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Episode01「かみさま」
12◇はじまり
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肩で息をする私の髪を撫でるとロキ様はそのまま口づけをしてきた。
「ふぅっ……はぁっ……」
口内をまさぐる彼の舌に自分の舌を絡めながら応える。
さっきまでの強引なものではなく、いつも通りの甘いキスに私の心は次第に落ち着いていった。
ゆっくりと口を離すと、銀糸のような唾液で繋がったままロキ様の舌は頬から首筋へと移動していく。
そして時折、吸い付くような感覚を残すからきっと痕がついているのだろうと思ったら顔が熱くなるのを感じた。
「ふふ、大丈夫かい? 今こいつが出したのは洗浄液のようなものだから、それを出したってことは終わったってことだよ」
再びちゅっと口づけると、ロキ様は温かいシャワーを私にゆっくりとかけていく。
「は…っ は… この触手は…一体…?」
「ペット」
「ペット!?です、か…?」
「そ、ペット。俺の言うことは絶対聞く、まあ使い魔のようなものでもあるかなあ」
そう答えながら、私の体が温まるようにまんべんなくかけていく。
気が付くと、さっきまで私の中で暴れていた触手は手のひらサイズにまで小さくなり私の膝の上に乗っかっていた。
「あれ?小さい…」
「そいつは仕事を終えると縮むんだ。終わったのに元の場所に戻らないってことは君のことが気にいたんじゃないかな?」
「私を?」
まるで、擦りつくように膝の上でうごめいている。その姿がなんだか可愛くて、つん、とつつく。
すると指を伝い手の甲までゆっくりと登ってきた。
「…かわいい…」
私がそうつぶやくのが聞こえたのか、シャワーをかけながらロキ様が後ろでくすっと笑ったような気がした。
そうして体の泡を流し終わるとロキ様は自分の手で髪の水滴を払ってくれる。
それからバスタオルを広げて体を包み込むようにして抱きしめてくれた。
私はそのまま甘えるようにして胸に顔を埋めて息をつく。
ロキ様の匂いに包まれて安心感からなのか、眠気すらもよおしてくるほど心地よかった。
(でも……ロキ様がペットだと言ってもあんなこと……)
思い返すと恥ずかしくなってまた赤面してしまう。
もしかして、ロキ様が私の中で出すたび今回のようなことに…?
そう思うと、先ほどまでの感覚を思い出してふるりと全身が震える。
(あんな…きもちいこと…この先も…? あぁだめ、考えるのはよそう…)
そんなことをぐるぐる考えていると、いつの間にか髪の毛はしっかりと乾かされていてパジャマも身にまとっていた。
そして、ロキ様が私の顔をじっと覗き込むようにして見つめていた。
「あ、えと、あの…?」
私の顔に何かついてますか?と照れ隠しに尋ねると、ロキ様はただ一言「えっち」とだけ言って意地悪く笑うとバスタオルと脱ぎ終えた衣服を片手にくるりと背を向けて歩き出してしまう。
「や、あの!ちが、ちがうんですよ…!」
もう自分でもなにを否定しているのか混乱しながらも、私は真っ赤になりながらロキ様の背中を応用に駆け出してバスルームを後にした。
こうして、私とロキ様の生活は始まったのです――。
FIN.
「ふぅっ……はぁっ……」
口内をまさぐる彼の舌に自分の舌を絡めながら応える。
さっきまでの強引なものではなく、いつも通りの甘いキスに私の心は次第に落ち着いていった。
ゆっくりと口を離すと、銀糸のような唾液で繋がったままロキ様の舌は頬から首筋へと移動していく。
そして時折、吸い付くような感覚を残すからきっと痕がついているのだろうと思ったら顔が熱くなるのを感じた。
「ふふ、大丈夫かい? 今こいつが出したのは洗浄液のようなものだから、それを出したってことは終わったってことだよ」
再びちゅっと口づけると、ロキ様は温かいシャワーを私にゆっくりとかけていく。
「は…っ は… この触手は…一体…?」
「ペット」
「ペット!?です、か…?」
「そ、ペット。俺の言うことは絶対聞く、まあ使い魔のようなものでもあるかなあ」
そう答えながら、私の体が温まるようにまんべんなくかけていく。
気が付くと、さっきまで私の中で暴れていた触手は手のひらサイズにまで小さくなり私の膝の上に乗っかっていた。
「あれ?小さい…」
「そいつは仕事を終えると縮むんだ。終わったのに元の場所に戻らないってことは君のことが気にいたんじゃないかな?」
「私を?」
まるで、擦りつくように膝の上でうごめいている。その姿がなんだか可愛くて、つん、とつつく。
すると指を伝い手の甲までゆっくりと登ってきた。
「…かわいい…」
私がそうつぶやくのが聞こえたのか、シャワーをかけながらロキ様が後ろでくすっと笑ったような気がした。
そうして体の泡を流し終わるとロキ様は自分の手で髪の水滴を払ってくれる。
それからバスタオルを広げて体を包み込むようにして抱きしめてくれた。
私はそのまま甘えるようにして胸に顔を埋めて息をつく。
ロキ様の匂いに包まれて安心感からなのか、眠気すらもよおしてくるほど心地よかった。
(でも……ロキ様がペットだと言ってもあんなこと……)
思い返すと恥ずかしくなってまた赤面してしまう。
もしかして、ロキ様が私の中で出すたび今回のようなことに…?
そう思うと、先ほどまでの感覚を思い出してふるりと全身が震える。
(あんな…きもちいこと…この先も…? あぁだめ、考えるのはよそう…)
そんなことをぐるぐる考えていると、いつの間にか髪の毛はしっかりと乾かされていてパジャマも身にまとっていた。
そして、ロキ様が私の顔をじっと覗き込むようにして見つめていた。
「あ、えと、あの…?」
私の顔に何かついてますか?と照れ隠しに尋ねると、ロキ様はただ一言「えっち」とだけ言って意地悪く笑うとバスタオルと脱ぎ終えた衣服を片手にくるりと背を向けて歩き出してしまう。
「や、あの!ちが、ちがうんですよ…!」
もう自分でもなにを否定しているのか混乱しながらも、私は真っ赤になりながらロキ様の背中を応用に駆け出してバスルームを後にした。
こうして、私とロキ様の生活は始まったのです――。
FIN.
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