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飛び込んでくるクリスティーナを、フォークを持ったまま喜びと驚きでポカンと見つめるスノウ。
あっという間に座っている横からタックルされ、いつの間にかぎゅーぎゅーと苦しいほどに抱きしめられていた。
「うちの子に何すんのよー!!」
腕の中に天使を閉じ込めたクリスティーナは、別の皿を手にしながら呆れた顔したスティラをきっと睨みつける。
「何……って失礼だねあんた。皆んなで菓子を食べてただけだよ」
「か、菓子?嘘よ、そそそそそれ、毒林檎じゃないの?」
「やれやれ、確かに見た目はアレだけど、毒なんか入っちゃないよ。みんな食べてんだろ?」
クリスティーナはそう言われてやっと周りに目を向ける。テーブルにスノウの他2人、ナットとロブが皿の上のリンゴにフォークで大きく切り込み、齧り付いている。
後ろのリビングであろうところのラグの上でも2人、モグモグと1人騒ぐクリスティーナを眺めながらも手を止めずに口に運び続けている。
「…………ご、ごめんなさ、い?」
「全くだ。そんなに気になるならあんたも食べると良い。今日は山ほどあるからね」
改めて目の前に立つ人物、スティラをまじまじと観察する。
白髪混じりの長く癖のある薄茶の髪。皺のある目元は少々吊り気味で細いが、瞳は凛とした光を宿している。黒いフード付きローブを着ている。その姿はまさに──
「…………魔女?」
「なんだあんた。アタシを知ってんのかい。“森魔女のスティラ”はアタシのことさね」
ポツリと何気に呟く声に、スティラは鷹揚に頷き名乗る。
「あ、どうも。クリスティーナです」
徹夜明けの混乱気味な頭で、何とか名乗り返したクリスティーナ。頭の中は現在“魔女”と“強制力”と“毒なし毒林檎菓子?”で堂々巡り中で、そろそろ目を回す勢いだ。
「そんなことよりそろそろ解放してやんな。スノウがあんたの胸で窒息死しちまうよ」
その言葉でハッとした時には、時すでに遅く。幸せと衝撃と圧迫のトリプルコンボを食らったスノウは
「キュゥ……」
「いやぁぁ、スノウたーーーーん!!」
真っ赤な顔でクリスティーナの胸で目を回してしまっていたのだった。
(((((スノウ“たん”??)))))
みんなはその瞬間頭の上に「?」を浮かべたが、騎士を連れて現れた騒がしいクリスティーナに口を挟む者は、居なかった。
コトリと音を立てて、クリスティーナの前に皿が置かれる。
その皿には先ほど彼女が「毒林檎」と言ってしまった、赤黒くて表面がツヤっとした林檎が鎮座している。
どうやら煮込まれているらしいそれは、甘く独特な香りが鼻をくすぐる。
渡されたフォークで表面を突くと、フニャリと柔らかい感触を返しながら突き進んでいく。
「わぁ、柔らかいっ」
フォークの側面で一口大に切り分けると、中も赤く色付いている。思い切って口に入れてみると、ほのかに蜂蜜が香る甘味と鼻から抜ける華やかな香りが堪らない逸品だ。
「この赤みはワインですか?それにシナモンもお使いなのですね」
「丁度貰いもんがあってね。十分煮込んでるから酒精は飛んでるだろ」
「えぇ、美味しいわ!スノウも手伝ったんですって?偉いのねっ」
直ぐに気を取り戻したスノウはクリスティーナの隣で、照れて俯いた。
あっという間に座っている横からタックルされ、いつの間にかぎゅーぎゅーと苦しいほどに抱きしめられていた。
「うちの子に何すんのよー!!」
腕の中に天使を閉じ込めたクリスティーナは、別の皿を手にしながら呆れた顔したスティラをきっと睨みつける。
「何……って失礼だねあんた。皆んなで菓子を食べてただけだよ」
「か、菓子?嘘よ、そそそそそれ、毒林檎じゃないの?」
「やれやれ、確かに見た目はアレだけど、毒なんか入っちゃないよ。みんな食べてんだろ?」
クリスティーナはそう言われてやっと周りに目を向ける。テーブルにスノウの他2人、ナットとロブが皿の上のリンゴにフォークで大きく切り込み、齧り付いている。
後ろのリビングであろうところのラグの上でも2人、モグモグと1人騒ぐクリスティーナを眺めながらも手を止めずに口に運び続けている。
「…………ご、ごめんなさ、い?」
「全くだ。そんなに気になるならあんたも食べると良い。今日は山ほどあるからね」
改めて目の前に立つ人物、スティラをまじまじと観察する。
白髪混じりの長く癖のある薄茶の髪。皺のある目元は少々吊り気味で細いが、瞳は凛とした光を宿している。黒いフード付きローブを着ている。その姿はまさに──
「…………魔女?」
「なんだあんた。アタシを知ってんのかい。“森魔女のスティラ”はアタシのことさね」
ポツリと何気に呟く声に、スティラは鷹揚に頷き名乗る。
「あ、どうも。クリスティーナです」
徹夜明けの混乱気味な頭で、何とか名乗り返したクリスティーナ。頭の中は現在“魔女”と“強制力”と“毒なし毒林檎菓子?”で堂々巡り中で、そろそろ目を回す勢いだ。
「そんなことよりそろそろ解放してやんな。スノウがあんたの胸で窒息死しちまうよ」
その言葉でハッとした時には、時すでに遅く。幸せと衝撃と圧迫のトリプルコンボを食らったスノウは
「キュゥ……」
「いやぁぁ、スノウたーーーーん!!」
真っ赤な顔でクリスティーナの胸で目を回してしまっていたのだった。
(((((スノウ“たん”??)))))
みんなはその瞬間頭の上に「?」を浮かべたが、騎士を連れて現れた騒がしいクリスティーナに口を挟む者は、居なかった。
コトリと音を立てて、クリスティーナの前に皿が置かれる。
その皿には先ほど彼女が「毒林檎」と言ってしまった、赤黒くて表面がツヤっとした林檎が鎮座している。
どうやら煮込まれているらしいそれは、甘く独特な香りが鼻をくすぐる。
渡されたフォークで表面を突くと、フニャリと柔らかい感触を返しながら突き進んでいく。
「わぁ、柔らかいっ」
フォークの側面で一口大に切り分けると、中も赤く色付いている。思い切って口に入れてみると、ほのかに蜂蜜が香る甘味と鼻から抜ける華やかな香りが堪らない逸品だ。
「この赤みはワインですか?それにシナモンもお使いなのですね」
「丁度貰いもんがあってね。十分煮込んでるから酒精は飛んでるだろ」
「えぇ、美味しいわ!スノウも手伝ったんですって?偉いのねっ」
直ぐに気を取り戻したスノウはクリスティーナの隣で、照れて俯いた。
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