11 / 130
散髪
2
しおりを挟む
何故こうなった、というのは、英に関わってからやたらと言いたくなる回数が増えたフレーズだ。何故、英の髪を切ることになったのか、どこで間違えたのかが雪季にはわからない。
まあどこで間違えたかと言えば、もう十年近くも前の、初仕事を目撃されたところで。迂闊な自分を呪うしかないが、ほぼ偶然の産物でもあるので、回避のしようはなかったような気もする。
「微妙に暑い、蒸れる」
「文句を言うな。というか、喋るな。動かれると切り間違える」
ゴミ袋に貫頭衣のように頭が通る穴をあけて被せた間抜けな格好の英は、どこか楽しそうだから不可解だ。床には新聞紙を敷いて、切った髪が落ちるようにはしているが、掃除機はかけなければならないだろう。
何が哀しくて、深夜に同級生の髪を整えなければならないのか。
理由は、少し前の英の行動にある。風呂を出た雪季を待っていたかのように目の前で、前髪の一部を切り落とした英に。
『できるかと思ったけど難しいな。雪季、切って』
『…だからプロに頼めと…』
『もう夜だし、明日は朝一で田邊さんと会うし』
探せば、深夜にやっている店や早朝にやっている店が見つかるか、あるいは英の人脈で美容師に無理を頼み込むこともできたのではないかと思う。だが、当人が頑として肯かない。
こんなの人に見られるの嫌だし、睡眠時間減るし、と、大して気にしていないだろうにもっともらしい理屈だけは見つけ出して駄々をこねる。
結局、雪季が折れた。とりあえず整えるだけ整えて、後でプロに見てもらえ、とは言い置いたが。
「…いっそバリカン買ってきて丸刈りにすれば…」
「いや待ってそれは厭だなんか厭」
前髪を切っているので目をつぶっているが、声だけで変に感情豊かに伝えてくる。先ほどの会話ではないが、何故この馬鹿は自分を信用しているのだろうと雪季はいよいよわからなくなる。
例えば雪季が密かに英の殺害依頼を請けていれば、この首を掻き切るだけで全て終わるのに。
「…目、開けていいぞ」
前髪が大分短くなったので、全体的に少し切り落としていく。
喋ると僅かであっても体が動くので黙っていてほしいのだが、英は全く気にしない。美容師はこれを平然とやっているのかと、もう十年以上も縁がないが尊敬に近い想いを抱く。
「雪季は、子どもの頃ってお母さんに切ってもらってた?」
「…そうだな」
殺されて、もう亡い母を思い出す。懐かしいような申し訳ないような、妙な気持ちが込み上げる。
あまり器用な人ではなかったなと、不自然に真っ直ぐにそろってしまった髪先に文句を言った日が呼び起こされた。
「俺も。俺の母親っていうのが、子どもが欲しくて男と寝てたって人で」
襟足を切っていて、英の表情は見逃した。以前聞いたときに、母親に捨てられたと言っていた気がしたが記憶違いだろうかと、思っているうちに淡々と話は進む。
当たり前だが、自分の襟足を切るときは手触りだけがほぼ全てなので、目で見られる人の襟足は比べるとかなり切りやすい。
「理想の子ども像みたいなのがあったっていうか、要は自分の隷属物がほしかったってことだろうな。それだから、どうもこいつは違うぞ、ってわかってきて、恐がられて、高校の時にとうとうもう一人の製造元につき返されたんだけどさ」
違うというのは、他の子どもということだろうか。それとも、ただ母親の言う通りに素直に全てを聞き入れるような子どもではなかったということだろうか。
どちらにしても、その姿は英とは程遠い。あるいは、子どもの頃でなければ、完璧に演技をしてみせることもできたのかもしれないが。
「そんな人だから、髪も爪も、嬉々として切ろうとして。お母さんが切ってあげる、って。俺、あれ嫌いだった」
