3 / 41
あなたの愛?
しおりを挟む
呆れ成分をたっぷり含ませた言葉に気付いたネイサンは、怒ったみたいで顔を赤くして眉を釣り上げた。
「それは貴様の家が、侯爵家との繋がりと利益を求めて」
「ご存知ないのですね」
切ったったわ。最後まで聞くわけあらへん。
仕方なくベッドから腰を上げて、ネイサンの向かいにある椅子に移動。腰を据えて説明したろ。何事も最初が肝心やもんな。
「我が実家は伯爵家ながらに、始まりは建国時期まで遡れる由緒ある家系ですわ。
未だに伯爵位なのは、元々権力欲の薄い者ばかりで、陞爵を事あるごとに辞退。代々発生する当主争いは、“押し付け合い”で争いが発生するくらいですの。私、女で良かったと心底思っていますのよ」
あぁ、継承権は男のみだもんなと、小さく呟いたネイサン。いくつか特例はあるんやけど。知らんかったりするんかな。今は置いとこ。
「そしてもう一つ特徴としては、多産である事。それが今回、侯爵様が求められたものの一つですわね。
このお話を頂いた時、若い方が良いかと妹を推そうと思ったのですが、いつの間にか置き手紙を置いて居なくなっておりまして…………仕方なく私が参りましたの」
ホンマに知らんかったんかいな。薄灯でも分かるくらい目を丸めるな、ネイサン(25歳)。
大丈夫かな次代侯爵。
「……そう言った経緯なのですが。
さて、何処かに貴方の愛が求められた箇所が、少しでもありまして?」
心底分からんわぁって頬に手を当てて小首を傾げて聞いたら、ネイサンは今度は羞恥で顔を赤くした。
…………器用なこって。
貴族って顔に出したらあかんのよ?知ってた?
「そ……それはっやはり俺の愛がないと……」
モゴモゴしたかと思うと、言うに事欠いてそれかいな。
「ですから、貴方の愛がなくとも家内の取り回しは出来ますし、貴方の愛がなくとも社交はできますし、貴方の愛がなくともヤるコトやれば子はできますでしょう?」
まぁ最後は神様次第やけどなっと心で付け加えた。3段活用で「俺の愛は無価値」って説明したったけど、伝わったかなぁ~。
「それは貴様の家が、侯爵家との繋がりと利益を求めて」
「ご存知ないのですね」
切ったったわ。最後まで聞くわけあらへん。
仕方なくベッドから腰を上げて、ネイサンの向かいにある椅子に移動。腰を据えて説明したろ。何事も最初が肝心やもんな。
「我が実家は伯爵家ながらに、始まりは建国時期まで遡れる由緒ある家系ですわ。
未だに伯爵位なのは、元々権力欲の薄い者ばかりで、陞爵を事あるごとに辞退。代々発生する当主争いは、“押し付け合い”で争いが発生するくらいですの。私、女で良かったと心底思っていますのよ」
あぁ、継承権は男のみだもんなと、小さく呟いたネイサン。いくつか特例はあるんやけど。知らんかったりするんかな。今は置いとこ。
「そしてもう一つ特徴としては、多産である事。それが今回、侯爵様が求められたものの一つですわね。
このお話を頂いた時、若い方が良いかと妹を推そうと思ったのですが、いつの間にか置き手紙を置いて居なくなっておりまして…………仕方なく私が参りましたの」
ホンマに知らんかったんかいな。薄灯でも分かるくらい目を丸めるな、ネイサン(25歳)。
大丈夫かな次代侯爵。
「……そう言った経緯なのですが。
さて、何処かに貴方の愛が求められた箇所が、少しでもありまして?」
心底分からんわぁって頬に手を当てて小首を傾げて聞いたら、ネイサンは今度は羞恥で顔を赤くした。
…………器用なこって。
貴族って顔に出したらあかんのよ?知ってた?
