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新潟駅には珍しい立ち飲み店
白レバーの唐揚げ 鶏ハラミの酢モツ
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新潟駅の万代口を出て左手に向かうと高速バス乗り場が見える。
最近バス乗り場が改築されて以前より、随分と広くなって、さらに便利になったようだ。
しかも近くでずっと工事中だったビルはついに大型電気量販店になっていた。
ちょっと見ないうちに駅前の利便性がどんどんあがっているように思えた。
だが駅前で飲む時にコインパーキングに朝まで車を停めて置く僕にとっては、どうにも最近満車が多いように思えて、なんだか使いづらいようだ。
今日も万代口、弁天側で飲む店を探す所から始まる。
まだ午後の4時過ぎだというのに辺りは暗い。
にも関わらず多くの居酒屋はまだ準備中でなんだか不思議な時間帯である。
飲む店を探すと言ったが今日行く店は心の中で決まっていて、だからこそ早めの時間に出てきた。その結果、駅から近いコインパーキングはほぼ全滅でぐるぐると空車が出るのを待っていたぐらいだ。
店の前にたどり着くとすでに看板が出ていて電気もついている。今日の一軒目は新潟駅前楽天地の入口の前にある店だ。
この店の名前はどうにも面白い名前だと思う。危険な鳥の魅力が売りと言う事か。僕みたいな皮肉れた人間からするとマッ〇のチキン〇ゲットの事かな、なんて俗っぽい事を考えてしまう。ここは新潟駅前でも数少ない立ち飲みの居酒屋だ。いや数少ないと思ってるのは僕が対して飲み歩いていないからで、実は結構あるのかもしれない。
この店は実は以前利用した事があり、その時は二階のテーブル席で友人と飲んだ。その時は飲み放題を利用したのだが、少し変わっていて、飲み放題のアルコールがすべてセルフサービスになっている。友人たちと誰にも邪魔されずに飲むにはうってつけという訳だ。その時に立ち飲みスペースの事は気になっていたのだが、中々訪れる機会がなく今日まで来る事はなかった。
全面ガラス張りの玄関を開け、カウンターに落ち着く。
まだ客は僕一人で店員は明るく対応してくれる。食欲を煽るスパイスの香りが鼻をつく。軽く飲んで帰るつもりなので注文もあまり悩まず飲み物と同時に頼んだ。
「ハイボールと唐揚げの白レバー、あとハラミの酢モツで。」
この白レバーの唐揚げは前回来た時からのお気に入りで、まろやかなレバーが口の中でペースト状になっていく感覚とスパイスの効いた衣が絶妙な味わいを醸し出している。だがハラミの酢モツは頼んだ事がない。どんな味がするか楽しみだ。ただし唐揚げは時間がかかる。揚げたてを食べる為の通過儀礼と思えばと考えるが、立ち飲みなのだからもう少しスピードもほしいと思う。
二杯目のハイボールを頼もうとした時に、まずは白レバーの唐揚げが届いた。来た来たとばかりにひょいとつまみ、さっそく一口いただく。うん。前に食べたあの白レバーだ。カレーに似た風味の衣、まろやかな舌触り。少し口の中が乾いてきたらハイボールをぐいっと流し込む。単純にうまい。そうしてハラミの酢モツが届く。いい年して、届いたばかりの品にがっついていく僕。酢モツと言うだけあってさっぱりとした風味、しかしその弾力のある歯ごたえが肉を食べていると言う感覚を存分に味あわせてくれた。なんだったらこのままここで、お腹いっぱいになって帰ってもいいんじゃないかと思ってしまう。だが今日は一軒で終わるつもりはなかったので、味わいながらもぱくぱくと矢継ぎ早に注文した品を口に運んで行く。
「すいません会計お願いします。」
僕の理想の立ち飲み屋はキャッシュオンデリバリーなのだが気軽に飲める居酒屋が
この信越の田舎にあると言うだけで贅沢な事なんだろう。