「…この状況で言うか?」
「いや、なんか、全然違うから逆に思い出した」
なんだそれはと、耳にかかるあたりを切りながら、うっすらと笑みを浮かべたままの横顔につい目をやる。
「雪季は器用だし、やっぱり優しい。あれだけ厭だってごねてたのに、かなり気を遣って切ってくれてるだろ。もしかしたら、このまま首を切り落としてたかもしれないような相手だっていうのに」
「…依頼主がいない。今俺を雇ってるのはお前だろう」
「雪季は真面目だな」
英の言う「優しい」は、どうしたって「甘い」に聞こえる。それを、その通りだと雪季は頷いてしまう。
「雪季はずっと、自分で切ってたのか?」
「高校くらいから。一時面倒になって伸ばしたこともあるが、鬱陶しくなって結局切った」
「あー。長い髪って面倒そう」
「…あまり男で伸ばす奴がいないせいか、女に間違われることが増えた」
「そっち!」
遠慮なく吹き出され、予想はできたのにどうして喋ってしまったのだろうと軽く後悔する。何故こんな、友人同士のような会話をしているのだろうと、雪季は何かを見失った気分で戸惑う。
隠すようなこともなく、気が楽なのだろうか。
今まで、バイト先や仕事の調査などで紛れ込んだ場所で傍から見れば友人のような付き合いをしたことはあるが、話せるはずもないことが多すぎて、雪季はかなり気を遣って言葉を選んでいた。
そういうものでない友人もいるが、殺人業のことは話してはいない。
「でも雪季、女装するだろ? それなのにそういうのに腹立てるんだ?」
「理由があってちゃんと女装するなら、動きも変えるしタオルや詰め物で体の線も変えてる。普通にしてて間違われるのとは違う」
「あー…なるほどね」
英が笑いをかみ殺すせいで、余計に体が揺れて少し短く切りすぎた。しまった、と思ったが、英の自業自得だということで気にしないことにする。
最後にブラシと櫛で、切り離されても頭に残る髪を払い落す。
「後は、風呂で落として来い」
「ありがとう、雪季」
なるべくくっついている髪を落とさないようにゴミ袋を外しながら、雪季は顔をしかめた。
「気になっていたんだが」
「何?」
「やたらと名前を呼ぶな。鬱陶しい」
「…そんなに言ってるか?」
無自覚なのかと溜息が落ちる。呼ばれる方としては、慣れない。
てっきり妙な嫌がらせやからかいだと思って文句を言おうとしていたのだが、気を削がれる。これで意識して減ればいいかと諦めて、雪季は敷いていた新聞紙とゴミ袋をひとまとめにした。
丁度明日がごみの日だと思ってから、だから髪を切ろうとしていたのだったと、本来の目的が果たせていなかったことに気付いてうんざりとした。
「さっさと風呂に入れ。髪を落とすなよ」
「はーい」
子どものような「いい返事」をして立ち上がった英を見送り、雪季は、掃除機を取りに向かう。
ざっと掃除機をかけたら、英が風呂から上がる前に自室に引き上げようと決める。これ以上、よくわからないことに付き合わされたくはない。
後日、振り込まれる給料が別口で増えていて首を傾げた雪季に、英はどこかのフォーマットを丸ごと借りてきたような給与明細書を手渡してきた。名目は、「ハウスキーピング」。
それにしては多い金額から察するに、護衛料はいつの間にか、家事代に化けていたらしい。
まあどこで間違えたかと言えば、もう十年近くも前の、初仕事を目撃されたところで。迂闊な自分を呪うしかないが、ほぼ偶然の産物でもあるので、回避のしようはなかったような気もする。
「微妙に暑い、蒸れる」
「文句を言うな。というか、喋るな。動かれると切り間違える」
