今更気付いてももう遅い。

ユウキ

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その後①

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ザザ─…ン ザザ─…ン

白い砂浜に穏やかに寄せる波。

あの葬儀から半年が経ち、やっとここまで辿り着いた。




『辞職?!宰相、それは…』
『愛娘まで亡くなって葬儀も済んだ今。私には続ける気力はございません。……以前、こうならない様にと、何度も嘆願させて頂いたかと。お忘れではないでしょう』


王の執務室で、王の向かいに座る宰相は、慇懃な態度を崩さず、辞職を願い出る。


『そうだが……折角の文官のトップの職を捨てなくとも良いではないか?』
『身の内に不安要素を飼わなくとも良いでしょう。…あぁ、貴族への説明ですか?殿下がご提案なさった“国外追放”などは如何でしょう?誓って二度と国の地を踏まないことを、喜んでお約束致しましょう』


微笑みのままに、痛烈に当て擦る宰相の目は鋭さを増していく。あれほどにオフィーリアの状況を訴え、改善を嘆願しても、「若さゆえの可愛い過ち」と、軽視したが故の結果でもあると、王はまだ理解していないのかもしれなかった。


『ぐっ……其方の怒りは理解した。そこまで言うならば辞職を受ける……受けざるを得ないのだろうな』
『ご配慮痛み入ります。次期候補は宰相一級補佐官からご自由に任命下さい』
『……本気なのだな』
『冗談の通じる男だとでもお思いでしたか?』


心外だと鼻で嘲る宰相に、王は一層顔を暗くさせて項垂れた。


『国外追放にはせん。……すまなかった』
『頭を上げてください。謝罪は結構です。今後の発展を、静かに見守らせていただきます』


一応の礼をして席を立った宰相…元宰相は、足早に執務室を出ると、馬車止めに向かう為に王宮の廊下を進む。

急遽宰相交代の指示が出て、てんやわんやになるだろうと考えながら。

一級補佐官は現在4人いる。どれも有能ではあるが、いかんせん我が強いのだ。まずそこで揉め、仕事が一部滞り、その間に爵位を明け渡して国外へ出る予定である。

拙い案件が出始め、手を貸してくれと言う頃に姿がないと知り、慌て騒げば良い。
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