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婚姻休暇も終わり、王妃業本格始動か~とかのんびり思っていると、ミラ達侍女が王妃に与えられた執務室で頭を下げて待ち構えていた。


「お、おはよう?どうしたのミラ」
「本日も輝くばかりに麗しく、王妃殿下。……ご報告がございます」


頭を下げて申し訳なさそうに話す鉄壁無表情侍女ミラが述べたのは、王宮の備品購入の水増し請求、横領・横流しと言った隠れた悪事の数々だった。

直近の仕入れや在庫確認、使用履歴の洗い出しでそんなに出るとは思っていなかったのだが、流石アナログ世界と言ったら良いのか。

グラフ化したら多少出るかな?くらいに思っていたクリスティーナも初っ端から発覚するとは想定外だった。


「え、資金源……」
「はい、一応とスノウ様に割り当てられた資金が……」


まあ、そうだろうな。とは予想していたものの、目の当たりにするとなんとも言えなくなるのが常と言うものだろうか。


「帽子じゃなくて態々布を被ってる時点でおかしいとは思っていたから、少しは予想していたけれど。味をしめちゃったのかしらね?要らない人はサクッと整理しちゃって。調査と返金は保安部に押し付けましょう」


王妃業1日目でコレとは頭が痛い……とボヤきそうなクリスティーナであったが嵐の前触れだった様で、公務に加えて王宮使用人の一斉整理、新規人材確保と手配……etcが加わり、美幼女との戯れライフは一向に訪れる気配を見せなかった。


そんな日々も少しの落ち着きを見せ、やっとスノウとの対面する日が迎えられたのは間も無く半年に到達しようか、という頃だった。


「美幼女が美少女になってしまう……」


と、半年間何度心で呟いただろうか。
スノウの私室である白扉の前でやっと辿り着けたことに感動しながら、侍女のミラと共に念願のスノウの私室へと足を踏み入れた。

足を踏み入れた部屋は、白を基調とした子供部屋と言うには簡素に思える部屋だった。
生まれるまで性別が分からないので、基本セットを揃えて生まれてから性別に沿って色々付け加える予定だったのだろう。


生まれた瞬間に見放されてしまう事になったけれど。


カーテンが無造作に閉じられていて、微妙に薄暗い。クリスティーナは一緒に続いて部屋に入っていたミラに全て開け放つ様に指示を出す。ついでに空気も入れ替えても良いかもしれない。

ミラも同じく思ったのか、何枚かの窓は少し開いて外気を取り込んでいる。

さわやかな秋風がふわりと入り、陰気な雰囲気までも和らいだ気がするのが不思議だ。
さて、目的の美幼女は何処かしら~?と部屋を見渡すと、一番部屋の隅っこだけカーテンがそのままで不自然に丸まっていた。
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