「そ……それはっやはり俺の愛がないと……」
モゴモゴしたかと思うと、言うに事欠いてそれかいな。
「ですから、貴方の愛がなくとも家内の取り回しは出来ますし、貴方の愛がなくとも社交はできますし、貴方の愛がなくともヤるコトやれば子はできますでしょう?」
まぁ最後は神様次第やけどなっと心で付け加えた。3段活用で「俺の愛は無価値」って説明したったけど、伝わったかなぁ~。
175
お気に入りに追加
2,724
あなたにおすすめの小説
【完結】二度目の恋はもう諦めたくない。
たろ
恋愛
セレンは15歳の時に16歳のスティーブ・ロセスと結婚した。いわゆる政略的な結婚で、幼馴染でいつも喧嘩ばかりの二人は歩み寄りもなく一年で離縁した。
その一年間をなかったものにするため、お互い全く別のところへ移り住んだ。
スティーブはアルク国に留学してしまった。
セレンは国の文官の試験を受けて働くことになった。配属は何故か騎士団の事務員。
本人は全く気がついていないが騎士団員の間では
『可愛い子兎』と呼ばれ、何かと理由をつけては事務室にみんな足を運ぶこととなる。
そんな騎士団に入隊してきたのが、スティーブ。
お互い結婚していたことはなかったことにしようと、話すこともなく目も合わせないで過ごした。
本当はお互い好き合っているのに素直になれない二人。
そして、少しずつお互いの誤解が解けてもう一度……
始めの数話は幼い頃の出会い。
そして結婚1年間の話。
再会と続きます。
【完結】婚約破棄した王子と男爵令嬢のその後……は幸せ?……な訳ない!
たろ
恋愛
「エリザベス、君との婚約を破棄する」
「どうしてそんな事を言うのですか?わたしが何をしたと言うのでしょう」
「君は僕の愛するイライザに対して嫌がらせをしただろう、そんな意地の悪い君のことは愛せないし結婚など出来ない」
「……愛せない……わかりました。殿下……の言葉を……受け入れます」
なんで君がそんな悲しそうな顔をするんだ?
この話は婚約破棄をして、父親である陛下に嘘で固めて公爵令嬢のエリザベスを貶めたと怒られて
「そんなにその男爵令嬢が好きなら王族をやめて男爵に婿に行け」と言われ、廃嫡される王子のその後のお話です。
頭脳明晰、眉目秀麗、みんなが振り向くかっこいい殿下……なのにエリザベスの前では残念な男。
★軽い感じのお話です
そして、殿下がひたすら残念です
広ーい気持ちで読んでいただけたらと思います
[完結]本当にバカね
シマ
恋愛
私には幼い頃から婚約者がいる。
この国の子供は貴族、平民問わず試験に合格すれば通えるサラタル学園がある。
貴族は落ちたら恥とまで言われる学園で出会った平民と恋に落ちた婚約者。
入婿の貴方が私を見下すとは良い度胸ね。
私を敵に回したら、どうなるか分からせてあげる。
【完結】彼の瞳に映るのは
たろ
恋愛
今夜も彼はわたしをエスコートして夜会へと参加する。
優しく見つめる彼の瞳にはわたしが映っているのに、何故かわたしの心は何も感じない。
そしてファーストダンスを踊ると彼はそっとわたしのそばからいなくなる。
わたしはまた一人で佇む。彼は守るべき存在の元へと行ってしまう。
★ 短編から長編へ変更しました。
[完結] 私を嫌いな婚約者は交代します
シマ
恋愛
私、ハリエットには婚約者がいる。初めての顔合わせの時に暴言を吐いた婚約者のクロード様。
両親から叱られていたが、彼は反省なんてしていなかった。
その後の交流には不参加もしくは当日のキャンセル。繰り返される不誠実な態度に、もう我慢の限界です。婚約者を交代させて頂きます。
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
【完結】私を裏切った最愛の婚約者の幸せを願って身を引く事にしました。
Rohdea
恋愛
和平の為に、長年争いを繰り返していた国の王子と愛のない政略結婚する事になった王女シャロン。
休戦中とはいえ、かつて敵国同士だった王子と王女。
てっきり酷い扱いを受けるとばかり思っていたのに婚約者となった王子、エミリオは予想とは違いシャロンを温かく迎えてくれた。
互いを大切に想いどんどん仲を深めていく二人。
仲睦まじい二人の様子に誰もがこのまま、平和が訪れると信じていた。
しかし、そんなシャロンに待っていたのは祖国の裏切りと、愛する婚約者、エミリオの裏切りだった───
※初投稿作『私を裏切った前世の婚約者と再会しました。』
の、主人公達の前世の物語となります。
こちらの話の中で語られていた二人の前世を掘り下げた話となります。
❋注意❋ 二人の迎える結末に変更はありません。ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる