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サイドストーリー(蛇足)・前日譚 侯爵家の事情
政略結婚を振るに至った経緯
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ハインズ侯爵家当主である私は、頭を抱えていた。
「あんのっっっっ、バカ息子~~っっ!」
何とか方々の伝を使って、縁談を纏めてきたにもかかわらず、「真実の愛」発言を放ちおった!
もぅ噂は広がっている。
家格の釣り合いが取れて、動向に不審なところがなく、良識的な家は全滅と言えた。
始まりはバカ息子が騎士を目指すと言い出して、士官学校に入った後だ。
友人たちと街へと繰り出し、平民の女に引っかかった。
『父上!俺は彼女と結婚したいんだ!心は……愛は何ものにも縛られない、自由だろ!』
── なんなのだ、そのキメ顔は。
あまりの発言に脳内は発言への処理を拒否して、そんなことしか浮かばなかったくらいであった。
ちょっと間を置いて、再起動してからすぐに反論したが。
『認めんっ!馬鹿も休み休み言えっ』
それから悪夢は始まった。
学校を卒業しても見合いを断り続け3年。24にもなって未だにあの平民と切れるどころか、囲おうとしている。
侯爵家名義の別邸に出入りしてバレないと思っているのか……馬鹿さ加減に頭が痛い。
救いは子が出来ていないところだろうか。
もうすぐあやつも25歳。どんなに頑張っても血の呪いか子供が出来にくく、あのバカ息子以外に子はいない。
最悪妻以外に女を迎えることも考えたが、いかんせん自分も歳だ。それに妻ではなく、自身に問題がある可能性も否めないのに、余計な火種は回避したい。
「ぐぬぬ…」
「旦那様、領地での狩猟会の土産物ですが、何にいたしましょう?」
「あ、ああ。もうそんな時期か……」
治める侯爵領では、領地の代官や親戚筋を集めて年に一度、感謝の意を込めた狩猟会を行っている。
全て此方で用意するが、持ち帰りの土産物までも勿論用意するのだ。
「王都で珍しい……今はやっているものは……」
「此方に各種商会別の取扱商品一覧を集めておきました。気になるものがあれば仰ってください」
「どれ…結構あるな。目を通しておこう」
恭しく一礼して、長らく仕えてくれている執事長は下がっていった。
「ふむ……色々あるな。ロクザンヌ商会……アルベルト……レブンズ商会……」
様々な商品。そういえば話題に上がったなと、社交でうろ覚えな物もあった。
ん?
ガサガサと商会の資料を探る。
「……ここは……そうだ。いや、でも……」
その商会の資料を手に、また頭を抱えて悩む。
散々悩んで考えたが、一つ言えることがあるとすれば
「後がない」
この一言に尽きるだろう。
「あんのっっっっ、バカ息子~~っっ!」
何とか方々の伝を使って、縁談を纏めてきたにもかかわらず、「真実の愛」発言を放ちおった!
もぅ噂は広がっている。
家格の釣り合いが取れて、動向に不審なところがなく、良識的な家は全滅と言えた。
始まりはバカ息子が騎士を目指すと言い出して、士官学校に入った後だ。
友人たちと街へと繰り出し、平民の女に引っかかった。
『父上!俺は彼女と結婚したいんだ!心は……愛は何ものにも縛られない、自由だろ!』
── なんなのだ、そのキメ顔は。
あまりの発言に脳内は発言への処理を拒否して、そんなことしか浮かばなかったくらいであった。
ちょっと間を置いて、再起動してからすぐに反論したが。
『認めんっ!馬鹿も休み休み言えっ』
それから悪夢は始まった。
学校を卒業しても見合いを断り続け3年。24にもなって未だにあの平民と切れるどころか、囲おうとしている。
侯爵家名義の別邸に出入りしてバレないと思っているのか……馬鹿さ加減に頭が痛い。
救いは子が出来ていないところだろうか。
もうすぐあやつも25歳。どんなに頑張っても血の呪いか子供が出来にくく、あのバカ息子以外に子はいない。
最悪妻以外に女を迎えることも考えたが、いかんせん自分も歳だ。それに妻ではなく、自身に問題がある可能性も否めないのに、余計な火種は回避したい。
「ぐぬぬ…」
「旦那様、領地での狩猟会の土産物ですが、何にいたしましょう?」
「あ、ああ。もうそんな時期か……」
治める侯爵領では、領地の代官や親戚筋を集めて年に一度、感謝の意を込めた狩猟会を行っている。
全て此方で用意するが、持ち帰りの土産物までも勿論用意するのだ。
「王都で珍しい……今はやっているものは……」
「此方に各種商会別の取扱商品一覧を集めておきました。気になるものがあれば仰ってください」
「どれ…結構あるな。目を通しておこう」
恭しく一礼して、長らく仕えてくれている執事長は下がっていった。
「ふむ……色々あるな。ロクザンヌ商会……アルベルト……レブンズ商会……」
様々な商品。そういえば話題に上がったなと、社交でうろ覚えな物もあった。
ん?
ガサガサと商会の資料を探る。
「……ここは……そうだ。いや、でも……」
その商会の資料を手に、また頭を抱えて悩む。
散々悩んで考えたが、一つ言えることがあるとすれば
「後がない」
この一言に尽きるだろう。
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