ゴミ袋に貫頭衣のように頭が通る穴をあけて被せた間抜けな格好の英は、どこか楽しそうだから不可解だ。床には新聞紙を敷いて、切った髪が落ちるようにはしているが、掃除機はかけなければならないだろう。
何が哀しくて、深夜に同級生の髪を整えなければならないのか。
理由は、少し前の英の行動にある。風呂を出た雪季を待っていたかのように目の前で、前髪の一部を切り落とした英に。
『できるかと思ったけど難しいな。雪季、切って』
『…だからプロに頼めと…』
『もう夜だし、明日は朝一で田邊さんと会うし』
探せば、深夜にやっている店や早朝にやっている店が見つかるか、あるいは英の人脈で美容師に無理を頼み込むこともできたのではないかと思う。だが、当人が頑として肯かない。
こんなの人に見られるの嫌だし、睡眠時間減るし、と、大して気にしていないだろうにもっともらしい理屈だけは見つけ出して駄々をこねる。
結局、雪季が折れた。とりあえず整えるだけ整えて、後でプロに見てもらえ、とは言い置いたが。
「…いっそバリカン買ってきて丸刈りにすれば…」
「いや待ってそれは厭だなんか厭」
前髪を切っているので目をつぶっているが、声だけで変に感情豊かに伝えてくる。先ほどの会話ではないが、何故この馬鹿は自分を信用しているのだろうと雪季はいよいよわからなくなる。
例えば雪季が密かに英の殺害依頼を請けていれば、この首を掻き切るだけで全て終わるのに。
「…目、開けていいぞ」
前髪が大分短くなったので、全体的に少し切り落としていく。
喋ると僅かであっても体が動くので黙っていてほしいのだが、英は全く気にしない。美容師はこれを平然とやっているのかと、もう十年以上も縁がないが尊敬に近い想いを抱く。
「雪季は、子どもの頃ってお母さんに切ってもらってた?」
「…そうだな」
殺されて、もう亡い母を思い出す。懐かしいような申し訳ないような、妙な気持ちが込み上げる。
あまり器用な人ではなかったなと、不自然に真っ直ぐにそろってしまった髪先に文句を言った日が呼び起こされた。
「俺も。俺の母親っていうのが、子どもが欲しくて男と寝てたって人で」
襟足を切っていて、英の表情は見逃した。以前聞いたときに、母親に捨てられたと言っていた気がしたが記憶違いだろうかと、思っているうちに淡々と話は進む。
当たり前だが、自分の襟足を切るときは手触りだけがほぼ全てなので、目で見られる人の襟足は比べるとかなり切りやすい。
「理想の子ども像みたいなのがあったっていうか、要は自分の隷属物がほしかったってことだろうな。それだから、どうもこいつは違うぞ、ってわかってきて、恐がられて、高校の時にとうとうもう一人の製造元につき返されたんだけどさ」
違うというのは、他の子どもということだろうか。それとも、ただ母親の言う通りに素直に全てを聞き入れるような子どもではなかったということだろうか。
どちらにしても、その姿は英とは程遠い。あるいは、子どもの頃でなければ、完璧に演技をしてみせることもできたのかもしれないが。
「そんな人だから、髪も爪も、嬉々として切ろうとして。お母さんが切ってあげる、って。俺、あれ嫌いだった」
「…この状況で言うか?」
「いや、なんか、全然違うから逆に思い出した」
なんだそれはと、耳にかかるあたりを切りながら、うっすらと笑みを浮かべたままの横顔につい目をやる。
「雪季は器用だし、やっぱり優しい。あれだけ厭だってごねてたのに、かなり気を遣って切ってくれてるだろ。もしかしたら、このまま首を切り落としてたかもしれないような相手だっていうのに」
「…依頼主がいない。今俺を雇ってるのはお前だろう」
「雪季は真面目だな」
