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「くそぅ、キラ顔の悪魔め……」
ちょっと前に同じ様な事を呟いていた気がするな、とどうでもいい事を考えながら、渋々お仕事に向かうアシェリードをベッドの上でなんとか見送ったクリスティーナは、やはりその日の午後にやっとこそさ這い出て身支度をした。
「王妃殿下、こちら補佐につきましたラケル、クロル、アトリでございます」
早速ミラが見繕った補佐兼専属侍女3人が連れてこられ、王妃の居室にて紹介される。
並んだ3人は従順そうな良い娘に見える。
「そう、仕事が早いわねミラ。早速だけれど貴方達にお仕事を任せたいの。采配はミラに任せるから頼むわね」
「「「はい、王妃殿下」」」
まず頼んだのは現在の王宮の人員配置把握とリスト化、そしてスノウの一日の過ごし方や周りの環境だった。
思い立ったが吉日!とばかりにサクッと環境改善、美幼女と戯れライフをしようと思っていたクリスティーナだったのだが、日が暮れてくるとどんなに取り込み中でもご機嫌なアシェリードに寝室に引き摺り込まれ、翌日昼頃まで籠もらざる得ない状況のせいで思う様に進められなかった。
「業務改革しましょう」
「王妃殿下……?」
栄養ドリンクが代わりの効能の高い薬草青汁を一気飲みしたクリスティーナは、そう宣った。
「まず現状把握するのに、全部文章だけで纏めるのに無理があるし、前日の続きをするのに読み込み直していたら進みが悪いし」
「「「「はぁ……」」」」
まずは資料の規格統一化で雛形を作り、部署ごとに分けられた箱に情報更新があった場合に箇条書きで書き込んでポストしてもらうことに。
同じ様に備品管理も雛形を作り、要らん文言を削除。何が何処にどれだけ必要かを調べて定期購入出来るところはする。変動がある部分は都度申請用紙の提出し、部署ごとにファイリング。
過去の分は所定の文書保管室で管理することに決めさせた。
これはクリスティーナがユイマール領で行なっている事業を立ち上げる際に決めた仕組みだった。
理由は貴重な薬草の横流し、取り扱い注意な薬品の紛失や悪意のある二次流用などの防止のためであった。透明化する事で、誰でもわかる管理体制となり、結果引き継ぎもスムーズにできたのだ。
反発もあるだろうからと、クリスティーナはアシェリードに事前に相談して承認をもらって黙らせることにした。
しかしそうして導入させた新体制は、知らぬところで威力を発揮して思わぬ副産物を生み出していくのだが、その時の彼女は知る由もない。
ちょっと前に同じ様な事を呟いていた気がするな、とどうでもいい事を考えながら、渋々お仕事に向かうアシェリードをベッドの上でなんとか見送ったクリスティーナは、やはりその日の午後にやっとこそさ這い出て身支度をした。
「王妃殿下、こちら補佐につきましたラケル、クロル、アトリでございます」
早速ミラが見繕った補佐兼専属侍女3人が連れてこられ、王妃の居室にて紹介される。
並んだ3人は従順そうな良い娘に見える。
「そう、仕事が早いわねミラ。早速だけれど貴方達にお仕事を任せたいの。采配はミラに任せるから頼むわね」
「「「はい、王妃殿下」」」
まず頼んだのは現在の王宮の人員配置把握とリスト化、そしてスノウの一日の過ごし方や周りの環境だった。
思い立ったが吉日!とばかりにサクッと環境改善、美幼女と戯れライフをしようと思っていたクリスティーナだったのだが、日が暮れてくるとどんなに取り込み中でもご機嫌なアシェリードに寝室に引き摺り込まれ、翌日昼頃まで籠もらざる得ない状況のせいで思う様に進められなかった。
「業務改革しましょう」
「王妃殿下……?」
栄養ドリンクが代わりの効能の高い薬草青汁を一気飲みしたクリスティーナは、そう宣った。
「まず現状把握するのに、全部文章だけで纏めるのに無理があるし、前日の続きをするのに読み込み直していたら進みが悪いし」
「「「「はぁ……」」」」
まずは資料の規格統一化で雛形を作り、部署ごとに分けられた箱に情報更新があった場合に箇条書きで書き込んでポストしてもらうことに。
同じ様に備品管理も雛形を作り、要らん文言を削除。何が何処にどれだけ必要かを調べて定期購入出来るところはする。変動がある部分は都度申請用紙の提出し、部署ごとにファイリング。
過去の分は所定の文書保管室で管理することに決めさせた。
これはクリスティーナがユイマール領で行なっている事業を立ち上げる際に決めた仕組みだった。
理由は貴重な薬草の横流し、取り扱い注意な薬品の紛失や悪意のある二次流用などの防止のためであった。透明化する事で、誰でもわかる管理体制となり、結果引き継ぎもスムーズにできたのだ。
反発もあるだろうからと、クリスティーナはアシェリードに事前に相談して承認をもらって黙らせることにした。
しかしそうして導入させた新体制は、知らぬところで威力を発揮して思わぬ副産物を生み出していくのだが、その時の彼女は知る由もない。
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