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ワガママですわよっ
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オーウェンを引き連れて応接間に移動してきた私は、オーウェンに進めたソファーの向かいに腰を下ろす。
これぞ妃教育で培われた所作だ!と、内心でドヤァァっとしていると、後ろからシェリが私にだけ聞こえる声でコホンと咳払いをして「お嬢様」と声をかけてきた。
あぁ、いけない。そうだったわ。見せつけたいのはコレじゃなかったんだわ。今こそシェリ(無理矢理付き合わせた)と特訓した成果を見せなければ!
私はやや斜めに座り直し、顎を逸らすとオーウェンを見つめた。
「お久しぶりね、オーウェン様」
「あぁ、数日ぶりだな。アデレイズ嬢」
「貴方だとは思わなかったわ。私と婚約するお話ですけれど……良いのかしら?」
「……君から婚約を持ちかけたのだろ?私はそれを受けた。何か問題が?」
「だって、私も貴方もよく知らないでしょう?」
「幼馴染だろう?知らぬ仲ではない」
ふんぞり返るようなオーウェンの態度に、イラッとしながらも私は顎をツンとさせたまま続ける。
「もう何年も前のお話ですわ。年月は人を変えると言いますし。もう昔の私と違いましてよ?」
「ほぅ……今の君とどう違うのか、教えてくれると言うことかな?」
オーウェンは食いついた様に、前のめりの姿勢を取り、片端だけ口角を上げて挑発する様な笑みを浮かべる。
「…よろしくてよ?私、王宮にずぅっといましたでしょう?見るもの触れるもの全て一流の物に囲まれて来ましたの。だから、貴方が私を満足させてくれるのかしら……と、不安ですの」
「なんだ、そんな事か。問題ないさ」
「そう?ドレスはマダムフェリールのオートクチュールが良いですわ。宝石はそうねぇ、ブルーダイヤモンドのローズカットのものが欲しいわ。ウェッジスティードの茶器じゃ無いと納得がいきませんし。あぁ、もし結婚するならお式は盛大じゃ無いと嫌なの。最高級のウェディングドレスが着たいし…」
「そうか。わかった」
「え゛?」
こんな面倒くさい事を言っているのに、「わかった」って何?!
「ん?」
「い、いえ。け、結婚指輪は希少なブルースターダイアモンドがいいわっ!それからそれから、いっぱい人を呼んでっ!」
「ああ。そうだな」
「は?!そ、それからそれで……えっと、も、もちろん、全てディモアール辺境伯家に用意してもわうわよっ!!」
「…………はぁ?」
まぁったく効き目が見えないワガママ放題な私の言葉に、微笑みさえ浮かべて頷いていたオーウェンの笑顔が一瞬で消えて眉間に皺を寄せた。
よ、よっし!!!浪費家な花嫁なんてやっぱり嫌でしょう?!と思っていると、オーウェンが口を開いた。
「当たり前だろう。他に誰が用意すると言うんだ」
……………………え?あ、あれ??イイノ?
これぞ妃教育で培われた所作だ!と、内心でドヤァァっとしていると、後ろからシェリが私にだけ聞こえる声でコホンと咳払いをして「お嬢様」と声をかけてきた。
あぁ、いけない。そうだったわ。見せつけたいのはコレじゃなかったんだわ。今こそシェリ(無理矢理付き合わせた)と特訓した成果を見せなければ!
私はやや斜めに座り直し、顎を逸らすとオーウェンを見つめた。
「お久しぶりね、オーウェン様」
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「貴方だとは思わなかったわ。私と婚約するお話ですけれど……良いのかしら?」
「……君から婚約を持ちかけたのだろ?私はそれを受けた。何か問題が?」
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「なんだ、そんな事か。問題ないさ」
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よ、よっし!!!浪費家な花嫁なんてやっぱり嫌でしょう?!と思っていると、オーウェンが口を開いた。
「当たり前だろう。他に誰が用意すると言うんだ」
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