50 / 63
50.
しおりを挟む
一方その頃のスノウは……
「スノウは細かいところもちゃんと分かる偉い子だねぇ。どれ、薬作りのお手伝いもするか」
「……うん!」
クリスティーナを見送ってからのスノウは、スティラの言うことをちゃんと聞いて、お料理の小さな手伝いや、お掃除のお手伝いを積極的に行っていた。
時間が開空けば、ラケルが遅れないように勉強をみた。天気の良い日には護衛の近衛騎士とラケルと一緒に家からごく近い距離を散歩もした。
クリスティーナが城へ戻って寂しさで萎れていたスノウだったが、初めての事がいっぱいに詰まった生活に段々と楽しみを見出していた。
まず王宮でのあまり外に出ない生活から、いつでも家を出れば自然に触れて遊ぶ事ができる生活に。大人ばかりに囲まれ環境から、同年代の子供と初めてのことにびっくりしながらも笑い合える環境に。
これだけでも萎れていた心を少しずつ持ち直すには十分だった。その上スティラに褒められながら家事の手伝いをするのはとても楽しく、クリスティーナも勉強したと言う薬学のお手伝いも出来るらしい。
スノウは子供らしい笑顔を浮かべて、森での生活を楽しむことができた。
勿論彼女の笑顔を取り戻させた最大の要因の一つは、クリスティーナでもあった。
「スノウ、クリスティーナ様から色々が届きましたよ~」
「!!」
クリスティーナからの贈り物は多岐にわたるが、スノウ宛の手紙が一番彼女の笑顔を輝かせた。
「ラケル……あの、」
手紙を大事そうに受け取って胸に当てると、スノウはラケルを控えめに見上げる。
「一緒に、読んで欲しいの」
「はい、勿論でございます」
まだ長文を読むのは難しいスノウ。こうして暖炉の前に座ったラケルの膝に座り、クリスティーナからの手紙に何度も目を通すのが一番の楽しみであった。
「お返事、書きたい」
「いつでも手配いたしますので、ゆっくりとお書きくださいね」
「うん、わかった」
「スノウは細かいところもちゃんと分かる偉い子だねぇ。どれ、薬作りのお手伝いもするか」
「……うん!」
クリスティーナを見送ってからのスノウは、スティラの言うことをちゃんと聞いて、お料理の小さな手伝いや、お掃除のお手伝いを積極的に行っていた。
時間が開空けば、ラケルが遅れないように勉強をみた。天気の良い日には護衛の近衛騎士とラケルと一緒に家からごく近い距離を散歩もした。
クリスティーナが城へ戻って寂しさで萎れていたスノウだったが、初めての事がいっぱいに詰まった生活に段々と楽しみを見出していた。
まず王宮でのあまり外に出ない生活から、いつでも家を出れば自然に触れて遊ぶ事ができる生活に。大人ばかりに囲まれ環境から、同年代の子供と初めてのことにびっくりしながらも笑い合える環境に。
これだけでも萎れていた心を少しずつ持ち直すには十分だった。その上スティラに褒められながら家事の手伝いをするのはとても楽しく、クリスティーナも勉強したと言う薬学のお手伝いも出来るらしい。
スノウは子供らしい笑顔を浮かべて、森での生活を楽しむことができた。
勿論彼女の笑顔を取り戻させた最大の要因の一つは、クリスティーナでもあった。
「スノウ、クリスティーナ様から色々が届きましたよ~」
「!!」
クリスティーナからの贈り物は多岐にわたるが、スノウ宛の手紙が一番彼女の笑顔を輝かせた。
「ラケル……あの、」
手紙を大事そうに受け取って胸に当てると、スノウはラケルを控えめに見上げる。
「一緒に、読んで欲しいの」
「はい、勿論でございます」
まだ長文を読むのは難しいスノウ。こうして暖炉の前に座ったラケルの膝に座り、クリスティーナからの手紙に何度も目を通すのが一番の楽しみであった。
「お返事、書きたい」
「いつでも手配いたしますので、ゆっくりとお書きくださいね」
「うん、わかった」
25
お気に入りに追加
2,751
あなたにおすすめの小説




魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
マーベル子爵とサブル侯爵の手から逃げていたイリヤは、なぜか悪女とか毒婦とか呼ばれるようになっていた。そのため、なかなか仕事も決まらない。運よく見つけた求人は家庭教師であるが、仕事先は王城である。
嬉々として王城を訪れると、本当の仕事は聖女の母親役とのこと。一か月前に聖女召喚の儀で召喚された聖女は、生後半年の赤ん坊であり、宰相クライブの養女となっていた。
イリヤは聖女マリアンヌの母親になるためクライブと(契約)結婚をしたが、結婚したその日の夜、彼はイリヤの身体を求めてきて――。
娘の聖女マリアンヌを立派な淑女に育てあげる使命に燃えている契約母イリヤと、そんな彼女が気になっている毒舌宰相クライブのちょっとずれている(契約)結婚、そして聖女マリアンヌの成長の物語。

愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。

追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる