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冬も深まり雪の厚みが増した頃。
スノウは森の兄弟達と薬草摘みに出かけていた。


「クリスティーナさんが贈ってくれたこれ、ホントあったかいな!」
「うんうん、ポカポカ~。もう手放せない~」


寒いので遠くない距離の薬草や果実を摘みながら、サロやナットがクリスティーナからの贈り物に触れながら嬉しそうに言った。


「スノウの真っ白なのも良いね」
「うん、ありがと」


今日は皆お揃いのイヤーマフラーを付けて、その暖かさに喜びの声をあげている。

スノウはクリスティーナがあれから色々物資を送る中で防寒具も多く入れた。勿論スノウの物は別で仕立てた物であるが、兄弟達にも緑や茶色、オレンジなどのイヤーマフラーや手袋、コートなどを贈ったのだ。

そんな贈り物中から、スノウが着たのはライトブルーのダッフルコート。白のモコモコが暖かくてボタンを留めれば立ち襟になるタイプだ。

耳には真っ白なイヤーマフラーだが、兄弟達と違ってリボン飾りが付いていて愛らしい一品。クリスティーナが見たら雪の上でゴロゴロ転がって悶絶したであろう可愛さである。
本当はうさ耳か猫耳イヤーマフラーを作成したかったのだが、技術が追いつかずに断念したのは全くの余談である。


「今日は母ちゃん達が帰ってくるから、果実は多めになー」

「「「おー!」」」



出産を無事終えた子供達の母は、1ヶ月半の不在を経て家に帰ってくるのだ。


「弟かな~?」「妹かな~?」


ウキウキと沸き立つ兄弟達は久々の両親の帰還に喜びを隠しきれずに、時々足を跳ねさせてさえいる。

本当の両親と言うものを見たことのないスノウは、身の置き所がなくてついソワソワしてしまう。
今はスティラの家で寝起きしているスノウだったが、日中は時々兄弟達と一緒に薬草摘みに行ったり、雪遊びをして遊んだりもしていた。

両親が帰って来たら余所者であるスノウは、その中に入れるはずもないのは分かっている。

兄弟達の浮かれる気持ちとは裏腹に1人憂鬱になって小さくため息を吐いた。
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