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朝から薬草摘みに行って皆で食事の準備を進める事にした。食事パートは子供達の家でサロが中心に準備。デザートはスティラの家でスノウとラケルも手伝い準備に励む。もうそろそろ出来上がる頃に、ロブが勢いよく飛び込んできた。
「スティラさーん!母ちゃん帰って来たー!」
「ノックぐらいせんかー!バカタレー!」
「あ、やっべ」
「全く…」とぶつぶつ言いながらスティラはデザートの仕上げにかかった。
準備も終えてタルトやコンポートを沢山持って子供達の家に向かう。
小さなスノウは、お手伝いしたくて手を差し出したけれそ、苦笑したラケルにウサギのぬいぐるみを手渡されてしまった。
サクサクと雪を踏む足音がスノウの心を沈ませる。
みんな離れてまた1人になって……クリスティーナが迎えに来るまでずっと1人になったらどうしよう。
クリスティーナは本当に来てくれるんだろうか?ラケルも皆居なくなってしまうのでは無いか?
そこはかとない不安が、小さな胸を静かに押しつぶす様だった。
「スノウ、大丈夫ですか?」
ラケルの声にハッとしたスノウは、取り繕った笑顔を張り付けてなんとか「大丈夫だよ」とだけ返した。
いよいよ子供達の家に着いたスノウ達。スティラが扉をドンドンとノックする。
「はーーーーいどうぞーーー!!」
中から来客の確認もしない声が返ってきて、「やれやれ」と苦い笑みを浮かべたスティラがドアノブを回して中へと踏み入る。
「来客の確認くらいしなっ」
中は一層賑やかな音に満ちていて、スティラの苦言も笑って流されていった。皆は暖炉の前に集まって囲んでいて、それどころでは無い様だ。
「スティラさん、ありがとー、こっち置いてくれ」
「おおー、良い匂い!タルト?久々~」
「イーサン、二ドル。見ないうちにでかくなったねー。これ任せたよ」
持ってきたコンポートやタルトを、寄ってきた2人に預ける。薬を卸に行っていた2人もちょうど返ってきていた様だ。2人がスノウとラケル、護衛の男に気付いて声をかける前に横から大きな声が掛かった。
「スティラさーーーーん!ありがとね、ほんと助かったわー!早くこっち来て顔を見てやって~!」
「はいはい、ちょっと炊事場借りるよ。手を洗わなきゃだからね」
「スティラさーん!母ちゃん帰って来たー!」
「ノックぐらいせんかー!バカタレー!」
「あ、やっべ」
「全く…」とぶつぶつ言いながらスティラはデザートの仕上げにかかった。
準備も終えてタルトやコンポートを沢山持って子供達の家に向かう。
小さなスノウは、お手伝いしたくて手を差し出したけれそ、苦笑したラケルにウサギのぬいぐるみを手渡されてしまった。
サクサクと雪を踏む足音がスノウの心を沈ませる。
みんな離れてまた1人になって……クリスティーナが迎えに来るまでずっと1人になったらどうしよう。
クリスティーナは本当に来てくれるんだろうか?ラケルも皆居なくなってしまうのでは無いか?
そこはかとない不安が、小さな胸を静かに押しつぶす様だった。
「スノウ、大丈夫ですか?」
ラケルの声にハッとしたスノウは、取り繕った笑顔を張り付けてなんとか「大丈夫だよ」とだけ返した。
いよいよ子供達の家に着いたスノウ達。スティラが扉をドンドンとノックする。
「はーーーーいどうぞーーー!!」
中から来客の確認もしない声が返ってきて、「やれやれ」と苦い笑みを浮かべたスティラがドアノブを回して中へと踏み入る。
「来客の確認くらいしなっ」
中は一層賑やかな音に満ちていて、スティラの苦言も笑って流されていった。皆は暖炉の前に集まって囲んでいて、それどころでは無い様だ。
「スティラさん、ありがとー、こっち置いてくれ」
「おおー、良い匂い!タルト?久々~」
「イーサン、二ドル。見ないうちにでかくなったねー。これ任せたよ」
持ってきたコンポートやタルトを、寄ってきた2人に預ける。薬を卸に行っていた2人もちょうど返ってきていた様だ。2人がスノウとラケル、護衛の男に気付いて声をかける前に横から大きな声が掛かった。
「スティラさーーーーん!ありがとね、ほんと助かったわー!早くこっち来て顔を見てやって~!」
「はいはい、ちょっと炊事場借りるよ。手を洗わなきゃだからね」
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