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サイドストーリー・妹の冒険
遭遇と言うより衝突
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翌朝。
何やら嬉々として女性従業員に「これは新商品のヘアオイルです」とか「真珠のパウダー入り白粉です」とか言われながら飾りつけられた私は、ちょっと憮然としながら馬車に乗り込み、荷馬車を後続に連れて王宮へ向かった。
……マルコさん、広告塔欲しかっただけじゃ。
なぁんて考えながら、景色を眺めつつ王宮へ着くと、商会専用出入り口を通って中へ。
商品の質問や確認も滞りなく終わり、連れてきた従業員が納入作業を進めているうちに、商会の身分証で出入りが許された所や、中庭などを練り歩く。
……折角やし、広告塔もちゃんとこなしとこ。
マルコさんのニンマリ笑顔が、さわやかな青空に浮かぶようやわ。
そんな事を考えながら前をろくに見ずに歩いていたのが悪かったのか、生垣の間から出てきた人影に気づかずに、勢いよくぶつかってしまった。
「っつ!」「ぅわわっ!」
因みに色気もへったくれもない後者の声が私や。
「あいたーー……」
相手が大きかったからか、単に私が軽かったからなのか、跳ね飛ばされるように後ろへと尻餅をついた。咄嗟に手が出せない転倒ってめっちゃ痛い。
「急いでいたものですまない。大事ないか?」
「大事な尻が割れてもうたわ。あいたた……」
あまりに痛さに、いつもの口調で軽口を返してもうた。なんとか自力で立ち上がって打った腰から尻を痛みを飛ばすように撫でた。
「そっちも大丈夫?怪我はない?」
「……あ、ああ」
ぶつかった人物は、綺麗な装飾が幾つも付いた服を来た、青年と言うにはまだ幼さを感じる男の子だった。
「脇見はお互い様や……じゃない、ですわ。怪我がなくて安心いたしました。では失礼いたします」
ペコリと頭を下げてサッサとその場を去ろうとした私の腕を、その男の子がガシリと掴んだ。
何やら嬉々として女性従業員に「これは新商品のヘアオイルです」とか「真珠のパウダー入り白粉です」とか言われながら飾りつけられた私は、ちょっと憮然としながら馬車に乗り込み、荷馬車を後続に連れて王宮へ向かった。
……マルコさん、広告塔欲しかっただけじゃ。
なぁんて考えながら、景色を眺めつつ王宮へ着くと、商会専用出入り口を通って中へ。
商品の質問や確認も滞りなく終わり、連れてきた従業員が納入作業を進めているうちに、商会の身分証で出入りが許された所や、中庭などを練り歩く。
……折角やし、広告塔もちゃんとこなしとこ。
マルコさんのニンマリ笑顔が、さわやかな青空に浮かぶようやわ。
そんな事を考えながら前をろくに見ずに歩いていたのが悪かったのか、生垣の間から出てきた人影に気づかずに、勢いよくぶつかってしまった。
「っつ!」「ぅわわっ!」
因みに色気もへったくれもない後者の声が私や。
「あいたーー……」
相手が大きかったからか、単に私が軽かったからなのか、跳ね飛ばされるように後ろへと尻餅をついた。咄嗟に手が出せない転倒ってめっちゃ痛い。
「急いでいたものですまない。大事ないか?」
「大事な尻が割れてもうたわ。あいたた……」
あまりに痛さに、いつもの口調で軽口を返してもうた。なんとか自力で立ち上がって打った腰から尻を痛みを飛ばすように撫でた。
「そっちも大丈夫?怪我はない?」
「……あ、ああ」
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「脇見はお互い様や……じゃない、ですわ。怪我がなくて安心いたしました。では失礼いたします」
ペコリと頭を下げてサッサとその場を去ろうとした私の腕を、その男の子がガシリと掴んだ。
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