僕は会計を済ませて店を出た。時刻はまだ夕方の5時を過ぎた頃、今日はここからはしご酒だ。
鼻息荒く次の店を探して日の落ちた新潟駅前を歩いて行くのであった。
最近バス乗り場が改築されて以前より、随分と広くなって、さらに便利になったようだ。
しかも近くでずっと工事中だったビルはついに大型電気量販店になっていた。
ちょっと見ないうちに駅前の利便性がどんどんあがっているように思えた。
だが駅前で飲む時にコインパーキングに朝まで車を停めて置く僕にとっては、どうにも最近満車が多いように思えて、なんだか使いづらいようだ。
今日も万代口、弁天側で飲む店を探す所から始まる。
まだ午後の4時過ぎだというのに辺りは暗い。
にも関わらず多くの居酒屋はまだ準備中でなんだか不思議な時間帯である。
飲む店を探すと言ったが今日行く店は心の中で決まっていて、だからこそ早めの時間に出てきた。その結果、駅から近いコインパーキングはほぼ全滅でぐるぐると空車が出るのを待っていたぐらいだ。
店の前にたどり着くとすでに看板が出ていて電気もついている。今日の一軒目は新潟駅前楽天地の入口の前にある店だ。
この店の名前はどうにも面白い名前だと思う。危険な鳥の魅力が売りと言う事か。僕みたいな皮肉れた人間からするとマッ〇のチキン〇ゲットの事かな、なんて俗っぽい事を考えてしまう。ここは新潟駅前でも数少ない立ち飲みの居酒屋だ。いや数少ないと思ってるのは僕が対して飲み歩いていないからで、実は結構あるのかもしれない。
この店は実は以前利用した事があり、その時は二階のテーブル席で友人と飲んだ。その時は飲み放題を利用したのだが、少し変わっていて、飲み放題のアルコールがすべてセルフサービスになっている。友人たちと誰にも邪魔されずに飲むにはうってつけという訳だ。その時に立ち飲みスペースの事は気になっていたのだが、中々訪れる機会がなく今日まで来る事はなかった。
全面ガラス張りの玄関を開け、カウンターに落ち着く。
まだ客は僕一人で店員は明るく対応してくれる。食欲を煽るスパイスの香りが鼻をつく。軽く飲んで帰るつもりなので注文もあまり悩まず飲み物と同時に頼んだ。
「ハイボールと唐揚げの白レバー、あとハラミの酢モツで。」
この白レバーの唐揚げは前回来た時からのお気に入りで、まろやかなレバーが口の中でペースト状になっていく感覚とスパイスの効いた衣が絶妙な味わいを醸し出している。だがハラミの酢モツは頼んだ事がない。どんな味がするか楽しみだ。ただし唐揚げは時間がかかる。揚げたてを食べる為の通過儀礼と思えばと考えるが、立ち飲みなのだからもう少しスピードもほしいと思う。
二杯目のハイボールを頼もうとした時に、まずは白レバーの唐揚げが届いた。来た来たとばかりにひょいとつまみ、さっそく一口いただく。うん。前に食べたあの白レバーだ。カレーに似た風味の衣、まろやかな舌触り。少し口の中が乾いてきたらハイボールをぐいっと流し込む。単純にうまい。そうしてハラミの酢モツが届く。いい年して、届いたばかりの品にがっついていく僕。酢モツと言うだけあってさっぱりとした風味、しかしその弾力のある歯ごたえが肉を食べていると言う感覚を存分に味あわせてくれた。なんだったらこのままここで、お腹いっぱいになって帰ってもいいんじゃないかと思ってしまう。だが今日は一軒で終わるつもりはなかったので、味わいながらもぱくぱくと矢継ぎ早に注文した品を口に運んで行く。
「すいません会計お願いします。」
僕の理想の立ち飲み屋はキャッシュオンデリバリーなのだが気軽に飲める居酒屋が
この信越の田舎にあると言うだけで贅沢な事なんだろう。
僕は会計を済ませて店を出た。時刻はまだ夕方の5時を過ぎた頃、今日はここからはしご酒だ。
鼻息荒く次の店を探して日の落ちた新潟駅前を歩いて行くのであった。
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