私だけの神様

帳ツキミ

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Episode01「かみさま」

08◇ロキとアリス②

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そして「……入れるよ」という言葉の後、彼はゆっくりと、まるで私の様子を窺うようにしながらその切っ先を沈めていった。指とは比べ物にならないほどの圧迫感に思わず腰を引く。

すると彼の体が私の上にぴったりとくっついたままで逃げられない。

(くる、しい…っ)

初めての体験に私は泣き出しそうになる。

でも、不思議と痛くはなくて…むしろジンジンと入り口が熱くて…もどかしいような、そんな気がした。

彼は苦し気に眉をひそめていた私を宥めるかのように顔にたくさんのキスを降らせると「……痛い?」ときいてきた。
それにふるふると首を横に振ると、安心させるかのように優しい手つきで頭を撫でてくれた。

「アリス、大丈夫だから……力を抜いてごらん」

優しい声が耳から入り込み、体の力を抜こうとした瞬間、彼のものがずるりと動いた。

「ひゃあああっ!?」

甲高い声が私の口から漏れ出す。

それと同時に彼は再び私の最奥へと己を押し込めようとする。それを何度か繰り返したところで……彼は私の中へと全てを収め切った。

(はい、った……? ぜん、ぶ……)

お腹の中に彼がいるのを感じる。
苦しいけれど、それだけじゃない。

「はっ……んんっ……」

お腹の内側に、確かに異物が入ってる感覚がある。……お尻の方へ、熱い液体が垂れているような感覚も。

(…………あ、あれ……?)

なんだろう、と思ってそっと自分の下腹部へ手を伸ばそうとしたその時だった。
ロキ様の腰が動く気配がしたのは。

「あっあっあっ……!?」

ぱんっぱんっ、と音を立てて抽挿が繰り返される。
ロキ様が動くたびに生まれる熱さがじんと下腹部に広がって、頭にまで響いて……くらくらするくらいだ。

……でもそれは決して痛みとか苦しみではなくて、もっとずっと奥の方にある何かから湧き上がって来るもので……。
私はただただ与えられる熱に溺れることしかできない。

「ひゃんっ! ひゃん、やぁっ、ああぁぁっ……!」
「アリス、アリス……俺の名前、呼んで」
「やっ……ろ、りさ、さまぁ……やぁぁ……」

私の口が勝手にロキ様の名前を呼んでいると「ちがう」と低い声が耳に吹き込まれる。

「違うでしょ、アリス。ほら……もっと可愛く、名前を……」

その言葉は命令だった。
私が、私の意思に関係なく、彼に従順になってしまうための言葉。

(どうして……こんなこと)

ロキ様は魔法使い。

それは、私が彼を拒絶することを許さないということ。

彼の瞳の奥には、まだ見たことのない闇が広がっている。
それが怖いのに。私は彼のことを……どうしようもなく好きになってしまっている。

…そんなことをしなくても、私はもう…あなたしか見ていないのに。

私は、彼の首を抱き寄せ精一杯口づける。
そうするとロキ様はとても満足そうに微笑むと私の体を抱え直して一層強く激しく腰を揺すってきた。

彼の指先が胸の先端を弄び、それにあわせて膣内のものを締め付ければ彼もまた「くっ……」と声を漏らした。

「あぁぁ! あっ あっ あっ あっ」

彼が腰を打ち付けるのに合わせるように、私の声が弾む。

それは私の声とは思えないほど、高くいやらしく、甘美な響きを纏っていて…そんな自分自身の声にさえ興奮してしまう…。

ロキ様の動きが段々と速くなっていく。

そして、私の中にある彼のものの形が変わる。

それは、ロキ様の吐息がより甘く荒くなったことを意味していて。

「アリス……俺の……アリスッ……!」

彼はそう言うと同時に一際強く突き入れる。
すると私は声を上げることもできないまま絶頂を迎えて…。

そのすぐ後に彼のものがどくりと震え、熱い白濁が流れ出してくるのを感じながら私は意識を失ってしまった。

―――
――

(あれ……?)

目が覚めた時、部屋の中にはすでに夜の帳が下りていた。

窓から覗いた月の高さから考えるに今はおそらく深夜だろう。

私はいつのまに寝ていたのか……記憶を手繰り寄せる。

そうしていると「起きた?」と声をかけられて……振り返ると、そこにはベッドの脇に置かれた椅子に腰かけて私の頭を撫でるロキ様の姿があった。

その表情はとてもやさしく穏やかで…、私も微笑んで頷いて見せる。

「疲れただろ?……体は平気?」

そう言われて私は自分の体の異変に気づいた。

あんなにもジンジンと疼いていた場所が今ではすっかり落ち着いているのだ。

けど…、確かめるように体に触れるとびくりと体が震えるほど強い快感が全身を駆け巡る。
思わず変な悲鳴が出そうになったところをぐっと堪えた。

「ん? もしかして、感じちゃった?」

にやりと笑ったロキ様に、私の顔がぼっと赤く染まる。

そんな顔を見られたくなくて慌てて布団を頭から被ろうとするとロキ様がそれを止めた。

そしてそのまま布団の中に入り込んで私の体を後ろから抱きかかえてくる。

「だめだよ。ちゃんと君を見せてくれないならこうしちゃうよ」

彼の大きな手が再び私の肌の上をするすると這っていく。

「ちょ、ちょっとロキさ……!」

制止の言葉を口にしても、彼の手を止めることができない。
でも、私も止めてほしいと…本心では思えなくて。

むしろ、触ってほしいと…うずいている気さえした。

結局私が力尽きてしまうまでその行為は続き、ようやく解放された頃には体の感覚がほとんどなくなってしまっていた。
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