帰国した王子の受難

ユウキ

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「やったぁぁぁ!苦労した甲斐があったわ!不遇の第二王子エリアルト様っ!あなたのマーガレットはここよぉぉぉ!」


なんなんだアレは(二度目)。
は?不遇?何言ってやがる。


「エリアルトだと?!おお、帰ったのか。息災そうで何よりだ」
「あー、エリ兄上!久しぶりぃ!」


え?今の奇声や醜態は、無かったことにするのか?お前ら大丈夫か??!


「静かに。兄上含むそこな五名を各部屋に分けて謹慎、並びに被害を受けたゴーダイル侯爵令嬢を別室へお連れしてくれ」

「エリアル!貴様、何を勝手なっ」
「勝手ではございません。この場の差配は陛下にご許可をいただいております。反抗は陛下への叛逆と捉えますのでご理解ください」

「エリ兄上っなんでそんなこと」
「エリアルトさまぁぁぁぁ」


聞こえてないのか、静まる気配のない五人を無視して、俺は強く指示を出した。


「早くお連れしろっ」


近衛騎士、警備で配置されていた一部の騎士が騒動の中心達を丁重に連れ出していく。


会場の扉を出たところで、残った者達に礼をして身分を明かし、取り敢えず帰還の挨拶をしてこの度の騒ぎを陳謝し収めた。


本人不在のままではあるが、代わりに俺が立ち帰還を祝う夜会に変えて続行された。
のちから登場した陛下もひとまず騒動を詫びて、仔細は追って通知すると仰った。

そして早々に切り上げ、問題の中心であった者達を一室に集めて話し合いを行うことにした。
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