているような感じがして、これは夢なのではないかと思ってしまった

「スキップするって…、周回ゲーか何かかよ」

俺は 知らない を選択するとジョバンの顔が台詞欄の横の方に四角く出てきた

《では、この世界についてご紹介いたしますね。 ですが、その前に簡単に画面についてご紹介します》

ジョバンの顔とは逆側にいくつかのボタンが現れる
ゲーム好きである俺からしたらよく見たことのあるマークだ

《左側から順番にお伝えします。
▶️がオートボタン こちらを押していただくと勝手に台詞が進みます。もう一度押していただければオートが止まります。》

台詞枠が一杯になったからか台詞が進まなくなった
本当にゲームのようで、良くできているな何て関心をしながら、画面をタップする

《⏩がスキップボタン こちらを押していただくと会話がスキップいたします。
初めての場合はこちらを押してもスキップされませんのでお気をつけください。》

ということは、ここからはもう
俺はジョバンの話を聞くこととなるのだろう

《△が先ほどまでの会話を振り替える事ができるボタンです。
▽が会話枠を消して、画面の画像を見ることができるボタンです。》

試しに▽のボタンを押してみると会話枠が画面の下側に消えていった
画面をタップすると会話枠が戻ってきたので
俺は▶️のボタンを押す

《こちらの要素はチュートリアル、又は私のような説明役がいる際のみに使用できる要素ですので、普段はご試用できませんのでご了承下さい。 
では、画面の説明につきましてはこの辺にして、この世界について説明させていただきます》

スマホ、いやジョバンがこの世界について、
どのようにこのスマホを使うのかを説明してくれる

この世界は箱庭ゲームのような世界になっており
スマホと連動しているとの事だ
スマホに写し出されている箱庭に建造物を置くと現実にも現れるという魔法のようなシステムらしい

最終は自分自身の好きな場所を作って生活をするというほのぼの系らしい
チマチマと好きな世界を作れるというのは俺にとってはとても喜ばしいことで
早く説明が終わらないかとワクワクしている

あ、ちなみに、このスマホは俺専用のため他の誰かには使うことが出来ない専用アイテムだそうだ

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