英の言う「優しい」は、どうしたって「甘い」に聞こえる。それを、その通りだと雪季は頷いてしまう。
「雪季はずっと、自分で切ってたのか?」
「高校くらいから。一時面倒になって伸ばしたこともあるが、鬱陶しくなって結局切った」
「あー。長い髪って面倒そう」
「…あまり男で伸ばす奴がいないせいか、女に間違われることが増えた」
「そっち!」
遠慮なく吹き出され、予想はできたのにどうして喋ってしまったのだろうと軽く後悔する。何故こんな、友人同士のような会話をしているのだろうと、雪季は何かを見失った気分で戸惑う。
隠すようなこともなく、気が楽なのだろうか。
今まで、バイト先や仕事の調査などで紛れ込んだ場所で傍から見れば友人のような付き合いをしたことはあるが、話せるはずもないことが多すぎて、雪季はかなり気を遣って言葉を選んでいた。
そういうものでない友人もいるが、殺人業のことは話してはいない。
「でも雪季、女装するだろ? それなのにそういうのに腹立てるんだ?」
「理由があってちゃんと女装するなら、動きも変えるしタオルや詰め物で体の線も変えてる。普通にしてて間違われるのとは違う」
「あー…なるほどね」
英が笑いをかみ殺すせいで、余計に体が揺れて少し短く切りすぎた。しまった、と思ったが、英の自業自得だということで気にしないことにする。
最後にブラシと櫛で、切り離されても頭に残る髪を払い落す。
「後は、風呂で落として来い」
「ありがとう、雪季」
なるべくくっついている髪を落とさないようにゴミ袋を外しながら、雪季は顔をしかめた。
「気になっていたんだが」
「何?」
「やたらと名前を呼ぶな。鬱陶しい」
「…そんなに言ってるか?」
無自覚なのかと溜息が落ちる。呼ばれる方としては、慣れない。
てっきり妙な嫌がらせやからかいだと思って文句を言おうとしていたのだが、気を削がれる。これで意識して減ればいいかと諦めて、雪季は敷いていた新聞紙とゴミ袋をひとまとめにした。
丁度明日がごみの日だと思ってから、だから髪を切ろうとしていたのだったと、本来の目的が果たせていなかったことに気付いてうんざりとした。
「さっさと風呂に入れ。髪を落とすなよ」
「はーい」
子どものような「いい返事」をして立ち上がった英を見送り、雪季は、掃除機を取りに向かう。
ざっと掃除機をかけたら、英が風呂から上がる前に自室に引き上げようと決める。これ以上、よくわからないことに付き合わされたくはない。
後日、振り込まれる給料が別口で増えていて首を傾げた雪季に、英はどこかのフォーマットを丸ごと借りてきたような給与明細書を手渡してきた。名目は、「ハウスキーピング」。
それにしては多い金額から察するに、護衛料はいつの間にか、家事代に化けていたらしい。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
カフェバー「ムーンサイド」~祓い屋アシスタント奮闘記~
みつなつ
キャラ文芸
大学生の俺は、まかない飯が絶品のカフェバー「ムーンサイド」でバイトをしている。
ある日特別客としてやってきたダンディ紳士……彼は店長の副業『祓い屋』の依頼人だった!
お祓いに悪戦苦闘する店長を見かねた俺は、思わず『お手伝い』してしまう。
全く霊感のない俺は霊からの攻撃を感じることなく、あっさり悪霊を封印してしまった。
「霊感がないって一種の才能なのかも知れないね」と店長に誘われ、祓い屋のアシスタントになった俺は、店長と共に様々な怪奇現象に立ち向かうことになる。
呪われようと祟られようと全くノーダメージという特異体質を活かして余裕の『お仕事』……かと思いきや、何故か毎回メンタルも体力もぎりぎりで苦労の連続!
