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どうしてこうなったのかしら
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表向きの発表としては、王命である婚約を反故にした罪で王籍を抜けて、辺境領の一騎士となるという内容で周知された。
そのせいで結局王宮へと引き取られるはずのハイデリウス殿下は、辺境伯邸への滞在が続行となり、辺境行きのために準備と手続きに追われる事となった。
辺境領の嫡男と私が婚約したことは、周りには王家からの迷惑料の一つとでも思われていそうだわ。
案の定その辺りのことに、ものすごく不服そうにしているオーウェンを見て、私は苦笑を漏らした。
魔王のオーラを纏ったオーウェンが、執務机に向かって何かを書きつけると、それを辺境領へ早馬で出し、その返事が返ってくるなり王宮へと謁見申し込みを入れていたので、何がしたかったのかは私にはわからないのだけれど。
あの時、オーウェンを止めなかったことが、現在の私に繋がっているとは、予想もつくまい。
だってそのせいで1ヶ月半後の今、私はとんでもないところに立っている。
晴れた空、白い鳥が小さな群れを成して横切っていく。
サワサワと可愛花たちが風に揺れて、芳しい香りを振りまいている。
リーンゴーン リーンゴーンと上空から響く鐘の音が私の肝を冷やしていく。
あの男……本気だったのか。
私はまだ閉じられている大聖堂の扉前で、遠い目をして胃の辺りを押さえるお父様と共に、佇んでいる。
そのせいで結局王宮へと引き取られるはずのハイデリウス殿下は、辺境伯邸への滞在が続行となり、辺境行きのために準備と手続きに追われる事となった。
辺境領の嫡男と私が婚約したことは、周りには王家からの迷惑料の一つとでも思われていそうだわ。
案の定その辺りのことに、ものすごく不服そうにしているオーウェンを見て、私は苦笑を漏らした。
魔王のオーラを纏ったオーウェンが、執務机に向かって何かを書きつけると、それを辺境領へ早馬で出し、その返事が返ってくるなり王宮へと謁見申し込みを入れていたので、何がしたかったのかは私にはわからないのだけれど。
あの時、オーウェンを止めなかったことが、現在の私に繋がっているとは、予想もつくまい。
だってそのせいで1ヶ月半後の今、私はとんでもないところに立っている。
晴れた空、白い鳥が小さな群れを成して横切っていく。
サワサワと可愛花たちが風に揺れて、芳しい香りを振りまいている。
リーンゴーン リーンゴーンと上空から響く鐘の音が私の肝を冷やしていく。
あの男……本気だったのか。
私はまだ閉じられている大聖堂の扉前で、遠い目をして胃の辺りを押さえるお父様と共に、佇んでいる。
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