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── 王妃様が儚くなられた ──
その一報が流れたのは、ある雪の降る日の事だった。
それから数日後、雪がちらつく中王妃の葬儀を執り行われた。
王妃を慈しんでいた国王は、王妃の亡骸が収められた棺を憂いをたたえた瞳で見つめ、1歳になったばかりの王女は黒いベールを頭かけ乳母に抱かれながら国葬に参列された。
国民も悲しみに沈み、街中の至る所に喪に服す事を示す黒い布や簡素なリボンが飾られた。
そんな悲しみに沈む1年が過ぎ、喪が明けてまた1年程過ぎた頃、ある貴族女性の元に国の貴族なら誰もが知る印が押された書簡が届く。
寝耳に水とばかりにその書簡を震える手で受け取り、恐る恐る開けた中に書かれた長すぎる文を要約した彼女は…………
令嬢にあるまじきことに、綺麗に白目を剥いて卒倒したのだった。
自他ともの認めるほど身体の丈夫さがウリだと豪語していた彼女が目を剥いて倒れ、慌てた周囲の者が取り乱しながら駆け寄る中、彼女の幼い頃から家に仕えていた初老の執事は、彼女の手から滑り落ちていた書簡を丁寧な手つきで拾い上げる。
緊急事態とばかりに慌てる使用人に少々眉を顰めながらも、拾い上げた書簡の内容が偶然目に入りこんできてしまった彼は、得意の速読スキルのせいで一瞬で読み切ってしまう。
そして次の瞬間、顔を青くする。
「……こ、これは、たたたた大変でっ」
常に冷静でスマートな身のこなしの執事が泡を食っているのにも気づかない周囲は、勿論その後彼が足をもつれさせながらも走り去る事にも気づかなかった。
「だんんんなさまぁぁぁぁ!大変でございますっ!!!」
[ 貴女は次の王妃として選出された ]
つまり、そういう事が書かれていたのだった。
───────────────
<後書き>
長いタイトルへのパッションはまだ冷めやらないので、突然変更する可能性あります(笑
その一報が流れたのは、ある雪の降る日の事だった。
それから数日後、雪がちらつく中王妃の葬儀を執り行われた。
王妃を慈しんでいた国王は、王妃の亡骸が収められた棺を憂いをたたえた瞳で見つめ、1歳になったばかりの王女は黒いベールを頭かけ乳母に抱かれながら国葬に参列された。
国民も悲しみに沈み、街中の至る所に喪に服す事を示す黒い布や簡素なリボンが飾られた。
そんな悲しみに沈む1年が過ぎ、喪が明けてまた1年程過ぎた頃、ある貴族女性の元に国の貴族なら誰もが知る印が押された書簡が届く。
寝耳に水とばかりにその書簡を震える手で受け取り、恐る恐る開けた中に書かれた長すぎる文を要約した彼女は…………
令嬢にあるまじきことに、綺麗に白目を剥いて卒倒したのだった。
自他ともの認めるほど身体の丈夫さがウリだと豪語していた彼女が目を剥いて倒れ、慌てた周囲の者が取り乱しながら駆け寄る中、彼女の幼い頃から家に仕えていた初老の執事は、彼女の手から滑り落ちていた書簡を丁寧な手つきで拾い上げる。
緊急事態とばかりに慌てる使用人に少々眉を顰めながらも、拾い上げた書簡の内容が偶然目に入りこんできてしまった彼は、得意の速読スキルのせいで一瞬で読み切ってしまう。
そして次の瞬間、顔を青くする。
「……こ、これは、たたたた大変でっ」
常に冷静でスマートな身のこなしの執事が泡を食っているのにも気づかない周囲は、勿論その後彼が足をもつれさせながらも走り去る事にも気づかなかった。
「だんんんなさまぁぁぁぁ!大変でございますっ!!!」
[ 貴女は次の王妃として選出された ]
つまり、そういう事が書かれていたのだった。
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<後書き>
長いタイトルへのパッションはまだ冷めやらないので、突然変更する可能性あります(笑
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