これは、霊力も霊感もないただのアシスタントの俺が、日々祓い屋に寄せられる依頼と格闘する汗と涙の物語である。
★表紙イラスト・挿絵はイラストレーターの夜市様にお願いしています。
★この物語はフィクションです。実際の事件や団体、場所、個人などとはいっさい関係ありません。宗教やそれにともなう術式、伝承、神話などについては、一部独自の解釈が含まれます。
★この作品は「小説家になろう」と「ノベルアップ+」にも掲載しています。
★R-15は保険です。
【2章完結】あやかし嫁取り婚~龍神の契約妻になりました~
椿蛍
キャラ文芸
出会って間もない相手と結婚した――人ではないと知りながら。
あやかしたちは、それぞれの一族の血を残すため、人により近づくため。
特異な力を持った人間の娘を必要としていた。
彼らは、私が持つ『文様を盗み、身に宿す』能力に目をつけた。
『これは、あやかしの嫁取り戦』
身を守るため、私は形だけの結婚を選ぶ――
※二章までで、いったん完結します。
アンダーグラウンドゲーム
幽零
キャラ文芸
ただの男子高校生 紅谷(ベニヤ)は、登校中、黒服たちに襲われ拉致されてしまう。
誰が何のために造ったのか一切不明の『ラビリンスゲーム』
人々の思惑が交差する迷宮脱出ストーリー。
御協力 れもん麺 様
イラスト Fubito 様
神使キツネの魂結び~死んじゃって生き返った私、お狐お兄さんに完璧お世話されちゃってていいんですか!?~
山口じゅり(感想募集中)
キャラ文芸
結城さあやは、バイト帰りに車……ならぬ神様を乗せて移動中の神の使いであるキツネ、銀乃(ぎんの)に轢かれて死んでしまう。
しかし、さあやを轢いてしまったキツネの銀乃は、お詫びとしてさあやを生き返らせ、さあやが元気になるまでお世話してくれるという。
しぶるさあやをよそに、さあやの自宅に勝手に住み着いた銀乃。
そして、家事炊事洗濯を完璧にこなす銀乃に、さあやは結局ほだされてしまうのであった。
とりあえずキツネの銀乃と楽しいモフモフ生活を楽しんでいたさあやであったが、ある日のカフェで声をかけてきたイケメンはどこか聞いたことがある声で……
「もしかして……銀乃?」
ええっ、モフモフだと思っていたら、まさかのイケメンだったの!?
ちょっと、どういうことなの銀乃~~~!
【キャラ文芸大賞に参加しています! ぜひ投票お願いします~!】
シャ・ベ クル
うてな
キャラ文芸
これは昭和後期を舞台にしたフィクション。
異端な五人が織り成す、依頼サークルの物語…
夢を追う若者達が集う学園『夢の島学園』。その学園に通う学園主席のロディオン。彼は人々の幸福の為に、悩みや依頼を承るサークル『シャ・ベ クル』を結成する。受ける依頼はボランティアから、大事件まで…!?
主席、神様、お坊ちゃん、シスター、893?
部員の成長を描いたコメディタッチの物語。
シャ・ベ クルは、あなたの幸せを応援します。
※※※
この作品は、毎週月~金の17時に投稿されます。
2023年05月01日 一章『人間ドール開放編』
~2023年06月27日
二章 … 未定
速達配達人 ポストアタッカー 4 サバイバルファミリー 〜サトミ、除隊失敗する〜
LLX
キャラ文芸
バトルアクション。
ポストアタッカーのサトミ・ブラッドリー15才は、メレテ共和国の殲滅部隊タナトスの元隊長。
現在はロンド郵便局の速達業務を行うポストエクスプレスのポストアタッカー。
ある日、彼は夢で行方知れずだった妹と、ようやく再会する。
やっと家族と再会出来るかと思ったが、しかしなかなか家族は家に帰ってこない。
なぜだ?!それはお母ちゃんがダメダメだから。
つか、『サトミちゃんなら大丈夫!』超超放任主義の親であった。
一方その頃、隣国アルケーに潜伏していたメレテ情報部員エアーは、ある情報を掴んだ時に潜伏先に踏み込まれ、その後追っ手に逮捕されてしまう。
命ギリギリのラインで彼がもたらした情報、それは核輸送の情報だった。
軍上層部はエアーを救うため、戦時中捕虜にしていたアルケーの国防大臣の息子ガレットと交換にエアーを救おうと画策する。
しかしガレットは交換場所に向かう途中、かつての部下たちに救われ、脱走してしまう。
しかし彼はアルケーに帰らず、メレテ国内に潜伏し、復讐のためにある人物を探し始めた。
それは、自分を捕らえた上に部隊を殲滅寸前まで追い込んだ、背中に棒を背負った少年兵、サトミのことだった。
そんな事などつゆ知らず、サトミは通常業務。
しかし配達中に出会ったギルティが、彼に重大な秘密を暴露する。
果たして彼は愛する家族や可愛い妹に会えるのか?
