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サイドストーリー(蛇足)・前日譚 侯爵家の事情
嫁捕獲作戦へ
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執務机の上の呼び鈴を勢いよく鳴らす。
慌ててやってきた執事長に、持っていた資料をバサリと手渡した。
「旦那様?お決まりで??」
「ああ!此処にするぞ、調べるように手配してくれ!」
「えぇっと?これに載っている商品以外を?でしょうか??」
「そうだ!娘を調べるんだ」
「だ、旦那様っっ、なんて事を……!」
「なんだ、何を泣いている?この家に縁談が可能か探るんだ!急げ!!」
涙を浮かべて青褪た執事長は、「あぁ、其方でございますか」とホッと安堵の息を吐いて即座に行動すべく、部屋を出ていった。
数日後、結果を見てほくそ笑んだ。
「娘は2人で、どちらも未婚。商会の手伝いで書類関係も処理している様だ……と。どちらも評判も良く、器量良し……うむうむ」
血統主義に反するが、崖っぷちな婚約状況を脱せるならそれも目を瞑ろう。
「ん……竹を鋭く割ったような性格?なんだこれは?まぁ良い」
評判が良いなら、性格も問題なしだろうと、調査書類を机へ置いて、次に伯爵へのカードを揃えるとした。
「商会を運営しているなら、関税を最低にまで下げる。……と、以前に目をつけられた商品の独占販売権。この2つでなんとかなる……か?」
そして盛り込んでおきたいのは
【互いに責任を問わない】という項目だ。
なぜなら、あいつは絶対やらかす。
結婚までは2人だけにはさせない様に気をつけるが、結婚後はそうもいかん。絶対何かやらかす。
それを追求されないための措置が必要だ。
“伯爵側に責を問わない”と誤認してくれれば、飲むのではないか?
「よし……よし。これで行くぞ。早速書類を作ろう。その間に伯爵に接触できる機会を窺わなければっ」
契約書類、婚前契約書も全て揃うまでに時間がかかる。その間に動向を調べなければ、いつ売れてしまうか判ったものではないからな。
さらに1ヶ月後
「そうか、あの夜会に。私も参加しよう。招待状を秘密裏に手配してくれ。礼はすると言っておけ」
「かしこまりました」
よし、これで何とかなる……はず。
もう見合いと悠長にはせん。即結婚だ。
「旦那様、招待状が確保できたとのことです」
「よし、よくやった!」
さぁ、未来の侯爵家のためにも、絶対に捕まえてみせるぞ!
慌ててやってきた執事長に、持っていた資料をバサリと手渡した。
「旦那様?お決まりで??」
「ああ!此処にするぞ、調べるように手配してくれ!」
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「だ、旦那様っっ、なんて事を……!」
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なぜなら、あいつは絶対やらかす。
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「旦那様、招待状が確保できたとのことです」
「よし、よくやった!」
さぁ、未来の侯爵家のためにも、絶対に捕まえてみせるぞ!
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