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翌日1
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「え、まじでお前んちに行くの!?」
店を出てタクシーを拾おうとする俺を、和さんはギョッとした顔で見つめた。
「そういう話だったじゃないですか」
「いや、行くとは言ってねえじゃん……」
「ホテルの前で別れるのって、虚しくなっちゃって嫌なんですよね。俺、淋しがり屋だから」
冗談っぽく言ったけど、割と本気だ。遊びならヤリ即解散するけど。
和さんは困ったように俯いて、もじもじと呟いた。
「俺、枕が変わると眠れないんだよな~……」
「初対面の男とセックスできる人が、そんな繊細なわけないでしょ」
そう言ってタクシーに乗り込むと、和さんは半分甘えたような、拗ねた目で弱々しく俺を睨みながら、ふてくされた態度で隣に座った。
こんなかわい子ぶった表情の和さんを見るのは初めてだった。ヤった相手にはこんな顔見せるのか、と動揺するのと同時に、他にもこの表情を見た奴がいるのかと思うと、今まで知らなかった一面にモヤモヤしてしまう。
部屋に入ると、靴も脱がずに玄関で抱きしめてキスをした。
和さんは特に抵抗もせずに受け入れたが、唇を離すと呆れた顔で俺を見つめていた。
「元気だな~」
1Kの狭い部屋なので、ドアを開けるとすぐにベッドが見える。
「まじで眠いから、とりあえず寝かせて。お前、外着でベッドに乗るなとか言うタイプ?」
「言いませんよ」
和さんはポイポイと服を脱ぐと、インナーシャツとパンツだけになって布団に潜り込んだ。
あれだけ家に来るのを渋ってたくせに、いざ部屋に入ると無防備な姿でベッドに横になる和さんに、若干呆れる。
脱ぎ散らかしたスーツを拾ってハンガーにかけている間に、寝息が聞こえてきた。
「もう寝ちゃったんですか」
ベッドの縁に腰を下ろすと、和さんが寝ぼけた目で俺を見上げた。
「……芹は寝ないの」
『芹』呼びに戻ってしまった。
「寝ますよ」
寝たいけど和さんがベッド占領しちゃったじゃないですか、と文句を言おうとしたら、和さんは体をずらして俺のためのスペースを空けてくれた。
「ん……」
和さんが腕を投げ出して、俺を見つめる。
……もしかして、腕枕してくれるということなんだろうか。内心ドキドキしながら、和さんの隣に横になり、腕の上に首を乗せた。
「枕の話はなんだったんですか」
動揺を隠すようにからかうと、和さんはむずがるように俺の肩に額を擦り付けた。
「違うって……今、めちゃくちゃ眠いから……」
舌足らずな声で呟く和さんを抱き寄せると、すぐに俺の胸の中で寝息を立てた。
なんだこれ。
俺も死ぬほど眠かったが、こんな状態で眠れるわけがない。
和さんが目を閉じているのをいいことに、至近距離でまじまじと観察した。
右の目元にある黒子がエロい。ずっと触れてみたかったそこを指先でそっと撫でたが、何の反応もなかった。マジで爆睡してる。信頼されているのか、和さんが図太いのか……
唇は半開きで、穏やかな寝息を漏らしていた。見ているとキスをしたくなるので、胸に押し付けるように抱きしめた。腕枕は、起きた時に痺れたら悪いので、泣く泣く退けた。
腕を頭の下から外す時に体が離れると、和さんは抱き枕のように俺の脚を両脚で挟んで擦り寄ってきた。本気で死ぬ。
店を出てタクシーを拾おうとする俺を、和さんはギョッとした顔で見つめた。
「そういう話だったじゃないですか」
「いや、行くとは言ってねえじゃん……」
「ホテルの前で別れるのって、虚しくなっちゃって嫌なんですよね。俺、淋しがり屋だから」
冗談っぽく言ったけど、割と本気だ。遊びならヤリ即解散するけど。
和さんは困ったように俯いて、もじもじと呟いた。
「俺、枕が変わると眠れないんだよな~……」
「初対面の男とセックスできる人が、そんな繊細なわけないでしょ」
そう言ってタクシーに乗り込むと、和さんは半分甘えたような、拗ねた目で弱々しく俺を睨みながら、ふてくされた態度で隣に座った。
こんなかわい子ぶった表情の和さんを見るのは初めてだった。ヤった相手にはこんな顔見せるのか、と動揺するのと同時に、他にもこの表情を見た奴がいるのかと思うと、今まで知らなかった一面にモヤモヤしてしまう。
部屋に入ると、靴も脱がずに玄関で抱きしめてキスをした。
和さんは特に抵抗もせずに受け入れたが、唇を離すと呆れた顔で俺を見つめていた。
「元気だな~」
1Kの狭い部屋なので、ドアを開けるとすぐにベッドが見える。
「まじで眠いから、とりあえず寝かせて。お前、外着でベッドに乗るなとか言うタイプ?」
「言いませんよ」
和さんはポイポイと服を脱ぐと、インナーシャツとパンツだけになって布団に潜り込んだ。
あれだけ家に来るのを渋ってたくせに、いざ部屋に入ると無防備な姿でベッドに横になる和さんに、若干呆れる。
脱ぎ散らかしたスーツを拾ってハンガーにかけている間に、寝息が聞こえてきた。
「もう寝ちゃったんですか」
ベッドの縁に腰を下ろすと、和さんが寝ぼけた目で俺を見上げた。
「……芹は寝ないの」
『芹』呼びに戻ってしまった。
「寝ますよ」
寝たいけど和さんがベッド占領しちゃったじゃないですか、と文句を言おうとしたら、和さんは体をずらして俺のためのスペースを空けてくれた。
「ん……」
和さんが腕を投げ出して、俺を見つめる。
……もしかして、腕枕してくれるということなんだろうか。内心ドキドキしながら、和さんの隣に横になり、腕の上に首を乗せた。
「枕の話はなんだったんですか」
動揺を隠すようにからかうと、和さんはむずがるように俺の肩に額を擦り付けた。
「違うって……今、めちゃくちゃ眠いから……」
舌足らずな声で呟く和さんを抱き寄せると、すぐに俺の胸の中で寝息を立てた。
なんだこれ。
俺も死ぬほど眠かったが、こんな状態で眠れるわけがない。
和さんが目を閉じているのをいいことに、至近距離でまじまじと観察した。
右の目元にある黒子がエロい。ずっと触れてみたかったそこを指先でそっと撫でたが、何の反応もなかった。マジで爆睡してる。信頼されているのか、和さんが図太いのか……
唇は半開きで、穏やかな寝息を漏らしていた。見ているとキスをしたくなるので、胸に押し付けるように抱きしめた。腕枕は、起きた時に痺れたら悪いので、泣く泣く退けた。
腕を頭の下から外す時に体が離れると、和さんは抱き枕のように俺の脚を両脚で挟んで擦り寄ってきた。本気で死ぬ。
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