殺し屋集団タナトスに出された命令、『生け捕り』は果たして成功するのか?
息を呑むような呑まないような、タナトスに「殺すな」の命令。
戸惑う彼らを、久しぶりにまとめ上げる事になってしまったサトミ。
ちょっと長めの今回ですが、出来れば最後までお楽しんで頂けたら小躍りします。
それではお楽しみ下さいませ。
**各話あとがきは、近況ボードをお読み下さい。
表紙絵、ご @go_e_0000 様
【意味怖】意味が解ると怖い話【いみこわ】
灰色猫
ホラー
意味が解ると怖い話の短編集です!
1話完結、解説付きになります☆
ちょっとしたスリル・3分間の頭の体操
気分のリラックスにいかがでしょうか。
皆様からの応援・コメント
皆様からのフォロー
皆様のおかげでモチベーションが保てております。
いつも本当にありがとうございます!
※小説家になろう様
※アルファポリス様
※カクヨム様
※ノベルアッププラス様
にて更新しておりますが、内容は変わりません。
【死に文字】42文字の怖い話 【ゆる怖】
も連載始めました。ゆるーくささっと読めて意外と面白い、ゆる怖作品です。
ニコ動、YouTubeで試験的に動画を作ってみました。見てやってもいいよ、と言う方は
「灰色猫 意味怖」
を動画サイト内でご検索頂ければ出てきます。
【完結】後宮の化粧姫 ~すっぴんはひた隠したい悪女ですが、なぜか龍皇陛下に迫られているのですが……?!~
花橘 しのぶ
キャラ文芸
生まれつきの顔の痣がコンプレックスの後宮妃、蘭月(らんげつ)。
素顔はほぼ別人の地味系女子だが、他の誰にも負けない高い化粧スキルを持っている。
豪商として名を馳せている実家でも、化粧スキルを活かした商品開発で売上を立てていたものの、それを妬んだ兄から「女なのに生意気だ」と言われ、勝手に後宮入りさせられる。
後宮の妃たちからは、顔面詐欺級の化粧と実家の悪名により、完全無欠の美貌を持つ悪女と思われているのだった。
とある宴が終わった夜、寝床を抜け出した先で出会ったのは、幼いもふもふ獅子の瑞獣、白沢(はくたく)。そして、皇帝―漣龍(れんりゅう)だった。
すっぴんを見せたくないのにも関わらず、ぐいぐいと迫ってくる漣龍。
咄嗟に「蘭月付の侍女である」と嘘をつくと、白沢を保護して様子を定期報告するよう頼まれる。
蘭月付の侍女として、後宮妃として、2つの姿での後宮ライフが始まっていく。
素顔がバレないよう、後宮妃としてはひっそり過ごそうと決めたものの、化粧をきっかけに他の妃たちとの距離もだんだんと縮まり、後宮内でも目立つ存在になっていって——?!
すっぴんはひた隠したい化粧姫蘭月と、そんな彼女を自分のものにしたい皇帝の中華後宮恋愛ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる