新潟 独り酒

昼間では絶対に気が付かない店

なめろうと唐揚げオクラポン酢としいたけの炙り

若い頃はチェーン店が好きだった。と言うか田舎だったので駅前にできた小奇麗な大型店舗は物珍しかったのだ。飲み会と言えばそこがお決まりで、２人で友人と飲む時は淡麗が安いラーメン屋。飲んだら朝までカラオケ。そんな元気はすっかりなくなってしまった。色々な居酒屋に行くようになったのは兄貴がはまっていたテレビ番組で有名人が色々な飲み屋を飲み歩く番組でＤＶＤを購入する程だった。それに僕も感化されおっかなびっくり居酒屋を飲み歩くようになっていったのだった。

　そして新潟駅前には前々から気になっていた店舗がある。いやむしろ店舗は見えない。目印は赤ちょうちんだけなのだ。昼間にはその赤ちょうちんもしまわれ、酔いから覚めて記憶があいまいになった僕はいつも、あれっ、あの店ってどの辺にあったっけなんて思うのだ。ともかく今日と言う今日はあの店を攻める。２０代前半の僕だったら完全にびびって入る事はできなかっただろう。だが新潟駅前はそこそこ制圧してきている。今こそあの店を攻める時。

　新潟駅万代口を出て左、大きく開けて高速バス乗り場がある。最近になって駅構内にあったヨドバシカメラが駅前のビルに移転したがまだ入った事はない。駅の中のヨドバシカメラはどうなったんだろう。最近南口にもいかないし駅構内歩く事もない。今度ゆっくりとできる時間ができたら駅前をワンカップ片手にうろちょろするんだ。
話しはそれたがともかくそのまま左へ向かっていくと小さな公園がある。その公園の隣のビルの一階がコンビニになっていて、、、そうそこには公園とコンビニしかない。無いようにしか見えない。だがその公園とコンビニの間に赤ちょうちん。細い細い路地が間に、たしかに存在するのだ。こんなスペースにほんとに店なんてあるのかよと路地を進むと入口が見えてきて、そこから店内の様子がうかがえる。結構混んでるなぁ、しかも意外と広い。横にあると思っていたコンビニの後ろ部分がまるまる居酒屋になっているのか。どうも空き席もなさそうだ。今日こそと思ったがまた別の日、、、踵を返そうとした所に店員さんが入口をがらがらと開けて呼び止めてくれた。
　一人ですか？全然大丈夫ですよ！っと元気よく店内に案内してくれる。カウンターが２席だけ空いていて一番角の席に座る事ができた。角席は片側が楽でいい。席に着きながらビールを注文。たばこに火を、、、と思った所でカウンターのお客さんを見渡すと誰もたばこを吸っていない。あれ？もしかして禁煙？小上がりは、、、吸ってない！なんだかしゃれた店だしホントに禁煙なのかな？ちょっと様子を見よう。店員に聞けばいいだろと思うかもしれないが僕は小心者なのだ。届いたビールを一口、メニューを開き肴を探す。さて何を頼もうか。