別に要りませんけど?

ユウキ

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ん?ケジメ?

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「アリーシャ!此処で何をしている!」


 そういえばそんな名前だった気がするわと、現実逃避気味に思っていると、アリーシャは般若の如く怒りに歪めた顔を、パッと笑顔で輝かせた。顔の温度差半端なさすぎやろ。


「ネイト!迎えに来たの!」


 さっきまで怒り肩で息巻いてたのに、胸の前で手を組んで撫で肩にして、小さくか弱く華奢アピール。

 ……別の意味の「お迎え」だったらオモロいのに。

 まぁ、他所でやって。と知らん顔してそのまま背を向けようとしたら、ネイサンはアリーシャを丸っと無視して脇をすり抜け、私の手を掬い上げるようにして取った。


「大丈夫か?大事ないかっ」


 肩で息をしながら、心配げに眉を寄せるネイサン。後ろであんたの愛称を叫ぶ彼女の声は、耳に入らないご都合性能らしい。えぇなぁそれ。


「……えぇ、問題ございませんわ。寂しすぎて来られたらしいわ。彼女」


 あんたがしっかり相手せんから、「来ちゃった⭐︎テヘ」を、やらかしたんやぞ?をお貴族オブラートに包んでフォーユーしてみた。


「あ、ああ。俺がしっかりケジメを付けないからだ……すまない」


 ん?ケジメ?
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