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サイドストーリー・妹の冒険
あの後
しおりを挟む数日後に従僕さんが一人で、富裕層の平民風を装って来店してくれた。
「先日は申し訳ありませんでした」
店舗二階にある、商談用個室に通した従僕さんは、挨拶をして椅子へと腰を落ち着かせると、深々と頭を下げた。
一応同席してもらった、隣に座るマルコさんは、急な謝罪に無言のままで目を白黒させている。
「まぁまぁ、『何モ無カッタ』んですから、謝らないでください」
私がそう言うと、困った顔で「有難うございます」と小さく会釈した従僕さんは、その後の顛末を話してくれた。
***
エディオンは、あの後ブツクサ言いながら部屋に戻った。しかし、従僕さんの言う事が本当かが気になり、晩餐の席で何気なく父である国王陛下に尋ねた。
「父上、そのワインお好きですね。でももう他の物に代えても良いんじゃないですか?他の商会のワインなんかどうです?」
すると、和やかだった晩餐の席は一瞬にして凍りついた。
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