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カウンター席がある焼肉屋で独り酒
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中に入るとまだ早い時間だからか、カウンターに一人、奥の座敷から聞こえる声もまばらで独りで飲むには気が楽だった。
「一人なんだけど、大丈夫?」
「はい。カウンターへどうぞ」
カウンターには一つのロースターにイスが二つずつ並んでおり僕は入口から一番近いロースターの奥側の席に座った。
「とりあえず、生一つ」
飲み物を確保した僕はすぐに出てきそうな物、申し訳程度の野菜要素、最初の肉を頼もうと思った。
「すみません、牛筋ポン酢とネギ塩牛タン、、、あと、白菜キムチ下さい」
ネギ塩牛タンはこの店の一押しのようでメニューの一番最初に載っている。牛筋ポン酢も定番の一つのようだ。
届いた生ビールを飲みながらメニューを眺めていると肉の部位の名称が書かれた部分を見つけた。ツラミ、ハラミ、ロース、、、今ここで見ても飲んで気持ちよくなれば全部忘れてしまいそうなぐらい情報量が多い。そのうちに頼んだものが届き始める。
「ネギ塩牛タンです。こちらは牛タン用のレモンになります。」
最初に届いたのはネギ塩牛タンだった。頼んでから5分もたってないのでずいぶん手際がいい。そして何より驚いたのはみじん切りにされた長ネギの量だ。ネギで肉が見えない。ここからネギをご自由にお取りくださいと言われてもおかしくないぐらいだ。驚いているうちに今度は牛筋ポン酢が届いた。こちらもネギで牛筋が見えない。ネギだけでお腹いっぱいになってしまいそうだなと僕は思った。
そんな事を思いながらおもむろに牛タンをロースターに乗せる。否応にもネギもロースターにこぼれていく。食欲を刺激する匂いと音が気持ちをはやらせるが、落ち着きはらった雰囲気を出しながら肉を返す。そこで店員が白菜キムチを持ってきた事に気づき焦りを悟らせぬよう落ち着いて受け取る。
良く焼けた牛タンにたっぷりのネギを載せてもう片面が焼きあがるの待つ。そこでまずは牛筋ポン酢を食べてみる事にした。大量のネギと共に牛筋を口に運ぶ。ネギのシャキ、牛肉からあふれる肉汁がじゅわ、筋を噛みしめた時のこりっ、それらが一緒にやってきたものだから一人口内ハーモニー状態だ。ちょうど牛タンも焼きあがった。そのまま畳み掛けるように口に運ぶと、塩で味付けされたさっぱりとした味わいに、牛タンのうまみが口に広がる。欲を言うなら薄切りな肉なので肉厚がほしい事ぐらいか。
「生、おかわり」
2杯目のビールを注文しながらメニューに目を通す。どれもこれもうまそうなのだが一人前の量が随分と多い。それはコストパフォーマンス的にはいい事なのだが、一人で色々な品をたくさん食べたい僕としては頼むものは念入りに選定しなくてはならない。しかも今日は昼食を遅めにとったのでネギでお腹いっぱいになりそうと言うのもあながち嘘でもなかった。
「すみません」
頼むものを決めた僕は店員に声をかけた、、、、
「一人なんだけど、大丈夫?」
「はい。カウンターへどうぞ」
カウンターには一つのロースターにイスが二つずつ並んでおり僕は入口から一番近いロースターの奥側の席に座った。
「とりあえず、生一つ」
飲み物を確保した僕はすぐに出てきそうな物、申し訳程度の野菜要素、最初の肉を頼もうと思った。
「すみません、牛筋ポン酢とネギ塩牛タン、、、あと、白菜キムチ下さい」
ネギ塩牛タンはこの店の一押しのようでメニューの一番最初に載っている。牛筋ポン酢も定番の一つのようだ。
届いた生ビールを飲みながらメニューを眺めていると肉の部位の名称が書かれた部分を見つけた。ツラミ、ハラミ、ロース、、、今ここで見ても飲んで気持ちよくなれば全部忘れてしまいそうなぐらい情報量が多い。そのうちに頼んだものが届き始める。
「ネギ塩牛タンです。こちらは牛タン用のレモンになります。」
最初に届いたのはネギ塩牛タンだった。頼んでから5分もたってないのでずいぶん手際がいい。そして何より驚いたのはみじん切りにされた長ネギの量だ。ネギで肉が見えない。ここからネギをご自由にお取りくださいと言われてもおかしくないぐらいだ。驚いているうちに今度は牛筋ポン酢が届いた。こちらもネギで牛筋が見えない。ネギだけでお腹いっぱいになってしまいそうだなと僕は思った。
そんな事を思いながらおもむろに牛タンをロースターに乗せる。否応にもネギもロースターにこぼれていく。食欲を刺激する匂いと音が気持ちをはやらせるが、落ち着きはらった雰囲気を出しながら肉を返す。そこで店員が白菜キムチを持ってきた事に気づき焦りを悟らせぬよう落ち着いて受け取る。
良く焼けた牛タンにたっぷりのネギを載せてもう片面が焼きあがるの待つ。そこでまずは牛筋ポン酢を食べてみる事にした。大量のネギと共に牛筋を口に運ぶ。ネギのシャキ、牛肉からあふれる肉汁がじゅわ、筋を噛みしめた時のこりっ、それらが一緒にやってきたものだから一人口内ハーモニー状態だ。ちょうど牛タンも焼きあがった。そのまま畳み掛けるように口に運ぶと、塩で味付けされたさっぱりとした味わいに、牛タンのうまみが口に広がる。欲を言うなら薄切りな肉なので肉厚がほしい事ぐらいか。
「生、おかわり」
2杯目のビールを注文しながらメニューに目を通す。どれもこれもうまそうなのだが一人前の量が随分と多い。それはコストパフォーマンス的にはいい事なのだが、一人で色々な品をたくさん食べたい僕としては頼むものは念入りに選定しなくてはならない。しかも今日は昼食を遅めにとったのでネギでお腹いっぱいになりそうと言うのもあながち嘘でもなかった。
「すみません」
頼むものを決めた僕は店員に声をかけた、、、、
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